第7話 作戦
「ゴブリンの討伐報酬が下がったから、別のモンスター狙うわ」
ルーイがそう言っていつもと違う所へ向かって歩き出した。
「他のパーティーが巣を攻略しちゃったみたいなのよねぇ、残念ウチらも巣に行きたかった」
アイラが軽い感じでそう言う。
「ドングリ拾いの子供とメンバーの半分が死んだって話だ。 そんな所に手を出す必要は無い」
珍しくヒルダが発言した。
「それもそうねぇ、あそこに雇われてたら君たち二人とも死んじゃってたもんね」
「ここに雇われてた良かったです」
アイラの言葉に、マイカがすぐ返事をした。
マイカってそつがなくて頼りになるな。
しばらく歩くと前と似たような雰囲気の森に着いた。
「この辺はホブゴブリンのテリトリーよ、ドングリの価値はゴブリンより五割増しだけど今までと同じ条件で良いわね?」
「は……あ、。えっと、五割増しだと幾つ?」
マイカが返事しようとしたのを中断して、小声で聞いてきた。
「ドングリ一個で銅貨一枚と小銅貨五枚ってことだよ」
「そうなんだ! はい!よろしくお願いします!」
あれ? アイラがあちゃーって顔してる。
「ま、社会勉強も必要だしね」
肩を叩かれてなんか不穏なこと言われた。
その言葉の意味がすぐ分かった。
ゴブリンのサイズはマイカや僕と一緒くらいだった。
ホブゴブリンは大柄に大人の男くらいある。
しかも脂肪もしっかり付いていてドングリを取り出す手間が段違いだった。
やっとの思いで、取り出すとポケットに入れる。
そして、それを叩……
「どう? 大変だったでしょ?」
身体がビクゥッてなった。
「は、は、はひぃ」
「どうしたの、そんなに慌てて?」
「きゅ、急に声かけられてビックリしたんですよ!」
「ダメよぅ、私たちが周囲警戒してたって、絶対大丈夫なんてあり得ないんだから、ちゃんと周りにも気を遣わないと」
「はい、気をつけます」
「アイラァ、作業の邪魔しない!」
「はーい」
アイラはルーイの言葉に軽く返事をして周囲警戒に戻った。
ポケットを素早く二回叩く。
そして、次のやつに行く途中でこっそり二個使ってしまう。
何回もやると動きが不自然になるだろうから、一回の戦闘で一度しかしないつもりだ。
どうせ、三回しか使えないからそれで充分なはず。
順調に三回以上戦闘があった。
最後に増やした分の二個はポケットに隠したままにしておいた。
今日の戦闘が終わる。
「何匹だった?」
「二十…六です」
三十に届かなかった。
これじゃあ、ドングリが一個しか手に入らない……。
「あら、意外と多かったわね」
「これで分かったぁ? ドングリの価値が五割増しって事は相手の強さも五割増しなの、体力もね、当然倒せる数は減るのよ、もう少し考えて交渉しないとね」
アイラがニコニコしながら説教をする。
「教えてくれたって良いのに……」
思わず愚痴が口から漏れる。
「貴方達は私達と契約してる間柄で友達じゃないの、自分達で考えて強く生きないといけないのよ、お金を貰って稼ぐって時に子供だから、知らなかったからっていうのは通用しないわ、甘えちゃダメよ」
ルーイからもお説教をくらった。
「「……はい」」
二人でうな垂れながら冒険者ギルドにつく。
「今回は特別よ、次から気をつけない! 優しい人ばかりじゃないからね」
そう言ってルーイはドングリを二個くれた。
ホブゴブリンのドングリは一個分のドングリに半分に割ったドングリがくっついてるような形をしている。
「「ありがとうございます!」」
「明日と明後日は休みよ、次は三日後だけど来れるわね?」
「はい!」
マイカが即答で返事した。
「今日戦ってみたけれど、ホブゴブリンは体力が多くて報酬と考えると効率良くないから、次からオークに切り替えるからそのつもりでね」
「はい!」
「で、条件だけどどうする? ちなみにオークはゴブリンの倍の価格貰えるわ」
ルーイの言葉にマイカが僕の顔を見る。
「じゃあ、七体でどうですか?」
「ダメよ九体ね」
「間を取って八体で!」
「うーん、まぁ良いわ」
「ありがとうございます!」
ルーイ達と別れた後、隠し持っていたドングリと取り替えて換金する。
コレでこのドングリを増やして経験値を稼げる。
僕たちはあばら屋に帰って行った。
ーリュウ達が帰ったギルドにてー
「今日の行動は突然どうしたの?」
ルーイがアイラに尋ねた。
「うーん、リュウ君? なんか動きが怪しかったのよねぇ、でもドングリ誤魔化したりしてないし……でも、後ろめたい行動してるって態度だったし」
「……次、みんなでそれとなく見てみましょう」
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