表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
一次元転生  作者: K省略
第一章 蟲国編
32/45

第一章 27話 終焉へ

 倒れたローリィにショウは近づいていく。


「……この中に、いるんだな」


 確かに少女はこの装甲の中にいるはずだ。どうにか取り出す方法を思いつかないと。

 とりあえず、ジンやレーグを呼ぶのが先か?

 ショウは一瞬だけ蟲人に背中を向ける。それが、間違いだった。


「……A」

「──は?」



 ──そう、俺はこのとき勘違いしていたんだ。この蟲人を自分が倒したものかと。



 少年時代にこのような経験はないだろうか。地面にセミの死体が落ちている。少年だったあなたは好奇心をもって近づき、つついてみようと指をつきだす。──そのとき、実はセミは死んでおらず、雄叫びを上げたセミが飛び上がり、あなたは驚き転げる。

 その現象は空を飛び道半ばで力尽きたセミが地に落ち、人間が近づくことで生存本能が呼び覚まされ、最期の力を振り絞り暴れることで引き起こされる。


 そして、今回もそう……熱により力尽きたローリィだったが、今、最期の力で立ち上がる。



 ──それは、偽物の終焉(死んだふり)



「セミ、ファイナル、か」


 ショウは諦念をこめてそう呟いた。

 勝利を確信したその背中に、ローリィが迫る。

 今のショウの体勢を考えても、今からその攻撃から身を守るすべはない。ローリィの不意打ちは成功したということ。


(ごめんな、ジン。ミカのこと頼んだぞ)


 棒人生もここにて終わり、かと思われた。



「──すまねぇ。待たせたなぁ」



 そう言ってローリィの攻撃を受け止めているのは、折れた剣。

 その背中は、見覚えがあった。


「ニツクダさぁん!!!」

「おうよ、オイラだ。ニツクダだッ」


 ニツクダの身体にエネルギーが集まり、それがばねのように弾けローリィを吹き飛ばす。


「姫さん……変わっちまって」

「あ、ニツクダさん! 腕が!」


 彼の左腕は肘から先がなくなっていた。


「へへへ、パラジムの馬鹿に持ってかれたよ! 心配すんな、どうせこの命ここで使い切るんだからよぉ」


 そして彼の肉体はたしかに白い泥に戻りつつある。


「……」

「しみじみすんな! 油断もすんな! 今は姫さんを止めることだ考えな」

「分かった」

「じゃあ行くぞ!」


 偽物(セミ)じゃない、今度は正真正銘のファイナルを。



 ニツクダは右側、そしてショウはニツクダの欠けた左腕を補うように左に立つ。

 壁を蹴り、多角的に迫るローリィの攻撃をしのぐ。


「まだだ、まだだぞ」

 腕力も脚力も、今はローリィの方が強い。

 隙が現れるまで耐えるのみ。


 ──集中力を高めろ。気を抜くな。深く息を吸え。


「今だッ!」

 

 待っていたのは、ローリィが正面から飛び込んでくる瞬間。

 ニツクダは身体の芯から有り余るエネルギーを絞り出し──放出する。

 繰り出した剣技はローリィの突進と、互角。


「くっそ、尽きやがった」


 本来は、装甲を破壊するはずだった斬撃が止められた。

 一日中闘っていたツキが回ってきたのだ。


 ローリィは後方によろけた。


 チャンスは、ここしかない。だがもう追撃するエネルギーは残されていない。

 ここまでだ。

 一人ならば。


 だが今日は、一人ではない。


「集中集中集中集中集中集中集中集中集中集中集中集中集中集中集中集中集中」


 ブツブツと呪文のようなものを唱えながら、棒人間が構えている。


「お前さんなら、やってくれるだろ」


 ショウがローリィと距離を詰めた。右腕を振り上げる。


 ──その右腕は、特殊な形をしていた。

 いくつも輪をつくって、重ねて、輪をつくって、重ねて。

 バネなるものを、形成している。



「スプリング・アッパーああああああああああああああああああ!!!!!」



 それは、ニツクダがやっていた技をショウができるように応用してみたもの。


「行け! ショウ!!」

 込められた力が今、発散する。

 破裂音が鳴り響く。



「──やっと会えたなぁ、ローリィ!」


 

 そして硬い装甲が割れて、その内部が露になる。

 今度は、眠っていない。涙を流した少女ローリィが、こちらを見つめていた。


 蟲人の甲冑の中へ、ショウは手を伸ばす。

 だが、少女はその手を拒んだ。──彼女には、恩人より告げられた使命がある。ショウの手を取るというのは、それに背いてしまう気がして……


「いいんだ、もう止めていい。姫さんは姫さんの好きなように生きていい」


 ショウの後ろから、もう一本ニツクダの手が伸びてくる。

 それでもまだ、足りない。


「でも、わ、我は、あたしは、墓を守らなきゃ……」

「──墓なんてもういい。好きに生きろ! ()()()!」


 ニツクダは無意識に、そう呼んでしまっていた。


「……ぱ、ぱ」


 閉ざされていた記憶が今、巡りだす。

今日でようやく用事終わる!

明日からいっぱい書ける!

うおおおおお!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ