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姫と貧民

作者: Irene

夕暮れ時の屋上に

相対する二つの影

一つは恋情の思いを持ち

もう一つは.._


クスクスクス、笑う声

それは幼い少女のもの

彼女は姫

箱庭の支配者


しくしくしく、泣いてる声

それは幼い少年のもの

彼は貧民

箱庭の弱者


愉快や愉快、満たされる心

弱者を庇いたてる美しき姫

しかしその心は

弱者を踏みにじる事を愉悦とする


哀しや哀し、傷付けられる心

姫に庇われる醜き弱者

しかしその心は

哀れにも姫に懸想する


もうイラナイ、響く声

それを発したのは愛らしい姫

夕暮れの箱庭の屋上で

弱者を(ほふ)


ウソダ、(かす)かな声

それを発したのは見窄(みずぼ)らしい弱者

夕暮れの箱庭の屋上で

姫に屠られた


季節は巡る

そして運命の歯車が回る

美しき姫はどうなった?

醜き弱者はどうなった?


桜の木の下、姫は出会う

麗しき王子と出会う

一目見たその時から

彼女は彼にトラワレル


桜の木の下、王子は出会った

美しき姫と出会った

その姿を視界に納めた時から

彼は彼女をトラエタ


序奏が終わり

そしてモノガタリが始まった

愛らしい姫は恋を知り

美麗な王子はコイをした


微笑む姫、その姿は可愛らしい

彼女の心はもはや王子のもの

夕暮れ時の屋上にて

その思いを告げる時を待つ


微笑の王子、その姿は端整(たんせい)

彼の心は姫の為の物

夕暮れ時の屋上にて

彼女の思いを聞くために行く


心を王子に打ち明ける姫

その心は愉悦

やっと手に入れた王子(アクセサリー)

醜き心仮面で隠す


姫の心打ち明けられた王子

その心は無

やっと手に入れたこの瞬間

美しき仮面をかけ直す


王子に拒絶された姫

何を間違えたか計算し直す

だけども問題が見つからない

自身の仮面が完璧だと思ってるから


姫を拒絶した王子

彼女の心追い詰める

一つ、また一つと

愛らしい仮面を削ぎ取る


美しかった姫の仮面

王子に総て削ぎ取られた

最後に残ったものは

醜き心を映す仮面のみ


麗しい王子

姫を完全に壊した

最後に残った仮面(プライド)

音を立てて崩れた


クスクスクス、壊れた笑い声

それはかつて美しかった少女のもの

彼女は元姫

暇つぶしに弱者を殺した箱庭の支配者であったもの


しくしくしく、静かな泣き声

それはかつて醜かった少年のもの

彼は元貧民

弱者であるが故に殺された姫に復讐を誓ったもの


夕暮れ時の屋上に

相対する二つの影

それは過去と同じ風景

だけどもその結末は.._

観測者 7.2号さんの主催する非リア同盟企画その名も

『非リア恋愛戦争』のために投稿しました


他の方の作品も見てくださいね!←宣伝


久しぶりにダークな感じの物書いた気がします......

感想よろしくお願いします(ペコリ)



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― 新着の感想 ―
[良い点] ダークですねえ……そして見事なまでの因果応報。書き方を統一しつつも物語性を感じる楽しめる作品でした。ありがとうございます。
[良い点] 王子の正体は何と無く分かりましたが、それでも面白かったです! [一言] 姫が可哀想に思ってしまったのは僕だけか?
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