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タタカイ
「私の声、聞こえるよね?目を覚まして。」
一ノ谷さん。なぜ?
夢なのか?現実か?
とりあえず、言われた通りに目を開こうとする。
ダメだ。目が開かない。まぶたに感覚がない。
「早く目を覚ましなさい!」
一ノ谷さんの声が響く。
「分かってるから黙ってて!」
そう叫んだ瞬間、僕は2年5組の教室にいた。
ヤバい。俺、授業中に寝てた?
大丈夫みたい。誰も反応しない。一ノ谷さんもノートをまとめているだけだ。
おかしい。あの一の谷さんがあんなに大きな声を出すことなんてないし、やっぱり夢なのか?
タケちゃんとクール女は授業中なのにいちゃつく。案外タケちゃんも満更でもないようだ。
そうだ。後でクール女のお名前も聞いておかなきゃ。
まだしゃべった事がない人。ノートはとっているけどキレイじゃない。
ちょっと頭は悪いっぽい?
それにしても5+2だけであんなにノートをとれるのは逆に凄い。
7月1日。夏休みまでにはあの子と仲良くなりたいな。