魔法(Bルート)
魔法説明回
~ショウ視点~
俺は転校生を助けたら異世界に飛ばされた、ラノベによく出てくるような子だ。ただ、中学生だからまだエロいことには抵抗がある。まあ、知識量では学校トップクラスだが。
それにしても幸運だ。なんとなく生徒会長になったら超絶美少女の世話役になって、大分疲れていた。親は悲しむかも知れんが、王立騎士団とやらの保護下にあるし、よほどのことがない限り死なないだろう。こっちでの生活に慣れたら帰り方を探しても良いかもしれない。
ここは剣と魔法の異世界だ。夢でも現実でも、折角来たんだから魔法を学ぼうと思う。レナさんとかいう世話役の人は優しくしてくれる。エロい事は無いが、当然だろう。彼女は軽く魔法について説明してくれたが、よくわからない。レナさんは魔法使いだが、感覚派なのだろう。
彼女から得た知識はこんな感じだ。
まず、魔法の行使には魔力を使う。魔力は誰でも持っているが、量(魔力量)には個人差がある。少しは自分で魔力量を増やすことが出来るが、それでも個人差を覆すのは難しい。消費する魔力は行使する魔法によって変わる。体内の魔力が不足すると貧血みたいな状態になるが、ちょっと休めば回復するらしい。
魔法は結界術、召喚術、転移術、魔術に分類される。結界術はレナード隊長の部下が使っていたな。指定した範囲の中に特定の現象を発生させる術だそうだ。範囲内に入れなくしたり、出れなくしたり、傷を治癒したりと色々な使い道がある。下位結界術師、上位結界術師、神級結界術師というランクがある。神級結界術師にもなると範囲内の時を止めることが出来るらしい。スゴいね。
召喚術はその名の通り魔物(知能が低く、好戦的な生物)とか魔獣(ある程度人とコミュニケーションが取れて、友好的な生物)を召喚する術だ。召喚する生物の大きさ、魔力量によって消費魔力が違う。当然対象が強ければ消費は大きい。ちなみに人を召喚するのは禁忌で、方法はどこかに封じられているらしい。これにも下位、上位、神級があるらしい。神級は別世界の生物を召喚することもできるらしい。
転移術はテレポートだ。沢山の物を動かせばその分魔力を多く消費する。以上。
魔術は今の三つ以外の魔法だ。何もない空間に炎を作ったり、伝導性の無い空気を突き破って雷を対象に叩きつけたり、部屋を暖めたり、治癒したりと色々あるようだ。ちなみに避妊の魔法もある。便利じゃ。まあ関係ないけど。レナさんは魔術しか使えないらしい。下位は殺傷能力を持たない程度の魔術師、上位は殺傷能力を持つ魔術師、神級は一撃で街を消せる魔術師、みたいな感じだ。
俺は魔術と転移術を集中的に、余裕があれば結界術を学ぼうと思う。つまり学校に行く。だが、その前に俺の能力を調べるようだ。先生はレナさん。不安だなあ。
「まずは魔術ですね。私は詠唱なしで生きてきたので呪文を忘れました。なのでお手本を見せたあと感覚を伝えるのでやってみてください」
「お、おう」
ちょいとワンダフルな発言をした後、レナさんは俺を中庭のような所に連れ出した。そして少し離れたところに魔術で石でできた標的のような物を作った。
「まずはあの標的を破壊してみましょう。お手本です」
そう言うと彼女は右手を左に持っていって、机の上のケシカスを払うような仕草をした。それもメッチャクチャ素早く。
すると右手の先から炎が噴出して標的に直撃した。耳をつんざくような爆音が鳴り響き、煙が視界を遮る。ようやく視界が晴れてくると、そこには何もなかった。燃えカスさえも。石って蒸発するんだろうか。何だろう、初めて魔法を見たのに、あまり興奮しない…スゴすぎてちょっと…うん。
レナさんが笑顔で言った。
「じゃあ、今のをやってみてください!」
「でもやり方がわからない」
天才肌ってこんなもんなのか?まあ、やるけど。
その後レナさんからレクチャーを受けたが、正直いってよくわかんなかった。
「グッと手に魔力を込めて、シャン!って感じで対象に炎をぶつけるんです」
ツッコミたいところが多い。まず魔力の存在すら知らない(設定上は忘れた)俺が魔力をグッと込めることは至難の技だ。仮に魔力をグッと込めたとしよう。それをどうやって炎に変えるのだ。グッはわからないでもないが、シャンは無理だ。
それでもやってみようと思う。
「じゃあ、いきます」
俺は左利きなので左手を右にやる。そして指先に全力で力(魔力じゃない)を込める。ピクピクするくらいに。そして対象を定める…ってあれ?そういやさっきレナさん標的を消失させてたな…対象が無い!慌てて動作を止めようとしたが時すでに遅し。左手は指先の力を解放しながら振るわれた。目の前が真っ白になる。
その日、中庭は白い高温の炎に包まれた。
次回武術説明会。後、レナさんの説明(魔法について)は所々違う箇所もあります。