表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/33

光の刃

霧が渦巻く。


守護者の咆哮が森を震わせる。


レオンは押し込まれながらも、足を止めなかった。


重い爪を受け流し、間合いを測る。


背後では、エリスが必死に治癒を続けている。


「……まだ、いけます」


震える声。


光が強まる。


倒れていたガルドの指が動く。


「っ……いてぇな」


ゆっくりと体を起こす。


血に濡れた額。


だが目は死んでいない。


守護者が振り向く。


標的を変える。


「ガルド、立てるか!」


レオンの叫び。


ガルドは大剣を支えに立ち上がる。


「当たり前だ」


守護者が跳ぶ。


一直線にガルドへ。


その瞬間。


エリスが叫ぶ。


「三人で!」


光が、今までで一番強く輝いた。


レオンとガルドを同時に包む。


呼吸が揃う。


自然と。


レオンが低く言う。


「俺が正面を引く」


「俺が斬り裂く」


「私が、繋ぎます」


守護者が迫る。


レオンが正面からぶつかる。


衝撃。


だが退かない。


一瞬、押し止める。


その横を、ガルドが走る。


大剣が唸る。


ひびの入った首元へ叩き込む。


外殻が砕ける。


守護者が吠える。


尾が振るわれる。


だがレオンが受け止める。


「今だ!」


エリスが両手を前に突き出す。


光が刃へ流れ込む。


レオンの剣が淡く輝く。


守護者の目が、白く強く光る。


核が脈打つ。


空間が震える。


それでも――


レオンは踏み込んだ。


「終わらせる!」


一直線の突き。


砕けた首元の奥へ、深く。


光が爆ぜる。


守護者の体が大きく震える。


咆哮。


核が激しく脈打つ。


守護者の体が、黒い霧へと崩れ始める。


消えていく。


最後に、白い目が揺れた。


そして――消滅した。


静寂。


三人は息を荒げる。


だが終わっていない。


核が暴れ出す。


鼓動が異様に速い。


地面が割れる。


黒い光が溢れる。


「暴走してる!」


ガルドが叫ぶ。


「今しかない!」


レオンが走る。


核へ。


黒い波が弾ける。


エリスが最後の力を振り絞る。


「レオンさん!」


光が一直線に伸びる。


レオンの背を押す。


刃が、白く輝く。


核が拒絶する。


それでも押し込む。


「消えろ!」


渾身。


刃が核を貫いた。


一瞬、世界が白に染まる。


衝撃が森を駆け抜ける。


黒が、砕ける。


崩れる。


光の粒となって消えていく。


やがて――


静かになった。


霧が晴れる。


風が吹く。


遠くで、鳥の声がした。


ガルドがその場に座り込む。


「……やったな」


エリスは膝をつきながら微笑む。


「終わりました」


レオンは、消えていく核の残骸を見る。


確かに。


黒は消えた。


森は穏やかだ。


だが――


どこか。


ほんの少しだけ。


静かすぎた。


風はある。


光もある。


けれど、生き物の気配が薄い。


レオンは気づかない。


ただ剣を収める。


「帰ろう」


三人は並ぶ。


初めて、対等に。


第一のダンジョンは、攻略された。


世界は――


少しだけ、救われた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ