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第一章 32.5話 傷跡
こうして、彼らは聖戦に向けて早めに眠りについた。
夜は更け、焚火の炎が尽きて、あたりを照らすのが月光だけとなった頃、丸太の上に座る人影が一つ。
褐色の肌の女性。その灰色の長髪が不思議と煌めいて見える。どこか人形のような、機械的な美しさ。すぐそばでは漆黒の鎧が無造作におかれていて、月の明かりを吸収している。
「うぅむ。これ吾輩直せるかなぁ」
そう、彼女は魔王レーグである。
ヴァニスに切断された鎧をくっつけようと苦闘している最中であった。
「……うーん」
猫背になって鎧を金づちで優しく叩く。
金属の音が夜の静寂の森に響く。
月が空をゆっくり移動し、レーグの背中を照らし始める。
そして現れるのは、褐色の背中の、白い傷跡。
上部には円の形、その下には枝分かれの線形の傷跡。
──棒人間の形をした傷跡が、怪しく輝いていた。
これにて、第一章・蟲の国編は終わりとさせていただきます。ここまで読んで頂いた読者に感謝。
この物語は「伏線の沢山入った物語が書きたい!」って思いで始めました。是非、考察してみてください。まだヒントは少ないかもしれないけれど。
では、第二章・聖戦編も読んで頂けたら私は踊り狂って喜びます。第二章はもっと面白くバトルが描ければと思います。
またね。(*´ε`*)




