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ズイム
……暗い。
僕に意識が戻ってきた。でも、目が開かない。まるで上から何かで固定されてるような感じ。
またか。僕は襲い掛かる孤独と絶望に備えた。
しかし、聞こえてきたのは、違うものだった。
一ノ谷さんの声。またあれか。
目を開ける。いつものように開かない。
もう逆にもっと寝てやろうか。どうでもよくなっていた。
……ねえ、起きて? ねえ、ねえ!
あれ?学校だ。ただの夢だったのか。
じゃあ……
「授業中、ずっと寝てましたよ?」
「あー、すいまへん……」
僕はもう意識が朦朧としている。
「ハヤトさん……ですよね?」
「えっ?まあ、そうですけど……」
「気を付けた方がいいですよ?」
「ごめんなさい……気を付けます……」
えっ?僕今一ノ谷さんとしゃべった?