異世界(Bルート)
短いです
ぼんやりとしていた人の形が急にハッキリと、焦点が合ったかのように見えた。そこにはおばさ…お姉さんと若い男がいた。声から判断して、結界を操作したのは男のようだ。
とりあえず笑顔で質問してみる。
「誰ですか?どこですか?」
「無駄のない質問ね。私はリウィア・レナード。王立騎士団特殊任務隊隊長。そしてここは王立騎士団本部の尋問室よ」
女性が答えた。レナード隊長はさらにこう続けた。
「昨晩、スコラ草原北部で倒れているあなたを伝令が偶然発見しました。これからいくつか質問します。拒否権はありません。始めに、名前と種族、年齢を教えてください」
名前しかわからん。それでも将は冷静だった。冷静に、名前を考えた。いっそのこと格好良い名前にしようか。でもなぁ。そして導き出された結論は、
「名前はショウ・ランドルフです。種族はレナード隊長と同じで、十四歳です」
「ショウ・ランドルフ、人族、十四歳ね」
男がメモをとる。部下だろうか。そして人族という言葉から将改めショウは猫耳ガールの存在を予測し、興奮した。
「次の質問。トルネリア人?職業は?」
トルネリアとは恐らく今いる国の事だろう。だとして、職業はどうするべきだろうか?魔法使いと答えてみたいが魔法は使えない。正直にいこう。
「ええ、トルネリア人です。職業は学生です。それ以外何も思い出せません」
「そう…親とか、学校とかも思い出せない?」
「はい」
レナード隊長は少し考えた後、こう告げた。
「では、これよりショウ・ランドルフは我々王立騎士団の管理下に置きます。とりあえず寝床は私たち特任の兵舎を使いなさい。あとで世話係を送るわ。当面は我々の指示に従って」
「了解です」
やべぇ超楽しみなんですけど。ショウは元の世界の親をあまり心配していなかった。いずれ帰れる。そう思っていた。
彼は自分が何故手厚い保護を受けるのかを考えていなかった。
~特任兵舎~
「ショウさんの世話係のレナ・マネラです。レナって呼んでください」
「わかりました。よろしくお願いします」
「これからショウさんには魔法やこの世界の事を思い出してもらいます。一番基本的なことから説明するので、できるだけ早く思い出してください」
「魔法だ!」
「どうされました?」
「いえ…」
次回魔法関連を説明しようと思います。