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ユニークスキル『不思議なポケット』がゴミすぎると勘違いされて追放された転移者、スラム街から這い上がる。  作者: 山親爺大将


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第16話 出入り

 オコジョーのアジトまでやってきた。

 寂れた場所の潰れた宿屋だ。


 二階建てのペンション風建物って感じだ。


 アイラがいつも大事に抱えてたバックだけは持ってきてる。

 中には幾つかのスクロールが入っている。


 MPポーションも入っていたはずだけど、あの戦闘で全部使ってしまったらしい。


 スクロールを自分のポケットに入れて二回叩く。


 そして……。


 ヘヴィスウィングを脚技に乗せてアジトのドアを蹴りつけた。


「テメェ! どういう了見だ!」

 一瞬動きが止まったチンピラが、相手が子供一人と分かって怒鳴りつけて来た。


「スクロール発動『ファイアボール』」

 ポケットから取り出したスクロールをおもむろに使った。


 ボゴン! と派手な音を立てて火の玉がアジトの一階で爆発する。

 目の前に居たチンピラだった物は、よく分からない黒い煤けたオブジェになっていた。


 その轟音を聞きつけて、慌てて顔を出した連中に向かって残った二本のスクロールを発動する。


 火って爆発の威力が強すぎると燃えないんだなぁ。

 そんな事をついつい冷静考えてしまう。

 どこか現実味がない。


 俺はちょっと壊れたのかもしれないな。


 爆風で炎自体は消し飛んでしまい、建物が火事になる事は無かった。

 だが、強烈な炎の熱で焦げた匂いは充満している。


 相手が混乱してまだ目立った動きをしてこない。

 うめき声は聞こえるから、動けないだけかもしれない。


 次のスクロールをポケットに入れて二回叩いた。


 やっぱり偉い奴って二階に居るものなんだろうなぁ。

 正面にある階段を昇っていく。


 吹き抜けになっているので下の階で熱せられた空気が上まで来て居るせいか、ずっと焦げた匂いがする。

 建物の中でファイアボールを連発するのは良くないな。


 二階は長い直線の廊下の右側だけドアがあり、一番奥に少し立派な両開きのドアがある。

 そして、各廊下から子分らしき人が顔を見せて居る。


「スクロール発動『ライトニングブラスト』」

「スクロール発動『ライトニングブラスト』」

「スクロール発動『ライトニングブラスト』」


 アイラって、スクロールコレクターだよな。

 高そうなスクロールを買っては勿体無いって大事にしまっておくタイプ。


 あの時だって、もっと積極的にスクロール使っていれば……。

 いや、無理かアイラは単体魔法が得意だったから、スクロールは弱点を補えるようにって、範囲魔法ばかり集めてた。


 だから、こういう雑魚を大量に倒すには便利だけど、強い単体を倒すようなスクロールは持ってなかったな。


 廊下に転がってる感電死した奴らを避けながら、次にスクロールをポケットに入れて二回叩く。


 あ……。


 増えない。

 これを増やすだけのMPはもう無いか。

 ここまでにMP結構使ったもんな。


「スクロール発動『テンペスト』」

 叩いても増えなかったスクロールをポケットから取り出して、一番奥の両開きのドアに向かって放った。


「グァァァ!」

 ドアの分威力が減ったのかな、声出す余裕あるんだ。


 ……違うか、俺が声出てるって気づかないくらい、ここまで気持ちが昂っていたんだな。

 冷静なつもりなんだけどなぁ。

 ゴールが見えたから、今は流石に冷静になってると思う。


 入り口付近にいた雑魚キャラは掃除できた。

 奥に居るあいつがボスなんだろうね。

 やっぱり、いかにもな場所に偉い人っているもんだね。


「な、な、何なんだお前は!」

 ザンバラ髪のいかにもゴロツキっていう姿の中年の男が居た。

「仇うちに来ました」


「何言ってるんだお前?」

「黒猫パーティーにトレーラー仕掛けたのって貴方ですよね?」


「何だ? 仇ってあいつらオーガに殺されたのか?」

「はい」


「て事は、ははーん、お前、ウチの薬草にちょっかい出したガキか?」

「そうですね」

 会話をしながら少しづつ男に近づいていく。


「お前らみたいな悪ガキを庇ったのが運の尽きだったな!」

「何故あんな事したんですか?」


「ウチの畑にちょっかい出したらどうなるか、見せしめは必要だからな!」

「それに対して報復されるとか考えなかったんですか?」

 モンクの一つ目のスキル『陽気』を使用する。

 これは自分の正の感情を身体強化に転用するスキルだ。


 今の俺にそんな物がどれだけあるか分からないが、使わないよりマシだろう。


「報復が怖くて冒険者なんかやってられるか!」

「ふーん」

 モンクの二つ目のスキル『陰気』を使用する。

 陽気の逆で負の感情を戦闘力に変える。


 こちらは自覚出来るくらい強化された。


「死ね!」

 向こうも間合いを見計らっていたらしい。

 少しずつ近づく俺をいきなり切りつけてきた。


 獲物は蛮刀と呼ばれるナタに近い刃物だ。

 形は色々あるが、オコジョーが持っていたのは先に向かって直角三角形の定規のような形状で刺すことも出来るようになったタイプだ。


 警戒していたけど躱しきれずに腕にうっすらと傷がつく。


 俺はすぐさまバックから投擲用の総金属製ナイフを二本取り出して、空になったバックを投げ捨てた。


「そんなもんで俺と戦うつもりか!」

 相手の挑発は無視してクリエイトアームを使い、続け様にカスタマイズアームで金属製の手甲を作り出しそのまま両腕に取り付ける。


「何だそりゃ!? マジックアイテムか?」

 相手はゴーレムマスターのスキルを知らなかったらしい。


 警戒して動かなかった。


 ちょうど良いから、その隙にモンクの三つ目のスキル『勇気』を使用した。

 戦闘中に湧き上がる恐怖心を軽減して、戦闘力を上げるスキルだ。


「宣言する! 俺はお前を殺す」

「はっ! やれるもんならやってみやがれ!」


 このセリフが決闘を開始するゴングになった。

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