第5話 夢
二人でボロボロの寝ぐらに戻ったら、パンを食べてすぐ眠った。
疲れていたせいか、横になった瞬間から記憶がない。
夢を見た。
小さい頃に幼稚園の先生と一緒に歌ってる夢だ。
大好きだった童謡を歌ってる。
『ポケットの中にはビスケットがひとつ、ポケットを叩けばビスケットがふたつ……』
飛び起きた。
あの童謡……題名が不思議なポケットだ!
慌てて暗い中地面を弄って小石を拾った。
ポケットに入れて、軽く叩いてみる。
…
…
…
恐る恐るポケットに手を入れると、二つになってた。
「ハグァ……」
思わず声が出そうなのを自分で口を塞いで、無理やり抑えた。
増えてる!
もう一回叩いた。
三個になった。
すげぇ!
調子に乗ってもう一回叩いた。
ポスッていう小さな音がして全部消えた。
欲をかきすぎると全部失うらしい。
その後色々試してみた。
分かったことは。
・最大で三個までしか増やせない。
・三個に増やすのにはオリジナルと増やした二個目の両方が入ってないと増やせない。
・必ずオリジナルが一個の状態じゃないと二個にならない。
・二個目、三個目に増やした時ポケットのサイズに入りきらないと消える。
石ころで分かった事はここまでだ。
後はどんな物まで増やせるのかだ。
小銅貨を取り出す。
思わず、ゴクッと唾を飲む。
小銅貨をポケットに入れて二回叩く。
…
…
…
三枚になっていた。
声にならない声を出す。
残りも増やした時、いきなり暗転した。
「おい、おい、起きろ! 時間だぞ」
「あれ? 夢?」
起き上がると、ポケットから小銅貨が三枚溢れた。
夢……じゃない!
「マイカ、ちょっと相談させてくれ」
僕のスキルの説明といきなり目の前が真っ暗になって気絶したらしい事を話す。
「リュウって自分のステータス見た事ある?」
「……無い」
「やっぱり、リュウって異世界人なんだね」
「うん、そうだけど、そういえばそんな話をした事無かったね」
「ここは使えない異世界人を捨てる場所でもあるから話には聞いた事あるけど、よっぽど使い物にならない人しか捨てられないから、滅多にそういう事無いから、私も初めて見たんだけど」
なんか、心にグサグサくる。
「『ステータスオープン』って言ってみて」
「う、うん『ステータスオープン』」
リュウト サカイ レベル0
クラス:
強さ 5 物理的攻撃力
器用 4 命中率
素早さ5 回避率、移動速度
知性 10 魔法的攻撃力
HP 8(8)
MP 7(6)
スキル 言語理解
ユニークスキル 不思議なポケット
「『ステータスディスクローズ』って言って」
「『ステータスディスクローズ』」
「これでリュウのステータス見れるわ……ひっく!」
「普通はどれくらい?」
「私達の年齢なら最低は八くらいよ、HPは十、MPはこんなもんね、でも知性高いと普通はもっとMPあるはずなんだけどね」
「スキルとユニークスキルは?」
「言語理解は異世界人ならみんな持ってるって聞いた事あるわ、この国って何度も召喚してるから異世界人やその子孫とかいっぱい居るの」
「へぇ」
「私も異世界人の血が入ってるらしいわ、詳しくは知らないけど、それでユニークスキルはその人個人のオリジナルなスキルね、同じスキル持ってる人は居ないって話だけど本当かは知らない」
「そういえば兵士が勝手に僕のステータス見てたけど誰でも見れるの?」
「相手に触れてステータスオープンって唱えれば見れるけど、名前、HP、MP、スキルしか見えないわ、鑑定士は全部見れるらしいけど」
「それで、真っ暗になったのは分かる?」
「ステータスのMP見て、カッコの中が減ってるでしょ、それがゼロになると気絶するの、リュウのスキルはMP消費するんだと思うよ」
「なるほど、あ、それと全然関係ないんだけど、昨日はお前だったのに、今はリュウになってるのは、なんかあった?」
「そ、それは……」
「それは?」
「年上だし……異世界人だし……計算出来るの凄いなぁって、その、お前って言ってたら仲良く出来ないかもなぁって……良いじゃないか! あたしがどんな呼び方したって!」
「う、うん」
何故だろう、暗くて見えないはずなのに、マイカの顔が赤くなってるような気がした。
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