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アクム
「あら、ハヤト、おかえり。ご飯できてるから、先に食べちゃいなさい」
お昼に家を出たばかりなのに、もう夜だ。
まあ、道も分からず散々逃げかえってきたから無理もない、か。
お母さんの作るカレーライスは、何か絶妙にスパイスが混ぜ合わされているようだった。
でも、不思議と甘かった。なぜだろう?
「ごちそうさまでした」
「何よそんなにかしこまっちゃって。さっさと風呂入って寝ちゃいなさい」
お風呂に入る。
妙に体に、水よりも粘り気があるものがまとわりつく気がする。
でも気にしないようにした。
お風呂からあがって、すぐ眠りに着いた。
……
……
ん?目が覚めた。
ここは?家のベッドとは違う。
周りに点滴やよくわからない器具がたくさん置いてある。
ここは病院?
「あんた、早く目ぇ覚ましなさいよ!このクズ!」
ウザい女の声。
「クズ!」
「クズ!」
早く言い返したいところだが、体が動かない。
どうすんだよこれ!
僕はそのまま罵られた。
……ん?
朝。
家のベッドだ!
さっきのは夢だったのか。