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前進

 初めてモンスター退治をして怖くなっていないか注意深く観察していたけど、マルシカクちゃんは全く気にした様子が無かったのでよかったと思う。

 これから食事しながら四番目の町『ホント町』に行くための情報を仕入れる予定である。

 宿屋で100Gを払うと1階のテーブルで食事が出来る、料理は持ってきてくれるのでおいしくいただいた。

「あ、あの、ホント町へ行きたいのですけど、何日くらいかかりますか分かりますか?」

「おひとりで行くのですか? 最近はモンスターの動きも活発で危ないですが…」

「あ、いえ…」

「マルシカクもいっしょだからだいじょーぶだよ!」

 宿屋の娘さんはマルシカクちゃんを知っているようで驚いてから私を非難するように見てきて後ずさってしまう。

「ぅ…お母さんとお父さんには許可頂いています…」

 娘さんはそれにはすごく驚いたようでしばし考えるとマルシカクちゃんへと真偽を確かめていたが本当のことと悟って困っていた

「しっかり装備は整えて守りますから…

 それで何日くらい…」

 更に少し考えてからため息を吐いて教えてくれる。

「目安ですが、途中の『あらし峠』を越えるのであれば急いで2日でいけますが恐ろしいモンスターがいると言うので麓の回り道をおすすめします、それですと7日で抜けられますよ」

 はやく着きたいから当然あらし峠を越えたい、あそこにいるボスは〝ロックバード〟、結構強いが装備が万全なら十分に勝てる。しかし、その前で休んで回復しないといけないからマルシカクちゃんが何日もの外泊まりに耐えられるか…って2日目から運んであげたらいいのか!寂しいけどマルシカクちゃん無しで攻撃が…あれ?モンスター倒せないから結局無理? マルシカクちゃんに頑張ってもらう以外ないじゃん!?

「マルシカクちゃん? 外で寝泊まりになっちゃうけど大丈夫?」

 マルシカクちゃんの回答は決まっているだろう

「うん!」

 だよねー…まぁ、とりあえず準備は整えとかないと

「食事作れるだけお願いします! 種類は10種類以内でお願いします!」

「ふぇ?は、はい! え? あ!しょ、少々お待ち下さい!」

 奥に確認しにいって了承をもらって20人前は作ってもらえることになったのだった。

・・・。

 ついでに外出お泊まりセットが手に入らないか尋ねると、「アイテム屋にならあるかもしれない」とそっちに行ってみることにする。


「無いよ」

 なんでも貴重アイテムはあの(・・)黒い怪しい奴からの仕入れみたいで最近は来てないから無いみたい・・・

 ホント町に行かないといけないのに行くことが出来ないとは…

 今日は遅いから布団をもらいにいって帰ることに


 その夜、布団の中で

「マルシカクちゃん」

「なぁに?」

「大人に…なりたい?」

「うん!はやくなっておねえちゃんのおてつだいをいっぱいする!」

 それはとても嬉しい答え、一生好きでいると思う。 

「おねえちゃんが大人になるのはどう思う?」

「マルシカクをまっててほしいな?」

「わかった、待ってる」

「やったー!」

 ぎゅーってしてくるかわいい…あたたかい……心がジワリとした…

「ねぇ?」

「うん?」

「マルシカクちゃん・・・・大好きだよ」

「マルシカクも!」

 「今のままでいてくれる?」とは言えない、私をこんなに好いて追いかけてくれるんだもん…

 ソッと自分のだけ『不老』を有効にしてマルシカクちゃんとおやすみをしたのだった。


・・・。

 時間はたっぷりあるのだからゆっくりでいい気がしてレベル上げをしておくことにする。


 マルシカクちゃん強い!

『モンスターをやっつけた。『黄色の羽』×3、『石ころ』×3を手に入れた。

 ユウナがLV.8になりました。ユウナは『ヒール』『キュア』を覚えた。

 マルシカクがLV.8になりました。マルシカクは『メガファイヤー』『メガウォーター』『メガウィンド』『メガサンダー』を覚えた。』

 回復系が使えるようになった! 魔法使いから僧侶に変わった。

 マルシカクちゃんも今使える魔法の上位の魔法を覚えたね、メガ~はMP7を消費するが威力は3倍くらいになる。

 距離を伸ばしながら村に帰るともう一回モンスターがやってきて魔法を試してみた

「キュア!」

「あ、なんかスッとしたよ!」

 状態異常を治す魔法なので効果は無かったけどスッキリするみたいで寝起きとかにいいかもしれないね

「メガサンダー! うわぁ!すごくビリビリ!」

 植物系モンスターの〝ピヨリグサ〟に効果はいまひとつなのに一撃で倒してしまった

「植物系モンスターにはファイヤーの魔法がよく効くんだよ、逆にウォーターやサンダーはあんまり効かないんだ」

「そうなんだ、草だよね?火がよくて水とかビリビリはだめ?」

「そうそう、えらいよ♪」

「うん♪」

 ぎゅーってしてお風呂に入りに村に一時帰る。

 最後のでLV.9になり、そろそろレベルも上がりにくくなってくる頃だね(といっても、村3個分をたった数体のモンスター遭遇で埋めたけど)

「マルシカクちゃんの持てる数も5個に増えたからね、アイテム渡しておくね! 自分で危ないと思ったら遠慮無く使っていいからね、またあげるから」

「そうなの? うん!わかった。ありがとう!」

 マルシカクちゃんのMPも50になって仕舞える数が増えたので携帯トイレや傷薬も渡しておいた。

・・・ドンドン

「だれか来たみたい、でるね!」

 買ったばかりのこの家に来るなんて私に用事がある人かマルシカクちゃんのパパかママくらいだろう。私も一緒に見に行く

「おーい!まだいるかー!俺らが一緒に行ってやるよ!」

 外から聞こえた声にマルシカクちゃんを引き寄せた

「危ない人かもしれないから服着替えるよ」

 マルシカクちゃんに確認してリボンセットを装備しておく、鍵を外して戸をソッと開いて覗いてみたら、向こうの人たちと目が合い戸を開いた

「お、いたいた! おまえら、ホント町に行きたいんだってな!宿屋のねえちゃんに聞いたぞ!」

 ・・・勝手に喋りましたか…(クエスト?)仕方ないね、この人たちになら

「急にごめんね!でも困ってるって聞いたから。

 私たちも一緒の方に向かうのだからついでだから行ってあげるわ」

「おねえちゃん?」

 マルシカクちゃんがどうする?って感じで服を引く、勝手に話さないのは私の言うことを守っているから、えらいね♪

 それにしても、この人たちが勇者と幼なじみか、話しかけるだけで話さないから知らなかったけど随分と上から話してくる…

 勇者は〝The 勇者〟って風貌、髪がツンツンに立った黒髪の少年 装備は同じ材質っぽいから・・・〝皮の剣〟〝皮の兜〟〝皮の鎧〟〝軽い靴〟ってところかな? 二番目の村で買える安い装備

 幼なじみは栗色のショート髪でつり目の少女 装備はこの村までに1種しか無い物だから分かりやすい・・・〝ショートぼう〟〝普通の髪留め〟〝風のローブ〟〝あかいスカート〟〝軽いスニーカー〟って感じで序盤にしてはお金がかかっている

「あら?お揃いのかわいい服を着ているのね!

 あなた、お名前は?」

「マルシカクです」

 私に確認してから答えるマルシカクちゃんを褒めてあげるとぱぁっと笑う、かわいい!

「おまえ、俺らと来ないか?仲間になってくれ」

「ちょっと!らんだむ!またかわいいからって誘って!懲りないわね!」

「いいじゃん、かわいい子がいれば力が出るから世界が救える」

「私がいるなら世界は救えるってことじゃないの!」

「え?」

「え?」

・・・勇者のセリフは選択肢がまれに出るだけだけど良い場面を抜粋しただけだったのかもしれない

「あのおねえちゃんはあのおにいちゃんのおよめさん?」

「うん、そうだね、大好きな2人で旅をしているんだね、私たちが邪魔しちゃ悪いよ」

 これなら勇者たちは無言設定のままの方がよかったなぁ…

「ちょ、ちょ、何言っているのよ!らんだむはただの幼なじみ!ねぇ?」

 はぁ、そうですかぁ、興味無いですから用件を済ませたいです。最後まで結ばれませんしね。それにしても子供っぽくないからゲームより年上なのかもしれない

「そうだな!」

「なによ!」

「え?違うのか?」

「そうですよ!」

 子供の前で喧嘩はやめて…

「「それで困ってるだろ(ですよね)」」

 同時に急に戻った!? 

「外で泊まる道具が無くて困っていまして…」

「『おやすみセット』か」

 おやすみセットってアイテムがあるんだね

「じゃあこれを譲ってあげるわ、あなた収納はできますか?」

 目の前に寝袋が6つ、2人だから3日分

「はい、いいんですか? お金は払いますよ?」

「いらないです!困ってる人たちに施すのは当たり前ですからね!」

 ちょっと上からの押し付けがイラッとした

「ありがとうございます!」

「私はマァマ、こいつはらんだむ、少しの間よろしくね!」

「え?」

「すぐに出発出来るのかしら?」

 …クエストには強制参加ですか?

「マルシカクちゃん、1回この村を離れるけど大丈夫?」

「うん!おねえちゃんにまかせる」

「だそうです」

「わかったわ、いきましょ!」

「おう、夜寂しかったら隣に来いよ!」

 女好きな勇者と素直で素直じゃない勇者の幼なじみさんと一緒にホント町まで行くことになりました。

・・・。

 アイテムとご飯を補充しセントセイバーさんに挨拶してから村を出た。

「魔王の手下たちがたくさん出てくるから必ず俺らの後ろにいろよな!」

「絶対にあなたたちは守るから安心してね!」

 善意で言ってくれてるのは分かるけれど、勇者たちが倒しても仲間じゃないから経験値が入らないからなぁ…、補助でもすればおこぼれもらえるかなぁ?

 マルシカクちゃんと手を繋ぎながらそんなことを考えていると早速モンスターがやってきていて勇者はすぐに走り出し幼なじみは弓をつがえる

「あー、普通の戦闘だ

 マルシカクちゃん、これが通常で待ってくれたりしないから覚えていてね」

「うん、おねえちゃんといっしょの時はじゅんばんだよね!」

「そうそう、かわいいね、あ、えらいね♪」

「えへへ♪」

 さすが勇者たち、攻撃して躱して避けられて打ち抜いて激しい戦いを繰り広げていた。こちら側にモンスターが目を向けることはない。おそらく、回りだけシステムが切り離されているのだろう

「(支援しても経験値無理そうだなぁ)」

 決定打の威力をもつ勇者、遠距離から体力を削ったり注意をそらしたりしている幼なじみ

 ・・・装備のお金のかけ方間違ってないかな? 勇者の方に力を入れるべきだよ

「おにいちゃんたちだいじょーぶかな?」

 あまりにも遅いからマルシカクちゃんにも心配されている、血は出ないけど汚れで表現されるから勇者たちは頬とか装備の一部に煤みたいのがたくさん付いてる、かなりHPが減っていそうかな…雑魚相手に… あらし峠の回り道でも難しい気がするな…


「ふぅ…。どうだ!怖くなかった?」

 勇者のかっこつけて額を拭う仕草をしながら尋ねてくる

「はい、全然」

「はぁはぁ…。マルシカクちゃんは怖くない?大丈夫?」

「うん!ぜんぜん」

 マルシカクちゃんの普段を知っているからなんとなく素っ気なくみえる

 満身創痍な2人に傷薬を渡してあげる。

 2人の耐久勝負の集中力は凄いけれど、長過ぎてこのままだと何日かかるか分からない。マルシカクちゃんとピクニックお泊まりは楽しいけど負担になるから長期間は迷惑である。

「次から私たちに任せて下さいませんか?」

「うん!」

 とうぜん、その提案は却下される。

「一般民には無理だぞ」

「あなたたちは私たちが守るから安心しなさいよね?」

 戦う力がある人がいないから分かるけど、どこまで上から言うの…?

「ちょっと見てて下さい、絶対に手は出さないようにお願いします!

 マルシカクちゃん行くよ」

「うん!」

 無駄なので無理矢理先に進む、強く言ったからか2人は仕方ないと後ろに付いた。 手は出さないでね?戦闘システムがどうなるか分からないから。

 ・・あ、ウィンドウが出た!仲間の名前は2つ、勇者たちはちゃんと除外されてるね

「マルシカクちゃん来たよ」

「うん!」

 2人でお互い反対側の斜め前に杖を構えてモンスターがどこからくるか注意する。勇者たちは「どうした?」感で周りを見ている

「おねえちゃん、さっきの2たい!」

 マルシカクちゃん側から来たよう、勇者たちは驚いた。勇者たちがさっき苦戦していた〝シロキツネ〟ステージが変わり〝平原キツネ〟より強くなった白いキツネだ。勇者たちが構え始めた、マルシカクちゃんは言ったことは全て守るのに!?

「魔法攻撃アップ! 強い火で」

「うん! メガファイヤー!」

 一匹に命中して、その一撃で疲労まで追いやる

「ファイヤーか!? でも強いな!?」

「マルシカクちゃん!? そうね!」

「ファイヤー!」

 勇者たちが乱入して疲労したシロキツネにファイヤーが飛ぶ、がダメージは無いようで攻撃を受けたシロキツネは勇者たちに向かって走り出した

「おねえちゃん…」

「うん、あの人たちダメだね…」

 乱入されて、呆れ空しさを感じて私たちは後ろに下がる。

 疲労した方はすぐに幼なじみさんの攻撃で倒された、勇者がもう一体の注意を引きながら戦っているがやはり苦戦するのをぼけーっと眺めていた。

「マルシカクちゃんならメガファイヤーとファイヤーで2回だね♪」

「おねえちゃんの強くなるのおかげだよ!」

「「えへへ♪」」

 かわいいマルシカクちゃんに癒されながら戦闘システムについて考察。

 おそらく、他者が乱入した時点で通常の理に戻るのだけど、もう一体のシロキツネの様子を見るに私たち(・・・)には優先が外されると感じたね、優遇されているからかな。

『モンスターをやっつけた。『ふわ毛』×2『かたい爪』×2を手に入れた。89Gを手に入れた。

 ユウナがLV.10になりました

 マルシカクがLV.10になりました』

 やっと終わったんだ、おぉ!恩恵100%だ!一度戦闘をしたからもらえるなんて、よかった!


ユウナLV.10:僧侶(女),15歳(不老、不死)

HP:110 MP:380 ATK:10  DEF:15 MAT:10 MGR:14 CT:380


マルシカクLV.10:魔法使い(女),7歳(*不老、不死)

HP:75 MP:52 ATK:30 DEF:9 MAT:34 MGR:10 CT:31


 私のATKとMATがやっと勇者の初期値に達しました!ばんざーい! 


「危なかったな、もう大丈夫だぞ」

「…あ?」

 あ、やばっ、つい思ったことが口に…。相変わらずボロボロで瀕死状態間際だろ

「あ、ありがとうございます、でも、次こそ任せてくれたら…」

「それは出来ないよ! 黙っていたけど俺に加…」

「らんだむ!! それよりマルシカクちゃん凄いね、あと少しまで1回で追い詰めるなんて!」

 知っていますよ、勇者が神の加護を受けた人物っていうのは。

 幼なじみさんは素直にマルシカクちゃんを褒めているけど、それでも私たちに譲ってくれる気は無いみたい。

 ゲームだったらまだ村が見えてる位置だよ、もう1時間くらい経つんだよ、何日かかるの!

「あ、また来ます」

 今は勇者たち優先だから、モンスターが来る時は来てしまう

「どこから?」

 言われても分からないよ、まだ遠くだから探してよ、さっきの私たちの掛け合いを見てたでしょう。

「らんだむ!あっち!」

 幼なじみさんがいち早く発見し指を差した。 いたのは〝釜イタチ〟、運が悪いねぇ… なかなか出現しない村町間の最強モンスターだ、ゲームではゲージの溜まりが速くてこっちが攻撃するまでに相手に3回やられる。

「ヒール」

 一応勇者たちを回復させておく、既に2人は態勢を整えてどんな相手か見ている

「おねえちゃんトイレ…」

「うん、ちょっと席を外すね」

「え?」「任せておけ!」

 幼なじみさんの不安な声だけど勇者が承諾したので10歩分くらい離れて、マルシカクちゃんに勇者たちと反対側を向かせて携帯トイレを渡してあやしいマントを装備させた。

「おねえちゃん、見ないでね?」

「うん、見張ってるから大丈夫だよ」

 ペラっと捲って顔を出して確認する、かわいい!。見られたくないんだ、それが当たり前だけど自分は私の見ようとしていていたのに。

 後から気付いたけど〝あやしいマント〟は顔を出していない時は防音で中からの声は外に聞こえないようになってて逆は聞こえていた。

 あー、なんか恥ずかしい…。勇者たちは?なんか一方的に攻撃受けてるけど…

「マルシカクちゃんはそれ頂戴って言ったらくれる?」

「おわった…

 ・・・ほしいの?」

 ちょっといじわるで言ってみたらもじもじと両手で持って期待したように見てきた、普段と違うマルシカクちゃんに胸が騒がしくなる

「・・・欲しい…なぁ…」

「うん…マルシカクも持ってるから…いいよ?」

 わ、わ、わぁ!や、か、かわい!ちょ、み、見れない…

「い、いいの?」

「うん!」

 顔を背けながら手を出すとソッと巾着が触れて握った。

「あ、ありがとう!」

「おねえちゃん、かわいい…」

 ピタリとくっ付いてきて耐えきれずに抱き締めた。お互いに赤くなっていて少しするとウィンドウがあらわれる

「マルシカクちゃん、モンスター!」

 動いてないのにと思っていたら既に近くに来ていて待機していたのは釜イタチ

「うん、おにいちゃんたちは?」

「あー、負けて(きえて)はじまりの村に戻ったんだね」

 やっぱり勝てなかったんだ、シロキツネ一体に苦戦するくらいだから当たり前だけど

 セーブが無いこの世界では勇者と仲間は最初の村に帰されるらしい、記憶は残るがレベル、所持金、装備はリセットされる(無くなる)と表記されていた、例外は一つ、それが私。・・・するつもりは無いから関係無いけど。


 釜イタチもターン制ならSPDが関係無いから普通の雑魚モンスターより弱い、HPが少なくATKが高い。釜イタチはフェレットみたいで愛らしい見た目だからちょっと触りたいな

「おねえちゃん、何つかえばいーい?」

「あー、風、メガ…普通のウィンドでいいよ」

「わかった! ウィンド!」

 緑のエフェクトで三日月型の刃が2枚釜イタチに飛んでいくとすぐに倒れ消えていった。勇者たちへ合掌・・・。

『モンスターをやっつけた。『疾風のペンダント』『風の結晶』×2を手に入れた。250G手に入れた。

 ユウナがLV.12になりました。ユウナは『メガヒール』『エリアヒール』を覚えた

 マルシカクがLV.12になりました。マルシカクは『ファイヤーウォール』『ウォーターフォール』『ストーム』『ローリーサンダー』を覚えた』


 範囲系魔法が増えたけど、それより・・・


「『疾風のペンダント』って何!?」

「しっぷー?」

「あ、ごめんね、うーんと、これを今手に入れたんだけどね」

「わぁ、きれぇ」

 ビリジアンの宝石に銀で風を体現したような形が付いたペンダントを取り出してマルシカクちゃんに渡して私は説明を見る


『疾風のペンダント

 モンスター『釜イタチ』が極稀に落とす。

 効果:無し』


 超レアドロップ品だ!遭遇も滅多に無いのに落とすのもまれとか、ちょっと感動。効果は名前からSPDがかなり上がるだったとかだと思う。

 マルシカクちゃんにいるかなって聞いたらいらないって。見てるだけで美しいからね。正直、アクセサリーとか苦手です、でも装備なら我慢します。


 余計な時間がかかってしまったから進もう!

 記憶の地図を村の出入口の方向と照らし合わせて西北西の方角へ進んだ、実は目的の会いたいモンスターがいたのだけど残念ながら遭遇叶わず『あらし峠』らしき場所にたどり着く。

 らしき場所というのはゲームでは山の一マスに木の枠があり、そこのブロックに着くと場面が山の麓場所に変わるから。現実では急な変化などあるわけなく『木の枠』は山へ登る坂道の前に木の〝∩〟があるだけであった。

「マルシカクちゃん疲れたね、お昼ご飯にしようか?」

「つかれてないよ! たのしーね!」

 元気いっぱいだ、私はヘトヘトだよ。マルシカクちゃんに悪いけど休ましてもらいたい。

 私のMPの上がり方はすごいので荷物運びに困らない。 仕舞える上限は素のステータスのMP10でひとつである、しかし、私は『ゲーム機能』により『1種のアイテム×99はひとつ』が有効であってかなりの数を持ち運べる、更に『物を詰めた入れ物』もひとつとして数えるので実質的に∞と言ってもいいくらいに持ち運び出来る。

「マルシカクちゃんの読んだ物語ってどんなお話なの?」

「!!。えっとね!おかねがない女の子がね!」

 マルシカクちゃんはものすごく楽しそうに語りだし始める。

 親を亡くした貧乏な少女が親に捨てられた少年と出会い恋に落ちるお話だった。

「あるとき女の子はね、まじょにのろいをかけられて大きくなれなくなっちゃうんだ」

 ずっと重たいお話だね、でもマルシカクちゃんは楽しそうだから最後はきっと

「まもってた男の子は大きくなってもずっとすきでねしんじゃうの…」

「え?男の子いなくなっちゃうの?」

「うん、女の子がたえられなくなるからとかで消えていったから」

 お、重くない!? 物語がすごく暗いよ。直接書かれて無くても読み取るマルシカクちゃんはかなり頭が良いよ。

「それで、女の子はねおいてあったおかねとかをすててみちの先の光のなかにきえていっちゃったんだ」

 あ、あれ?ハッピーエンドじゃないよ?

 女の子も大きくなり始めた少年を追っていっちゃったんだ、表現から幸せそうな感じにだよね? 終わっちゃった、ちょっと受け入れにくいお話だった。

「悲しい物語だね…」

「うん、でも女の子はうれしかったからいいとおもう!」

 私は理解が鈍いからそういうの分からないなぁ…

「マルシカクちゃんがお嫁さんに憧れたのはその女の子を思ったから?」

「ううん、ちがうお話だよ? でもね、おねえちゃんを見たときからどきどきしたの、今も・・してるよ?」

 はぅ!マルシカクちゃんが私のHPを一気に無くしてくるよ…

「マルシカクちゃん大好き!」

「うん!マルシカクも!」

 ぎゅーっと抱き合っていました。

・・・。

 旅を再開して緩い坂道をぐねぇっと目の前を大きく回るように登るとゲームでもあった分かれ道についた。片方は先が見えないなだらかに曲がっている道、もう一方は坂が急になり上へ続く道。

『←ホント町 ↑あらし峠』

 看板が雑過ぎる、ゲーム通りだけど!結果的にはそうだけど!

「登るけど、疲れたら言ってねすぐに休むから」

「おねえちゃんもね!」

 そうだね、私の方が疲れるね

「ここからまたモンスターが出るから気を付けよう」

「うん、たのしみ!」

 魔法を使うのが好きになってる、これ危険かな…。

・・・。

 坂道が続く、あらし峠のモンスターもたくさん襲ってくるがマルシカクちゃんの相手では無い、この場所では水系の攻撃が有効なことが多く、マルシカクちゃんの『メガウォーター』や『ウォーターフォール』が活躍した、私は相変わらず『魔法攻撃アップ』ばかり使っているので『キュア』でスッキリしたりと遊んでいた。

「マルシカクちゃん、MPが少なくなってきたからこの辺りで今日は休もうか?」

「うん!」

 いつものブルーシートに宿屋のご飯をたくさん出して豪勢である。

 いっぱい『アイテム』に入ったのを2人で楽しみながらチェックして『おやすみセット』を出してみた。

「ただの寝袋に見えるけど説明では『快適に快眠ができます』って書いてるんだよね、モンスターも6時間寄せ付けないらしいし」

 モンスター避けが無くとも私たちに限り安全は保障されてるけどね、寝ぼけて魔法を使ったりしなければね。

 一つ欠点があるとすれば1人しか入れないこと、マルシカクちゃんと一緒には寝れないのが寂しい

「(大きいおやすみセットを作れないのかなぁ)」

水は持ってきてるからいつもの歯磨きを2人でしてピッタリ並べておやすみする。

「…おねえ…ちゃん…トイレ…」

「私…も…」

 不思議と入ってすぐに眠くなったので無理矢理出てマルシカクちゃんを引っ張り出すのだった。


・・・。

 目覚めパッチリ! 体が軽い! 状態MAX!

 寂しく思う間もなく快眠からのスッキリ目覚め、マルシカクちゃんも絶好調みたいで外にいることを改めて楽しんでいた。 おやすみセットは必需品だね!

「あ、勇者たちはどこで手に入れたんだろう?」

 今まで気付かなかった、聞いておけばよかった!

 どの町や村にもあやしいマントの奴が卸してたならあったのかな? あ、どのみちキュウカ村に無かった時点で手に入らないから考えるだけ無駄か。


ユウナLV.15:僧侶(女),15歳(不老、不死)

HP:160 MP:440 ATK:11  DEF:22 MAT:11 MGR:20 CT:440


マルシカクLV.15:魔法使い(女),7歳(*不老、不死)

HP:100 MP:66 ATK:32 DEF:12 MAT:46 MGR:17 CT:39


 個性がハッキリ出てきました!特に私は攻撃系が上げ止まりました(泣)

 マルシカクちゃんは魔法系の攻撃・防御に変わり始めて強いね! CTが低いのが納得できないね


・・・。

 山登りを再開してすぐ

「お地蔵様だね」

「おじぞうさま?」

「私も詳しく無いけど、見守ってくれているありがたい存在だよ、本当は違うけどお供え物をして願いをする人もいるね」

「そうなんだ!」

 目の前で拝むことを教えると真剣に拝んでいた。ほっこりしながら、5Gをおく、2Gをおく、3Gおく、4Gをおく、1Gをおく、最後に6Gを並べながら置いた。

『そなたの願い叶えよう』

 会話ウィンドウが現れたが何も起こらない。

ゲームならこの後選択肢で『お金』『アイテム』『わ・た・し♡』が出てくる、『お金』なら777Gが貰え、『アイテム』ならネタ装備『地蔵の頭』が手に入り、『わ・た・し♡』なら夜になり夢の中でお地蔵様が乗ってきて愛を囁かれる(夢オチ)イベントが見られたのだ


 お地蔵様のイベントは2周目以降限定で1周に1回だけ起こったのであった。

 この条件を探す方が困難で、町の図書館のいくつもの本の中にひとつだけ以下のどれかがある

「5G? なんだこれ?」「3G?なんだこれ?」「1G? なんだこれ?」「7は幸せの数字 なんだこれ?」

 これは訪れる場所の順番通りに考える、7は最後の数字じゃ無い(Gが無い)、地蔵の1G~9Gをお供えするがあったことをチェックしていて思い出して関連付けないといけない。とても分かりにくいイベントである。


 何も起こらないならそれで構わない内容なのでマルシカクちゃんの安全を祈願して先に行く。 ・・・モンスター出てこないね?

 一度も戦闘が無く山頂が見えてきたよ、 初めてのボス戦だ!

「空気がキレイだねぇ」

「うん!」

 思いっ切り空気を吸い込み深呼吸するとマルシカクちゃんも真似して一緒に深呼吸、えーっと、あった!

「あそこの石に乗ってみて」

 土の地面に生えたような大きな薄く平らな石に近付きながらマルシカクちゃんに乗ってもらった

 ウィンドウが現れる、しばし沈黙、するとどこからか翼をバサッバサッとはためかせる音が空より聞こえてきた

「ロックバードがきたよ、今までのモンスターとは全然違うからね!雷が苦手だから」

「わかった!」

 全身茶色の二階建ての建物くらいある大きな鳥のモンスター、目の当たりにすると迫力がすごくて怖いよ! マルシカクちゃんの精神力どのくらいあるの!?

 大きな声で「ピィィ!」っと一鳴きすると戦闘が始まった!

「防御アップ!」

「メガサンダー!」

 ロックバードはこのゲームで初めて全体攻撃をしてくる、なので勇者2人が同時に死にかけて回復にかかりきりジリ貧になり負けやすい。重要なのは1人だけでもダメージを軽減させること(『防御』を上手く使う)、装備で大丈夫だと思うけどDFEの弱いマルシカクちゃんには念のため。

 相手のターン、翼を一振りすると強い風が起こる、普通だったら飛ばされているところだけど手で顔を隠す程度で特に影響は無い。

「あ、2人ともHPが1減ってる」

「ダメージ、っての?」

 マルシカクちゃんに全部説明したけど理解しているんだね、えらいね!

 やっぱり強い、でも上げて1だけならヒールが余裕で間に合う、魔法攻撃アップの方が効率がいい

「そうだよ、えらいねぇ♪」

「うん♪」

 まぁ、(あと2ターンで)切れる時にまた(防御)アップするけどね

 どのくらいかかるかなぁっと思っていたのに3ターン目が終わった時にロックバードが疲労状態になる

「ピィィ!」

 再び鳴き声が響くとロックバードが上気したように微かに赤くなった

「あれは強いモンスターがやるの、体力が無くなってくると強くなるやつだよ」

「あかくなっておねえちゃんみたいだね!」

「え、あ、そ、そうだね、マルシカクちゃんのことを想うと強くなれる(かも)から」

「うん、うれしぃなぁ♪ マルシカクもいっしょ! おねえちゃんのためなら強くなれる!」 

 マルシカクちゃんもほんのりと赤いよ、私は真っ赤だろうけど、いくらでも強くなれそう……うれしい…

「魔法攻撃アップ!」

「うん!メガサンダー!!」

「ピィィ! ピィ…」

 あ、あれ? まだ倒しきれるHPじゃなかったはずだけど、発狂状態(赤くなった)から相手のターンを見ること無く終わっちゃった…

『モンスターをたいじ(・・・)した。『大きな羽』×2『ロックバードのくちばし』『かたい鉱石』×10を手に入れた。512Gを手に入れた

 ユウナがLV.19になりました

 マルシカクがLV.19になりました』


 くちばしドロップは貴重だ、なかなか落ちないのに。 格上ボス経験値の周回ボーナスプラスはすごいなぁ、一気にレベルが上がったよ。

「やったね!あかくなってつよくなった!」

 抱き付いてきたマルシカクちゃんを受け止めながらそのことについて何かないか思い巡らせたが特にわからなかった。

「マルシカクちゃん頑張ったね、ありがとう!」

「ちょっとこわかった・・・けどおねえちゃんふるえててがんばらないとって思ったの、えへへ」

 キュンっとぶるっときた!やばい、かわいい!

 そう見えなかったけどさすがにあれは怖かったんだ、私を見て頑張ってくれてたなんて聞いたらまた…きちゃう。

「マルシカクちゃん好き…

 お礼になんでもしてあげるよ?」

「ほんと! じゃあね、おねえちゃん・・さわりたいなぁ、すべすべしたい!」

「え… 今?」

「うん!おねがい…だめ…?」

「!?、は、はい! 幻滅しないでほしいなぁ?」

「げんめつ?」

 あやしいマントを装備して下を解除した、そこ(・・)については違う意味に取られて恥ずかしかったけどマルシカクちゃんは気にしないで更に喜んでくれてよかった?です。いっぱいいっぱい触られて少しやばかったです(でもしあわせ…)。


・・・。

 マルシカクちゃんがつやつやとスッキリした顔でモンスターを一撃で屠っている、ご機嫌ですごく嬉しそう。


ユウナLV.20:愛されし僧侶,15歳(不老、不死)

HP:210 MP:500 ATK:11  DEF:29 MAT:11 MGR:27 CT:500


マルシカクLV.20:愛されし魔法使い,7歳(*不老、不死)

HP:130 MP:84 ATK:33 DEF:20 MAT:62 MGR:23 CT:40


 『状態』に微妙な変化が起こった。ロックバードを倒す前には付いてなかった役職の前に『愛されし』が付いて『(女)』が消えた。それの影響か別の起因かは分からないけど、レベルアップ以上にDFEとMGRの値が伸びていた。 マルシカクちゃんが増えにくい値だったのでとても嬉しい。


 あっという間にあらし峠を越えて平原に出てきたらもう暗くなってきているので町まで行くか考える。

「(キュウカ村とあらし峠から考えたら・・・夜までに着くかな)」

 めんどくさい勇者たちがいなかったらもう到着してたよね。 イチャイチャしてた時間の方が長いというツッコミは無しでお願いします!

「マルシカクちゃん、この辺りからは状態異常・・毒とか沈黙とか・・体力が減っていったりしたり、魔法が使えなくなるようなモンスターが出てくるんだけどね、このリボン装備にはそれを全て防ぐ効果があるんだ」

 今は必要無くても教えておかないと、マルシカクちゃんは理解してくれるから他の装備の時は無茶しなくなるし重要だからね。

「このふくすごいんだねぇ! まほう使えないのはこわいねぇ」

「そうだね、そういう時のために違う武器を持っておくのも外に出るのに必要だね」

「マァマみたいのやってみたい!」

「ママ?どんなの?」

 ・・あのお母さんが何か武器を使いそうにないけど…

「遠くからつかってたのだよ? おにいちゃんの後ろからびゅーんって!」

「おにいちゃん? ・・・幼なじみさん?ママ?」

 なんでママ?ママっぽく無かったけどマルシカクちゃんにはそう感じたのかな。

 えーっと使ってた武器は弓かぁ、たしかに面白そうだよね、せっかく身近に弓があるんだから私もやってみようかな!

「おねえちゃん?マァマおねえちゃんわすれちゃった?」

「お、覚えてるよ、弓だよね! 一緒にやってみよっか?」

「うん!」

 マァマって名前だったっけ!?恥ずかしい!?


 紫キノコが現れた、顔があってかわいい

「ポイズンマッシュだよ、これが毒を出してくるの」

「あぶないモンスターだね!」

 火と風が弱点で水は効かない、雷は増殖する

「ファイヤーウォール!」

 3体いたポイズンマッシュに四角い炎の壁が衝突して止まり少し焼かれている

 ここでの強さを遥かに超えてるね、一発で全滅とか普通なら何十時間もレベル上げしないとできない

『モンスターをやっつけた。『毒キノコ』×6『あやしい胞子』×6を手に入れた。93Gを手に入れた。』

 町まで余裕でした。

・・・。

 四番目の場所『ホント町』、形は『N』の道に

なっていて左上部に入口がある。

 空き家は右下部にあるが町長さんに言わないと購入できないと思う、こんな夜でも大丈夫かな…、掃除がまたされてなかったら困るし宿屋が無難だよね

「まっすぐいった右手に宿屋があるから今日はそこに泊まろうね」

「うん!」

 宿屋の料金は150G、やることは次の日にしておやすみなさい。


~~~

・・・おぬしよ

「ん…?」

 誰かに呼ばれて目が覚めた

・・・連れの者に

「…誰?」

 返事は無い

・・・正直に伝えよ

「…何を?」

・・・家族へ伝えたように

「…家族…」

・・・ではな

「…何を?」

~~~


 目が覚めた、変な夢を見た、内容ははっきり覚えているが意味が分からない

・・連れ・・・マルシカクちゃんに?

 背中に抱き付いて寝ているマルシカクちゃんを思う

・・家族・・・お父さん、ゆうやに言ったことを伝える?

 なんだろう? マルシカクちゃんに関係あること・・・

「んー、ユナちゃん?」

 初恋の人・・・園児だけど…伝えられないからそのままお別れした子

「マルシカクちゃんが大好きなことは伝えてるよ…」

 背中でマルシカクちゃんが身動ぎすると、私のわき腹に手をあて自分の方に軽く引く

「んー…おねえちゃん?」

「あ、起こしちゃった、ごめんね」

 誘導されるようにマルシカクちゃんの方に体を向けると何か思い出すような顔で質問された

「んーん、おねえちゃんはマルシカクに大人になってほしい?」

「え、どうしたの?」

「マルシカクはこのままでもいいよ?

 おねえちゃんが大好きだから?」

 どうしたの?って考えるよりもさっきの夢が浮かんできた、もしかしてマルシカクちゃんにも似たような夢が?

「パパもママもね、マルシカクちゃんの成長を楽しみにしてるんだよ?」

「うん、でもおねえちゃんが今のマルシカクがすきならこのままでいいよ!」

 マルシカクちゃんに何があったの? 私はマルシカクちゃんが成長しても大好きでいるよ?

「何か夢でも見たの?」

「うん、おねえちゃんはマルシカクがだいすきだって」

「うん、すごくすごく大好き、本当に」

「おねえちゃん、マルシカクねせいちょうしてもこのまま・・がいいな?」

 他にも何か聞いてるような気がする、いいの?本当に?

「マルシカクちゃん、心はね成長するの、大きくなっても子供扱いされることは辛いと思うな?」

「うん、おねえちゃんとならマルシカクは子どもでいいの! おねがい!」

「ん…いいの?…マルシカク…ちゃん、大好きです!」

「うん!だいすき!おねえちゃん!」

 半泣きになりながらお互い抱き合うとマルシカクちゃんがチュッとキスしてきてクニュクニュと悶えていました。



「あー…冷静になって考えると任意で変更出来るんだよね…」

 マルシカクちゃんが変わるなら解除して成長すればいい、突拍子も無い夢を見て考えていたから当たり前になったことの方を忘れてた…

「だいじょーぶ、かわらないからね!」

「うん、でもって思ったら教えてね」

「わかった!」

 両親に説明しないとダメだね、説明しようがないんだけど…。あーー、かわいいよぉ!!


「でも、(夢で)何を聞いたの?」

「ひみつだよ♪」

 これはなんだったんだろうね。

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