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神の声の人に感謝

「それなんですか!?」

 突如始まった淡い発光。

 みのりさんは「あっ」っと呟き落ち着いた様子で「はい」とひと言、胸に手をあてると光は消えていた。

「おねえさんおめでとう!」

「は、はい、ありがとうございます」

 マルシカクちゃんも普通に対応、なんだこれ? お祝い事なの?

「何がおめでとうなの?」

 マルシカクちゃんに聞いてみるしかない

「みのりおねえさん、1さいふえたんだよ?」

「1歳…誕生日ですか?」

「誕生日…誕生・・は、はい!そうですね」

 みのりさんの誕生日はこの日のこの時間ってことか。状態で確認してみると年齢が「17歳〈16歳〉(不老、不死)」になっていた、〈〉内が止める前の年齢なんだろう。

「たんじょーび!!」

「みのりさんお誕生日おめでとうございます、今夜はケーキ作りますね」

「「ケーキ?」」

 ケーキは分からないようだけど、お祝いの日に食べるものと説明しておく。

 調理は自動だから簡単!レシピは頭に! 材料は集めたのと買ったので揃ってる!

 それにしても光を止めたのは認識したからかな? それとも手をあてたからかな?

・・・。

 早速、ケーキ作りを行う。 用意する材料は『ミルク×3』、『バター(ミキサーでミルクで作る)×3』、『卵×5』、『イチゴ』です。

「作っていきます」

「わぁ!」「お手伝いいたします!」

 手伝うことはありません、自動だからね。

 料理台でボールにミルクを二つ用意してMPを1使いますとあら不思議!生クリームが出来ます!

 次にオーブンレンジでイチゴ以外をトレイに乗せ入れて再びMPを1注ぐと生クリームが塗られたスポンジが出来ました!

 最後に調理台の上でスポンジとイチゴを並べて更にMPを1消費するとあっという間!

「イチゴショートケーキのホールの完成♪」

「おねえちゃんすごーい!」「・・・はやいですね」

 何とも不思議な〝料理〟作りだよ、普通には絶対作れないし作り方も知らない、更に言えば材料も違うだろうに、ゲームの知識さえあれば簡単だ!


 晩御飯を食べた後

「「みのりおねーちゃん!おたんじょーび、おめでとー♪」」

「ありがとうございましゅ!ぅぅぅ」

 懐かしきもお馴染みの言葉をマルシカクちゃんと言うと感動のあまりにみのりさんは嬉しそうに涙を流していて笑う。あの定番の歌もやろうかと思ったけど少し恥ずかしくてやめた。

 ケーキを6等分に切ってひとつずつ並べると真ん中に残るケーキがいかにもそれっぽくて(・・・・・・)ちょっと感動していたりする。そんな経験無かったし余裕が無かったからねぇ。マルシカクちゃんの時には蝋燭も欲しいなぁ、『ろうそく』なんてゲームに無いから????さんが用意してくれたりするかな、とちょっぴり期待。

 甘いケーキにみのりおねえさん大満足、2ピース食べて残りは後日に残していたよ。 マルシカクちゃんは「おいしぃ!」のひと言でご飯系の方が好きかも、お菓子なら違うのも作って好みを探っていこうかな!


・・・。

 ずっとの外泊まりだったので数日間は準備しながらお休みにする。長く外での活動も苦では無いし眠りも深いから疲れも無いせいかもしれないが危険な旅が恋しいと思えていたりして常に出ていたいとの思いもあったり、充実している。


 休んでいる間にマルシカクちゃんが気になったことを言っていた

「ほんやさんにいかないとダメみたい!」

 もちろんマルシカクちゃんを疑うことなく行ってみると、回っている時に光っていた本を見つけてそれを1000Gで購入、家に帰って読むとゲームでは無かった『製作』と『料理』に関したレシピ本だったのだ。


・・・。

「カナカナの町に行こー」

「「おー!」」

 ホント町から途中『崖山のすき間』を通っての旅になるけど、モンスターの強さはここからは段違いに強くなって危険でちょっと心配だけど心配してなかったりする。 それは、先にその場所を抜けた先で本来戦うはずの四天王のバラットでも圧倒していて基準が出来ているからである。

 アイテムや食事はもちろんだけど今回は杖も新調してたりする

縁緑(えんりょく)の杖+』

 持つと生命の息吹を感じる・・かもの不思議な杖

(消費MPが消費されて補助魔法の効果が上がる)


『魔法少女ステッキ+』

 これであなたも立派な魔法少女☆

(MPとMATがレベルに応じて高く増える)


『聖なる枝杖(しじょう)+』

 あなたにあたしの声は届くかしら?

(聖の魔法の効果・威力が上がる。1ターン毎にHPとMPを5%ずつ回復する)


 分かると思うけど順番に私、マルシカクちゃん、みのりさんのだよ。

 マルシカクちゃんがネコ杖(ねこの手)を残念がってたけど性能は最高だから変更、でも私は本当に効果あるの!?、で意味が分からなかった。それは、杖の見た目が10cm無いくらいのただの中細の枝だったからである、先っぽに1枚の緑の木の葉がプランと剥がれず付いていてこれはもう〝武器〟ではない!

 生命の息吹?感じないよ!!


 そして、マルシカクちゃんのステッキは、前のも既に魔法少女だったから作る前はどんなのになるかと思っていたけど今度のはじつにシンプルだった。

 ピンクのステッキの先に丸いリングが付いていてその中に星の形の型の飾りが2個くっ付いて(・・・・・・・)リングにハマっている。すごくかわいい!


 最後にみのりさんの聖なる枝杖だけど完全にゴボウである、長さが地面から腰くらいの長いゴボウ。強度はありしなることはないけど見た目はゴボウの棒であった。

 しかし、説明にある通り、作製して微妙な空気でみのりさんが持った瞬間に女性の声で「よろしくね」と聞こえたそうな。大聖女様でも話しかけてきたのかな?


 そんなこんなで崖山のすき間はホント町から西南西の方角である、町を出てすぐに遠くに聳え立つのが見える場所が目的地、高い!

 歩いて20分くらいでその場所に着くけどこの場所は、ゲームで私はとても苦手な通過点(ステージ)だったりする。

 通路は2マスの幅で10マスの距離なのだけど、初回は猿のモンスターが犇めいていて1マスだけ空いていてそこに入ると「3、2、1」と毎回速度の違うカウントダウンが始まり表示されない「0」のタイミングで方向のボタンを押していく。成功を10回で先に進め、失敗するとその度に3体のモンスター相手をさせられるのだ。優那はリズム感が無い上に速いのには反応出来ないので、いつも何回も戦っていた。猿のモンスターはそこそこの強さの割に経験値もドロップも殆ど無い、抜けてすぐに別の大きな戦闘があるために消耗は避けたいのだけど当然のように苦渋を味わされていたのは大変だった。 先で遭う四天王を倒すと猿は消えるのだけどスキップしたいと毎回思ったり…


 しかし今は普通に進めるから素直に楽しめる、上が遥か高くに見える岩壁にはみんなで感動したりする。

「みのりさんはここじゃない場所を通ったの?」

「は、はい。よく分かりませんが何か大きなお屋敷の前を歩いていました」

「よかったね」「よかったね!」

「はい?」

 みのりさんは方向音痴なので殆ど覚えていなかったがカナカナの町方面からホント町にたどり着くには二つのルートがあって、今いるのが通常ルート。

 そして、もう一つがおそらくみのりさんが言った最終盤の魔王城に入るのに必要な重要ルートであって、これはカナカナの町の王様を護る騎士様2人から道が聞ける。今の私たちなら多分余裕だろうけど、その段階で行っても無謀な場所。一方通行で危険な屋敷を通らないと抜けられないがそこはゲームじゃないから素通り可能なんだろう。前の道はモンスターが出現しないから安全。

 ・・・キョーさんもそこから来た?


 『ハッピーバード』が出てきたけどマルシカクちゃんのメガサンダーで一撃だった。さっさと先制してきて混乱状態にしてくる厄介なモンスターだけど手加減して余裕なのはレベル過剰なのかマルシカクちゃんの能力が過多なのか、なんにしても旅の方に集中出来て楽しいよね!

「この辺りで食事にしようか」

「うん」「はい」

 ご飯の方も製作レシピと同じであの本に色々と載っていたのでたくさん作っていたりして、久しぶりの品から知ってるだけで食べたこと無いものまであるので楽しみだったり。 しかし、今食べるのは雰囲気違いの敢えての『味噌ラーメン』である、ゲームには無かった。

 何でって食べたいからと外でラーメンというのになんかいいなぁって思ったからだよ! それに安い5食セットのしか食べたことないから本格的に出来る自動料理でのが気になっていた。

 当然、2人も食べたことないもの。素材『パスタ』はあり『ミートソース(スパゲッティ)』があるのにラーメンは無かった、神の声様がやったのはこの世界への大きな追加だったのかもしれないね、一部それをマルシカクちゃんを通して知らせた?みたいと。

「おねえちゃん、いつもとちがうけどどうやって食べるの?」

「ふふ、箸はこうやって持って挟んでね・・」

 

・・・。

「うまそうだね?」

 それは突然やってきた!

 まだ食事中でみのりさんは箸の扱いに苦労していてゆっくり食べていた最中、空から人が近くに降ってきて砂煙が舞った。  ポーズも間に合う順応力などあるはずもなくラーメンが…!?

 とりあえず戦闘ウィンドウが開かないから戦いではないことだけは理解して落ち着こう。

「あつっ!?です…」

「おねえさん!?」「大丈夫!? ヒール!キュア!」

 あわあわと慌てて立ち上がろうとして盛大に倒してしまったみのりさんを回復しながら晴れてきた砂煙の方も見ていると申し訳なさそうに謝りながらその場で手を前にしてオロオロしている男性がいた

「つのがある!」

 みのりさんに寄り添いながら可愛いマルシカクちゃんが言ったこと。そう、男性の額から短い角があり肌の色がほんのりとだけだけど灰がかっていた。

「リッシェルラント!、ですか?」

 まだあわあわしている男性・・・いや女性(・・)はハッとしたようにこちらを見て頷く、そしてそれで行動に移れたのかみのりさんに近付き謝りながら頭を撫でていた。マルシカクちゃんも戦闘じゃないから安全とちょっとは心配しているみたいだけどソッとこちらに来ていつものスリスリ。

「ごめんね、ざい条ゆうざい…」

「はぃ…え!!、お兄様!?」

 お兄様!?、罪状有罪を知ってるってことは本物? 孤児って思ってたけどまさかのお姉様で四天王の一人だった、変態説じゃなくて言葉の違いの方だった。

 まさか、みのりさんとリッシェルラントが仮の姉妹になっているなんて…

 だからみのりさんも出会う前から戦う術もあったし、彼女も今敵意も無く来たんだね。

 リッシェルラントがみのりさんを抱きしめようとしたけど恥ずかしそうに断っていてショックを受けていたり。

「…あぅあ!お兄様!ごめんなしゃいです!

 (コホン)わたくしは今はこの方たちの仲間になっていて、みにょり!…はぅ…みのり!と名前を授けていただきましています」

 ・・・角とか肌色とか気にならなかったのかな? 知識あるからいいけど違和感しか感じない。マルシカクちゃんも角に反応したから、私たちは気にしないが受け入れられないことが普通だと思うね…勇者の敵だし

 みのりさんは私たちを紹介するとお兄様がこちらに向く、身長も185cmくらいかな?

「あ、おれ(・・)、リッシェルラント

 ざい・・・みのりのお兄様(・・・)

 もしかしてこっちでは本当に男だったりするのかな

「あ、みのりに言わないで、おれ、みのりのお兄様」

 なにを? 立場の事かな、それなら敵対するつもりがないアピールだね

「分かりました、ラーメン食べますか?」

「食べる」

 リッシェルラントさんと殆ど食べていないみのりさんには普通に、私とマルシカクちゃんもあと少しだったから普通のを半分ずつ食べたよ。

・・・。

「あ、ユウナ、やる」

「『避雷針』ですか? ありがとうございます」

 彼女、彼?を倒した時のドロップ品だ

「これもやる」

「これは?」

「みのり強くなったね、じゃあ」

「あ、はい! お会い出来て嬉しかったです」

 瓶を3つ渡すと高く跳び去ってしまった、会話は少なかったけどみのりさんとの時間を大事にしていたようだった。また、いずれ会えるだろう。魔王様と敵対してるわけでないから四天王といえど戦う必要はないんだよね、バラッドは好戦的だったけど…

「味噌ラーメンおいしかった!」

「今度は違う味の食べようね♪」

「うん♪」

 みのりさんも名残を感じながらもすぐに振り向いたのでカナカナの町に出発だよ! 

・・・。

「「「わぁ!」」」

 カナカナの町は城壁で囲まれていて大きかったはずのはじまりの村の何倍もで圧倒されていた。

 ここ周辺のモンスターは獣動物系中心でHPとSPDが高いのが多く厄介、仲間を呼ぶのもいて経験値稼ぎにはいいけど上がるまではアイテムやら入町(・・)G(お金)が足りなくなってしまう場所であった。


「おい、お前ら! なんだ?子供だけか?

 ここを通りたければ1人1000G払わなければ入れんぞ!

 まぁ、お前たちならば・・俺の権限で特別に入れてやることもできるぞ」

 門で全身鎧の男に止められる、ニタっとしていて嫌な感じだ。後半なんて私とみのりさんをジロジロ見てから「それくらいお前くらいならもう分かるよな?」って感じで言った、マルシカクちゃんは眼中に無しだ、見る目が無い。 みのりさんは「え…、(何故?)」っと意味が分からない感じ。マルシカクちゃんは黙って私にくっ付いているので気持ち悪い感情を紛らわす最高の精神安定剤

「3000Gありますのでお断りします」

「チッ! 通っていいぞ!」

 その目は諦めたくない感を隠しもしてない、欲しかったんだろう。こんなの門番にしとくなよ!

 まぁ、これでカナカナの町!・・・・の貧民街に着いたのだった。

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