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新たな仲間

王都・討伐本部。


重厚な扉の奥、円卓を囲む形で地図が広げられていた。


海沿いに記された赤い印。


第二ダンジョン――〈静海宮〉。


「潮流が乱れ、漁が止まっている。放置すれば沿岸都市が干上がる」


王国軍の参謀が説明する。


レオンは真剣な目で地図を見つめた。


「第一と同じだな。核を破壊すれば止まる」


「その通りだ」


低い声が部屋に響く。


ガルドだ。


腕を組み、堂々と立っている。


「で、俺の話だが――」


彼はレオンを見る。


「今回から正式に組ませてもらう。討伐隊じゃなく、お前のパーティとしてな」


一瞬、部屋が静まる。


レオンは驚き、そしてすぐに笑った。


「……いいのか?」


「むしろこっちが頼みたいくらいだ。あの連携、悪くなかっただろ?」


にやり、と笑う。


エリスが嬉しそうに手を合わせる。


「心強いです、ガルドさん」


参謀も頷いた。


「王国としても異論はない。第一ダンジョンを攻略した主軸メンバーだ。専属小隊として扱おう」


こうして。


レオン、エリス、ガルド。


三人は正式なパーティとなった。


そのとき。


「……少し、よろしいですか?」


静かな声。


部屋の隅で本を閉じた女性が立ち上がる。


長い黒髪。


知的な瞳。


すらりとした長身――百七十三センチほどはあるだろう。


身体のラインは細身に見えるが、動くたびに柔らかな曲線がわずかに主張する。


落ち着いた雰囲気の中に、不思議な存在感。


「王立魔導研究院所属、フィルと申します」


丁寧に一礼する。


「第二ダンジョンの潮流変化、魔力波形の観測結果をまとめました」


机に資料を並べる。


びっしりと書き込まれた数式と魔法陣図。


ガルドが小声で言う。


「……読めん」


「俺もだ」


レオンも正直に答える。


フィルはわずかに微笑む。


「要点だけお伝えします。核周辺では魔力密度が急激に上昇します。第一よりも高い」


「強くなってるってことか?」


レオンが問う。


「はい。おそらくダンジョン同士は独立していない。攻略が進むほど、残存個体は強化される傾向にあります」


部屋が静まる。


だが、レオンの目は揺れない。


「なら、もっと強くなればいい」


即答だった。


「強くなって、全部壊す」


フィルはその言葉を観察するように見つめる。


恐れではない。


慢心でもない。


ただの決意。


「……合理的です」


小さく頷いた。


「私も同行を希望します。魔法解析と支援を担当します」


エリスがぱっと顔を上げる。


「心強いです!」


ガルドも豪快に笑う。


「知恵袋は歓迎だ!」


レオンはフィルに手を差し出した。


「よろしく頼む」


フィルは一瞬だけ驚き、そして手を握り返す。


「はい。合理的に、勝ちましょう」


こうして。


四人のパーティが揃った。


第二ダンジョン――静海宮。


新たな戦いが、静かに動き始める。

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