ゲームを始めたゆうや
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『勇者のRPG』の主人公であり、プレイヤーが操作するキャラである〝勇者〟のゲーム内での物語の始まりは『試練の洞窟』で神の加護を受ける場面から始まる。
「魔王によりいま世界は闇に堕とされようとしている
勇者よ今こそ立ち上がる時だ!」
洞窟の最奥にある祭壇の上で天の声より告げられると『勇者は力を手に入れた』となり、いきなり、魔王の手下であるモンスター『スライム』が背後に迫ってきて戦いのチュートリアルに入っていく。
その後、洞窟を出ると幼馴染みの女の子が待っていてくれて「連れていって!」と何度か断れながらも共に旅に出ることになるのだ。
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「え?村に戻らずにもう一度祭壇へ行くのか?」
はじめに勇者が所持している物は『傷薬』×5と所持金100Gだけ、チュートリアルが終わった洞窟はモンスターが強かった。
「自殺行為じゃないか?」
彼の手元には優那が残した手作りの『勇者のRPG』の攻略本がある。 このゲームの攻略本は発売されなかったために公式の物は無い。
ゆうやはこのゲームについて検索して調べてみたが『ストーリー全クリ』が出来た人はいないで最高クリア率42%が最高だと書いてあった。このゲームの最後の場所になる『魔王のお城』ここに入れないでそれらしい。
姉ちゃんは「魔王倒したよ!」っと言って50%でガッカリしてたのを覚えている。その後、2周目が出てきて追加ストーリーやイベントが増えていたりアイテム集めを頑張っていたり楽しんでいたのに呆れてた。
「何をそんなに」って昔ながらの画を見て興味さえ沸かなかったけれど楽しそうにやっている姉ちゃんを見てるのは嬉しかった。
普通にゲームオーバーになったよ、敵が強いというより自分が弱い、攻略本を読んでみると『〝行動〟に×印が』いっぱい、試行錯誤してたのが分かるが最後に矢印で綺麗に繋がっていた、すごい!あり得ないだろっていうほどに見つけるのに根気の必要な作業だっただろうって感じだった。 底上げアイテムが貰えた! 行く価値はあったけど出来るかも分からない、意味があるかも分からないのに何で戻ったの?である。熱意には尊敬だ。
「攻略本はどうしようも無い時だけに使おう」
父さんは姉ちゃんの幸せを信じているし自分もこれを同じようにやることで少しは信じようと思うのだった。