第二章 2.5話 お守り
作戦会議の最中。
ローリィはあまり会議の内容に入り込むことができず天井を眺めていた。
……結界は嫌いだ。この閉じた空間にいるという事実だけで、息が詰まりそうになる。
憂鬱な心持ち。天井を見ないように、視線はだんだん地面に傾く。
「──ローリィ」
ふと、頭のてっぺんから声が降ってくる。
上を見ると、白い太陽? いや、ショウがこっちを覗いていた。
目が合うと、ショウは作戦計画に使用しなかった用紙をもってきて小さくちぎって、そこに棒人間を描いた。
円をかいてあとは枝を生やすだけ。なんと簡単な手順で描けるものか。
ショウは描いた棒人間をローリィに見せて自慢げに笑う。
……励ましてくれているのだろう。あたしが今、暗い顔をしていたから。
「持ってくか?」
「……いらない」
絵を差し出してくるショウだったが、ローリィはそれを受け取らない。ショウは寂しそうに驚くが、これは別に彼を拒絶したわけではない。
「あたしにも描けるから」
さっきみたように、ローリィは棒人間を描いてみる。
円が崩れていて、少々不格好だか、誰が見ても立派な棒人間だ。
ローリィは絵をみて満足げに微笑んで、それをポケットに詰め込む。
「持ってくのか?」
「うん、お守り」
少女はもう一度前を向く。
その表情に、黒い感情は見当たらなくなっていた。
詰まっていたモノが抜けたように、深く息を吸うことができた。
次回、いよいよバトル開幕。




