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男なんて…

~二年B組~

 三芳くんとアリス・ウォルコットは仲が良さそうに見える。私は塾があって空港に行かなかったが、転校生は美少女姉妹だと聞いていた。それにしてもこんなに可愛いとは。人形ではない。人の暖かみを有している。そんな美しさだ。

 私は英語が苦手だ。成績の上では五だが、テストと授業態度が良いだけだろう。実際に話したり、聞いたりするのが出来ない。だから生徒会で転校生姉妹を世話するのは若干不安だった。まあ、初め聞いたときはちょっと見栄を張って「ガンバロー!」なんて言ってしまったが。そんな私に対して三芳くんと(意外にも)真奈は英語が得意だった。平然とタイムラグなしに会話している。私は


「西久保さん、この子がアリス・ウォルコット。転校生だよ(日本語)。アリス、こちらが西久保美樹。生徒会だよ。これからは俺と真奈、西久保さんでサポートするから(英語)」


「何で彼女だけ名字で呼ぶの?まあいいわ。西久保さん、よろしくね!アリスって呼んでね。それと、ミキって呼んでもいい?(英語)」


「えぇ?お、オーケー」


 こんな感じだった。酷いもんだ。

 その後私は三芳くんに呼び出され、英語でコミュニケーションがとれないことを確認された。恥ずかしい…


「昼休みと放課後アリスのために学校を案内するんだけど、一緒に来る?山村も来るよ」


「行くよ」


 日本語でもアリスって呼んだだと?どんだけ仲が良いんだよ。でも、日本人まみれの学校で数少ない英語を話せる人だもんね。仲良くなるか。



 昼休み、私、真奈、三芳くん、アリスの四人は軽く教室を見て回った。アリスは常に笑顔で話していて、とても可愛かった。本人にその気があれば女同士の禁断の世界を創れるだろう。私は違う。

 私も黙っている訳にはいかないから質問した。


「アリスは部活とか入る?」


「そうだなぁ、言葉わかんないからマナかショウかミキがいるところなら考えてみるよ」


「私は部活入ってないよ」


「私はサッカー部」


「俺は校則改定部」


「ショウ、それ何?」


「学校のルールで不満があるところを改定して、それを定例会に提案するんだ。今は俺と先輩の二人だけだよ。先輩はもう部長から退いてるけど」


「た、楽しそうね…」


 昼休みはこんな感じだった。




~放課後~

 放課後はペネロピさん達と合流して生徒会室で軽くトークをした。そこで衝撃の事実(まあ三芳くんへの態度から予測はできた)が発覚する。

 それは真奈がペネロピさんと話していたときだ。


「じゃあペネロピは嫌いなものとかあるの?」


「………………」


「あっ、ごめんねー。言いづらい事もあ」


「男」


 その瞬間、西島くんと三芳くん、菊地君が明らかに動揺した。まあそりゃそうだよね。特に西島・菊地両名は今日一日中一緒にいたんだからねぇ…


「そっか…なんかごめんね、ペネロピさん」


「ショウは悪くないわ。この子昔からそんなのだから。気にしないで」


「うん。じゃ、じゃあ気を取り直していこう。あ、そういえば、もうすぐ二年生は遠足があるんだ。憧れの街東京に行くんだよ」


「トーキョー?良いわね!」


「だろ?ここは東京に比較的近いし、電車一本で行けるから。楽しみだね」


 最後は平和的に終わった。






「お姉ちゃん」


「どしたの?」


「遠足ってさあ、あの人と同じ班になるの?」


「あの人?」


「ミヨシススム」


「まあ、そうなるんじゃない?そうじゃなきゃ困るし。それに、ショウは面白い人だよ。マナも英語話せるけど、ちょっと聞き取りづらいからさ」


「ふーん…」

え・ん・そ・く

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