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クウデレ(!)
あれから僕は、何も考えられなかった。
授業も、タケちゃんの話も、何一つまともに聞かなかった。
心がほわーんとして、幸せだった。
授業が終わって、かばんを持って帰ろうとすると、女の子が僕の前にやってきた。
その子は男の子っぽくて、ベリーショートの髪の毛が特徴的だった。
「あんた、今日の授業聞いてなかったね。そんなんだから城ノ内にやられんのよ。気をつけなさいね」
ひどく抑揚に乏しい声。クールというより、冷たい。
「あんた、一の谷のこと好きなんでしょう」
「ななななな、なんで分かったんですかあ?」
「あんたの態度見てれば丸わかり。ずっと見てたじゃん」
だめだ。全部見透かされてる。
「何なら伝えといてやろうか?お前が一ノ谷のことだいだいだーい好きだってこと」
「お願いですそれだけはやめてください」
僕も無表情で対抗してやる。
「じゃあな」
「さようならぁ」
こいつは城ノ内の次くらいにややこしい。
その時、
「タケヤくうん、あなたは私の将来のお嫁さんなんだからね?」
え? 例のクール女?