枠外:検証
『装備』と着替え
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『装備』はゲーム機能の一つで衣類やアクセサリーを身に付ける事。
『着替え』は着替える事であり衣服を着脱衣する行為。
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私がこの世界に来て浅い時に基本『装備』で服を着てた。しかし、普通に服を脱ぐことが出来ずに『外す』又は違う物を『付ける』ことで対応し、それが『ゲーム機能』による唯一の弊害だと思った。
例えば服、『装備』で付けた服はボタン付きの物は外したり付けたりは出来るけど前は広がら無い。同じくズボンや下着(下)は一定の位置までは脱ぐことが出来るけどそれ以上は動かなかった。しかし、いつかにマルシカクちゃんには簡単に脱がされてしまって思ったことは、私以外には『ゲーム機能』が働いていないから『装備』でのだろうと関係無い。それか、私の『仲間』になっている人だから。のどちらかと考える、前者は他の人にされたくないので、後者は(この時は)他に『仲間』を作る気は無いので、どちらにしろ考察はこれが精一杯である(後に仲間になる人にもやらせる気は無いので本当に終了した)。
もう一つの大きな違いがある、それは『装備』された物は汚れないということ。『装備』していて手洗いしようとした時に汚れも臭いも無い事から汚そうと思っても無理なことが判明して、両方で試してみたところ普通に着た物には適用されないことで理解したのであった。
また、『装備』している時にその物は劣化する事が無いと思われた。
・・・・・。
特技
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この世界には何をしたらいいかが勝手に解る特技に恵まれる人がいる。 内容は様々で現象だったり攻撃技だったりちょっとした恩恵だったりとその場面にあたらないと自分が持っていることさえ気づかない技能である。また、後天的に顕れることもある。
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『ゲーム機能』=『特技』と始めは思っていたけど何度も『遊び方』を見ていることで違うと気付く。
それで、私にもこの世界に来てからの『特技』が何か身についたのか調べてみようと思った。
「おかあさんはないけど、おとーさんは天気がかわるのがわかるって」
雨が降るよ、みたいに頭に聞こえるのかな?
「服を作る手順が知れる、みたいの聞いたことあります」
次は〇〇をする! みたいな?
特技を持っている人は少ないけど調べてみたら面白いかも、と本屋さんにその手の物がないか訊きに行ってみたけど全く無いので諦める。
少々残念に思いながらも道を歩いていたら怪しい商売人が手招き・・はしてないけど来て欲しそうだなと不思議な感情に陥るので商品を見るついでにと立ち寄ることにする。
『・・・くすくす♪犬みたいに、やって来た♪』
知り合いだった、その言葉もただ楽しいと表現したもので嫌味は感じられない。相変わらず小さなかわいい声で無邪気な女の子しか連想できないよ。
軽い挨拶をして商品を見せてもらうと辞書並の分厚い本が置いてある。 これはタイミング的にと顔を向ける
『・・くす♪』
頷いてくれた、間違いなく『特技』に関する本、絶対買う!
「おいくらでしょうか?」
『・・くすくす♪ 98G』
「9800G?」
聞こえたよ?だけどね!
『・・・くす♪』
「うん、分かってるの。だけどね」
『・・・買って?』
初めて!? マントが可愛くみえた!? 絶対中の人がいたら美少女に違いない…
動揺したのが楽しいのかいつものように涼やかにクスクスと笑われる
「・・はい、98G」
『・・・くす♪』
他に携帯トイレ(割引)とおやすみセット(定価)を補充して帰る。
ワクワクしながら本を開くと真ん中が開いた
「あれ?」
おかしいなとページの最初の方を剥がすように開こうとするがくっ付いたまま、後半も全部同じ
「・・・騙された!?」
ただ自分が勘違いしたのはわかるが納得いかなかった、今も笑われている気がする…
とりあえず開く真ん中のページを見てみると見開き左上に私の名前、見開き右上にマルシカクちゃんの名前が書かれていた、他には何も無い
「マルシカクちゃん」
「なぁに?」
とりあえずマルシカクちゃんを近くに呼んで確認させてみる。マルシカクちゃんにも同じ内容が見えている、これ何だろう? わざわざ個人へと用意されたからには意味がある本だと思うけど・・・
「おねえちゃん、お水かけてみて」
「この本に?」
突如ひらめいたようにマルシカクちゃんが本に水をかけろと、意味が分からないがマルシカクちゃんがいうならばどんなことでもやろう
流しに本を開いて置いて上から水をかける、当然すぐに染みて紙がダメになっていく
《この本に水をかけてはいけない》
え? なんか意識にそんなことが芽生える
「おねえちゃん?」
止めたからマルシカクちゃんに呼ばれて再開すると同じような感覚に
「なんだろうね?」
マルシカクちゃんが呟いた、本が使い物にならなくなったがやらないとと思ったらしい。しかしその意味は分かっていなかった。
私もよく分からないがこの事はスルーされることとなったのだった。
・・・・・。
ホント町にて購入した家に付いていたダルマストーブみたいの
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調味料製造機
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「これなんだろうね?」
「しらない!くろいね」
水道のある部屋の隅に設置されていたダルマストーブみたいな家具の前でこれが何なのかを調べてみることにした。 予測での一番有力なのはテレビと同じく私に合わされた部屋の飾りであり、二番手に見たまま寒い時に使えるストーブである。
「おねえちゃん!ここ!」
マルシカクちゃんが何か見つけて知らせてきたのは丸い窓になっている部分の下が浅い箱状の引き出しになっていると発見した。
更にはストーブの横側にそれぞれ二つずつにラジカセのボタンのようなものがあった。
「見ても分からないからそっち押してみて」
「わかった!」
マルシカクちゃんがボタンの一つを押してみたら沈んだまま戻らないので他も押すとカチッと始めのが戻り押した方が沈んだままになる。カセットだ…。
・・・。結局、何か分からないまま放置して幾日もが過ぎる。
みのりさんも加わって紹介がてらキョーさんとの親交会の食事会が開かれた。
挨拶も終わりキョーさんも持ち寄った料理や食べていた時にふとキョーさんは部屋の隅にあるそれを見る
「気付きませんでしたけど、ユウナさんたちのどなたかも料理おやりになるんですか~?」
何でそう思ったのかが全く理解出来なかったがキョーさんは誰かしらやっているのだと感じたらしい。
「うまく切れなかったの…」「わ、わたくしは苦手でした…」
マルシカクちゃんもみのりさんも、もちろん私もダメだった記憶は新しい
「何故、そう思ったのですか?」
「はい? あの、お高いアレをお持ちになっていましたので~。 そうでしたか~」
指を差したのは使い方も何なのかも分からない黒いダルマストーブみたいの
「あれが何か知っているのですか!」
「はい?知ってますよ?」
不思議そうなキョーさんに教えてもらうことになった。
あれは『調味料』を自動で作ってくれる設備で金持ちどころか大金持ちくらいしか持っていないという。カナカナの町でたまに路上実演販売していたらしい。
「使い方は分かりますか?」
「曖昧ですけど、簡単でしたので~」
キョーさんにご教授してもらう、必要な材料は無いので形だけ。
「ここにですね~、あら?」
キョーさんが窓部に手をかけて開こうとしたけど開かなかった。
もしかして、テレビと同じ飾り?
不思議そうに窓部の下の位置のちょっと飛び出た場所を摘まみ引っ張るとマスくらいが引き出しのようにあらわれる。
キョーさんは困ったように「上に入れたらここから出るんですよ~」と説明してくれた
「このボタンは?」
側面にあったスイッチみたいのも訊いてみたら分からないらしい
「ごめんなさい、お役に立てなくて~…」
「いえ、ありがとうございます
ご飯食べましょう」
そのまま食事に戻ってお開きした。
「キョーさんのおかげで予想がつきました」
「うん!」「はい」
調味料を作る機械で色々動く仕掛けが付いてるので飾りじゃなさそう!(重要)
〝私〟に関する物は〝MP〟を使っている物ばかり。なので、これもボタンを押してMPを意識すれば窓部が開いたり起動したりするのではないかと予想された。
マルシカクちゃんたちに説明してやってみた、ボタンをひとつ押してMPを込める
・・ガガガガッ
そんなに大きくない音がして起動した。予想は正しかったのだ!
十数秒で音が止んだのでキョーさんに教わった引き出しを開けてみる
「醤油だ!」「いつも買ってるの!」「ほへぇ~…」
材料も無かったはずなのに黒いサラサラした液体が入ってツンとした独特の香りを放っている。
感動に浸りつつ残りの三つのボタンも試してみたら『醤油』『味噌』『ソース』『酢』が出来ることが判明しました! 買えるものは醤油、塩、砂糖くらいだったので幅が広がるよ! 材料要らずでリスク無し、買わないといけないならお金出すけど今のところ分からない。動かなくなったら『メニュー』にくれると嬉しいなぁ…
ああ、味噌汁が飲みたい、でも作れない・・・お父さん、ヘルプ…
後日、キョーさんにも教えてあげて定期的にプレゼントすることを約束する。そして、『味噌汁』をなんとなく伝えたら作ってくれて美味しかったので大量にお願いして引き受けてもらいました。出汁の説明が難しかったのに理解してくれてキョーさんは天才だと思います。まる。
・・・・・。
ユニーク装備〝あぶない水着〟
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セット装備、装備すると水属性耐性が付き、SPDが飛躍的に上昇、敵からの魔法系攻撃のダメージの半分をはね返す効果がある。
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「みのりさん、あぶない水着を『装備』してみますか?」
外ではさすがに止めるけど本人が望むならその通りにするつもりだ。
実際に見た〝あぶない水着〟は男性用のきわどいデザインをしていたためそのまま着用すればもちろんそのままだが、『装備』させた場合は女性用になるか気になってたりする。 能力としてはSPDが無くなった今、中級装備くらいしか無い。
誰が着るかと思うがみのりさんは興味津々で赤くなりながらもコクッコクッと頷いていた
「グリードいますけど命令しないのですか?」
「はぅ!?」
チラリと側に控えるグリードを見るとニコリと返される。 人間の男の姿だが彼はモンスターである、そういった感情は持ち合わせていない・・・もしかしたらあるかもしれないが見受けられない。
「(そのままで…ひぅ…でもそれだとユウナ様に…。はぅ!?やっぱりグリード様に見られるにょも…ぅぅ)」
因みにマルシカクちゃんにはどうしても見せたくないと頼んだら席を外してくれた、代わりにマルシカクちゃんがどうしてもならこの結果に合わせて私が2人きりの時…、きわどいくらいならかわいいものの方がいいけど・・
「い!いて下しゃい!」
ものすごく恥ずかしい、それと軽蔑はされたくないと分かる表情だ真っ赤に紅潮させて不安そうに私をチラチラ見ている。それでも好奇心は満たしたかったからそちらを選んだよう。
「分かりました、装備させますね?
因みに変わらない場合はどうしますか?」
いつもと変わらない様子にみのりさんは安心したよう、別に人に押し付けない趣味は自由だと思います。
「ど、どうしますとは・・・?」
頭回ってなかったかぁ…
「男性用のままだった場合、すぐに服に戻すとか気になってた上着着るかとか」
上着は用意してある、女性用でも上に着れるか調べてみたかったから。どうみてもの実験だから嫌なら見られない内にすぐにポーズして戻すよ
「はい!事前の御予定通りで大丈夫・・です」
力強い返事、期待も強いらしい
「分かりました、いきますね」
ポーズはしないでそのままみのりさんに〝あぶない水着〟を『装備』させた。
瞬間、みのりさんは可能性じゃない方の予想通りの姿になる。 グリードも何も変化なく命令無しなので凛々しく立っている。
みのりさんは隠すこと無く上着を拾いあげると袖を通していく、微かに震えているが恐怖や恐れでないのは見てわかる
「き、着れました、ね…」
「はい、ありがとうございます♪」
「いぇ! お役にたちぇてうりぇしぃでしゅ!」
ちょっと下に手をウロウロさせているのが艶めかしい、隠さないように我慢している。
面積は思っているほど細くない、とは言っても女性だからで男性なら危ないけどね
「ふ、ぇ?」
「あ!今、戻します」
自分では意識せずに身体の力が抜けたようでペタリとしゃがんで不思議そうにしている、装備を解除して普通の服にしてあげた。
ペタンと座りグリードを見て胸に右の手の平をあてている。 ハッとしたように、下から順に震えるように伸ばすとピンっと立ち上がった。
「あ、ありがとうございました」
「こっちがありがとうだよ!?」
「そ、ちょ、ちょっとおし…あ、トイレに」
「はーい、どうぞ」
うん、みのりさん的にも傷つかなくてよかったです、ちょっと(満たせられて)羨ましい。〝あぶない水着〟についてもわかったから満足! またいずれ着るかな?