13.ファントムの裏切り
~1~
たいよう学園近くの倉庫。
リゲル様「やるわね、こんなにもたくさんの子どもを捕まえて来るなんて。…あらん?」
リゲル様は蒼汰の入ったカプセルに目をつけた。
リゲル様「アンタ、あのオレンジツインテールの友達じゃないの」
蒼汰「お前は…いつかの変態!」
リゲル様「ちが~う!!まぁいいわ。僕にエラそうにしていられるのも今のうちよ、"すててこマン"」
蒼汰「人違いだ、おれはただのソックリさんなだけで…」
リゲル様「ふん、助かりたいからって、ウソはおよしなさい。でも、僕の"最強怪人"の前では正義のヒーローもこのザマだということね」
かな「お待ちなさい!」
リゲル様「やはり来たわね。待っていたわよ、ゴス…」
蒼汰「あ、不審者!」
かな「蒼汰くん、ここに居たのね」
蒼汰「お前、やっぱり悪い奴だったな。おれ達をこのまま売って金儲けするつもりだろ?」
かな「バーカ、アンタみたいな無礼なお子様なんて誰も買わないわよ」
蒼汰「なにぃ!?」
かな「でも、カプセルの中にアタシのようなお姫様が入っていたら、デ◯ズニー映画みたいでロマンチックよねぇ~。そして素敵な王子様が助けに来る…」
蒼汰「じゃあ、題名はどうする?」
かな「そうね、『カプセル姫』なんてどう?」
蒼汰「ダメ」
かな「じゃあ『プリティカプセルプリンセスかな』は?」
蒼汰「却下!お前ネーミングセンスゼロだな」
かな「じゃあテメェが決めろやボケェ!」
蒼汰「はぁ!?自分のネーミングセンスの悪さ棚にあげて八つ当たりしてんじゃねぇよバカ!だいたいお前のどこがプリティでプリンセスなんだよブス!」
かな「あぁん!?やんのかクソガキ!」
リゲル様「ちょっと、僕を無視しないでちょーだい!」
かな「ごめん、すっかり忘れてた。さぁ、子ども達を返しなさい!変身…」
リゲル様「おっと、大人しくしてちょうだい。動くとこのボウヤがどうなっても知らないわよ?」
かな「うわ、セコい!」
リゲル様「フフフ…よくも今まで僕の邪魔をしてくれたわね。さぁ"ファントム"、この小娘を始末なさい!」
かな「ファントム!?」
ファントム「久しぶり、カナちゃん♪」
かな「ファントム、どうしてアンタが…」
リゲル様「あーら知らなかったの?ファントムは僕が造った最強の怪人なのよ」
蒼汰「こいつ、お前のこと騙していたんだ!」
ファントム「わっはっはっは!隠してて悪かったな」
かな「そんな…ファントムが」
リゲル様「おしゃべりはここまでよ。さぁファントム!」
ファントム「了解。いくぜ、カプセルボム!」
ドカン、ドカン、ドカン!
かな「きゃ~!」
リゲル様「あら、ファントムのカプセルボム3連発を受けてもその程度なの?やるわね」
ファントム「カプセルキャノン!」
ヒュー、ドッカーン!!
かな「きゃあああっ!」
リゲル様「あぁん!アナタの悲鳴、僕のハートにズキンとくるわ。うっふ~ん、快感…」
かな「待ってて蒼汰くん、絶対に助けるから…」
蒼汰「…おれの事はいいからさ、早く逃げろよ。このままじゃお前…」
リゲル様「アンタ、どうしてこんな小僧一人のためにそこまでするの!?」
かな「わからない?大切な友達だからよ。チビで生意気で性格もこの上なく悪いけど、蒼汰くんはアタシの大切な友達なの!アンタにはそんな人がいないの!?」
リゲル様「なによ、少年マンガの主人公みたいなこと言っちゃって…。ファントム、トドメをなさい!」
ファントム「ああ、いいよ。だが…」
リゲル様「なっ!?」
かな「ファントム?」
なんとファントムはカプセルを持った手をリゲル様に向けた!
ファントム「まずはアンタから消えてもらおう!!」
リゲル様「やだぁ~、なんで~?怪人が創造者の僕に逆らうなんてあり得ないわよ~」
ファントム「たしかに"さっきまでの歴史"ではボクちゃんはキサマの造った怪人でしたね。俺様がそういう"歴史改変"をしたんですもの。でも、元通りになっちゃったみたい☆」
リゲル様「…あっ、本当だわ!アンタみたいな怪人なんて造った覚えないわよ!何者よアンタ!?」
ファントム「その質問には答えらんねぇな。オレ自身にも…自分が何者なのか、分からないんだ」
リゲル様「くっ、おのれぇ。僕をさんざんコケにしてくれたわね…」
ユキコ「水晶玉攻撃!」
ごつっ…
リゲル様「いたっ」
あみ「みんなは返して貰ったわ!」
リゲル様「あっ、コラ!」
かな「ユキコちゃん、あみチャン…来てくれたんだね」
ユキコ「当たり前じゃない♪」
あみ「私達、友達なんだから(なんだか熱い展開になってきたわね)
かな「ありがとう。みんな、後はアタシに任せて。変身!」
カナは自身の正体がバレる事も構わず魔法の香水を振り撒いた!
蒼汰「え?」
かな「ゴスロリAngelかな、降臨!」
シャキーン!
To Be Continued.




