第7話 疑問とお仕事と
宿に戻ってから、クーに質問した。
「おい、結局あの男は何なんだ。あれも魔人か」
「違う……」
「けどお前が見えてたぞ。どういうことだ」
「あれは聖人だ」
「聖人?」
「そう。私と同じだが、私のようなものとは在り方が違う、そういう存在だ」
「聖人……」
「じゃあ、教皇の強さは」
「あいつの力だろうな。全く厄介なのが出てきたものだ」
「なぁ、聞いてもいいか?」
「なんだ」
「あいつとクーが同じだと言うなら、俺も教皇と同じように強いのか?」
「いいや。無理だな。私に出来るのは、せいぜいお前が危険に陥らないようにするくらいで、お前の力を一騎当千にしたりすることはできない。すまない……」
申し訳なさそうにクーは視線を落とす。それは力の出し惜しみをしているとかそういうわけではなさそうで、ただの事実であるようだった。
「いや、別にいい。クーはそばにいてくれればそれでいいんだ」
「……そうか」
そう言ったときのクーはどこか嬉しそうに見えた。
俺の気のせいかもしれないが。
*
城に戻ると、皆から口々に心配していたと言われた。それは聖国に向かうと言って立った父王や側室のお姉さま方たちも含めてであり、意外と自分が愛されていることが分かって驚いた。
そうクーに言うと、
「お前は鈍にもほどがある」
と言われてしまった。
そんな風に認識されているとは思わず、笑ってしまった。
それにしても、大分城を空けていたから、仕事がかなりたまっていたらしい。一応第一王位継承者なので、それなりに仕事と責任が与えられており、それをほっぽり出した以上、帰って来たのならその責任をしっかり果たされませと大臣に言われてしまった。
それもそうかとまず仕事の第一に、国王直轄領の視察に行くことにした。
その仕事を一番に持ってきた理由は、クーが帰ってきてから暇そうで、いい気晴らしになればと思ったということもある。
ともかく、仕事が片付くなら理由などなんでもいいだろう、とクーに言うと怒られた。
けど最後には、
「まぁ、いい。楽しみにしてる」
と言ってくれたので良しとする。




