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はじまり!

 まだまだ早朝、もぞもぞと触れる感触に目が覚めるとマルシカクちゃんがうつぶせの私から自分の足を抜いているところだったので血の気が引いていった。昨晩くっ付いて一緒に寝たから・・

「マルシカクちゃん大丈夫!」

 謝りながら体を浮かせるとマルシカクちゃんはにっこりと「だいじょーぶ、おはよぉ♪」と挨拶してきた。朝から元気を貰えて頑張れる!

「あぁ…寝相悪くてごめんね…重かったよね…」

「ううん、へいきだよ!」

 押し潰しちゃって危険な状態のはずだけどマルシカクちゃんに無理していた様子も無く不思議に思う、力とかは影響無いはずだけど・・もしかして何か対応してくれているのかな? まぁ、本当によかった、お世話になっています!


・・・。

 畑に行く前の|マルシカクちゃんのパパ《山崩れさん》に『おおかみの牙』を手に入れたことを伝え渡すと笑われてマルシカクちゃんを託されました。報酬にお野菜たっぷり貰ったのでみんなで食べようと思う、キョーさんに教わってもいいかな?


 再びはじまりの村を訪れ広い村をゆっくり見て回っている時だった

「「ぼくらに(わたしたちに)祝福を」」

 数人の村人が集まっており、その中心には木で出来た正方形の低い舞台があり2人の若い男女が座り祈っている、何かに向かっているのかと思ったら服は身に付けていない太った女性の石像が置かれていた。

「あれは大聖女様の像です」

 みのりさんは知っているようで私たちに教えてくれた。

 大聖女様・・・舞台の前でずっと片膝着いて祈っている男は神官様ってところか? あ、カナカナの町に教主様っていたから関係者かもしれない

「何やってるのか分かります?」

「はうぃ! あれは子を授かる儀式です、この本に書いてありましたから」

 前にみのりさんに買った本の中に載っているようでそのページを探して開いてくれるがギッシリ書いてある細かい文字に今探すのは諦めた。 この世界では子供は神から与えられるのか、驚いた。

 舞台の上の2人が立ち上がり手を繋ぎながらガックリした様子で降りてくる、失敗なのかな?

「〝真に愛し合う二人の前に子を宿す〟儀式、ユウナ様は知っていると思いますけどね…」

 いえ、知らなかったです、これは常識ですか


「はぁ…またかぁ…ずっと見てねぇなぁ・・」

「そうねぇ…ナウさんのところが最後かしらね…」

 周囲の人たちもガッカリしていてあまり子を授かる場面は無いことがうかがえた。 そういえばこっちに来てから子供の姿はまだ1回しか見ていない、ゲームでは赤ん坊もボール遊びしている子供も村人もそれなりにあったのに

「おう、あんたらもお祈りするのかい?」

 おじさんは私とマルシカクちゃんを見てグリードに言った。私とグリードが夫婦でマルシカクちゃんが子供だと思ったようだ

「おねえちゃん、やりたい!」

 マルシカクちゃんはすごく乗り気だった、きょうだいが欲しいのかとおじさんは微笑ましそうに見てる

「んー、でも子供がいると旅は難しいし何年かは足止めされちゃうよ?」

「あっはっは、子を授かれる前提とは強気だね!」

 近くにいた剛毅そうな若い女性が会話に入ってくる。1人目を授かれても全く変わらぬ愛が存在し続けるのは難しく2人目を持つ親は殆ど存在しない。

 そんな中でみのりさんが前に出て恥ずかしそうに進言する

「あの…そのまま教会に預けることも可能とお聞きしていましゅが…」

「あぁ、それでいいというならばあの御方にそのまま引き取って頂くことも出来るが」

 色んな事情により子を授かる者や愛を確かめたいと祈る者もいるのでおじさんの言うような事も可能で非難されるような事ではないのだ。

「はぁ!おかしいねぇ!もし、あんたらの子を授かるようならわたしが責任もって引き取ってあげてもいいよ」

 さっきの女性が私たちがいいと言うならと提案してくれて、どこかに、という話よりよっぽどとそれで進めていくことにした

「マルシカクちゃん♪」「おねえちゃん♪」

 行ってくるねとみのりさんたちに言うと周囲の人は驚いたように声をあげていたのである

 神官の人に声をかけるとかなり渋い顔をされる、時間の無駄で遊びの場じゃないんだって顔だ。それでも、慈愛の精神で説明してくれて2人手を繋いで舞台に立った。周りのどよめきがすごい、野次馬と誰かを呼ぶ声も聞こえて居心地が悪い。

 マルシカクちゃんと目を合わせて微笑み合うと先ほどの男女のように座り前で手を合わせて目を閉じた。 その刹那、トクリと心臓の鼓動が二重に聞こえ合わさる感覚が起こり何だと思う。スゥっと息を吸う感覚、身を任せるように言葉が出てきた

「「マルシカクちゃんに(おねえちゃんに)祝福を」」

 説明通りに私たちと言うはずがお互いに相手の名前を口走っていた

・・バサバサ

 どこからともなく大きな羽音が聞こえてきて目を開けると大聖女様の石像の前に大きな籠を持ったカラスくらいの茶色の鳥がいて、目が合うと籠を置いてどこかへ羽ばたいていってしまった。

 ・・・静寂、観衆は静まりかえっていたが数秒後ワァー!っと沸いていた

 ハッとしたように神官様は舞台に上がり大聖女様の前で祈りを捧げてから、その重そうな籠をゆっくり持ち上げると私たちの前に来た

「汝等に祝福があらんことを」

 籠には顔を避けて布が巻かれた赤ちゃんが2人入っていた、双子ってことか?

「えへへ、おねえちゃん♪あいしてるよ♡」

「マルシカクちゃん、私も愛してるよ♡」

 とりあえず受け取って2人で持ちながら舞台を下がるとさっきの女性が待っていて笑っていた

「お、おめでとうございます!」

「あっはっは!まさかあんたら2人が本物のフウフだったなんて」

「はぁ…双子なんて初めて見た、これ以上ないくらいの愛なんだな・・・」

 おじさんは信じられないようだ、女性同士で年の差愛(片や子供)だもんね、多分子供愛とか含むと子を授かれないのかな、そんな厳かな雰囲気があの時にはあった。

「2人になっちゃいましたけど…」

「ああ、いいよ! 約束通り引き取り責任もって育てるよ」

 よかった、とりあえず準備があるから女性の家に連れていってもらう。

 ・・おっぱいとか必要なのかな?出るの? あんまり子育て知識が無くて不安だ。

・・・。

 女性の名前は目は目(メハメ)さん(()じゃないから注意)、夫も子供もいてその子供がなんとマァマ(幼なじみさん)だった。

 子育てに必要な物やお金は出来る限り用意するつもりだったけれど全て断られてしまう

「引き取るからには責任は持たせてよ! どうしても困った時にこそ掛けさせてもらうよ。 そんなこと無いようにするけどね」

「ありがとうございます! 時々に遊びに来てもいいでしょうか?」

「もちろんさ!」

 良い人に出会えてよかったと思う。

 マルシカクちゃんとの愛も本物だと確認出来たしね♡

・・要らなかったとはいえ…出るかな…マルシカクちゃんにして・・・、逆にマルシカクちゃんのを・・。ピリリッと身体にすごくつっぱった感覚が奔る、違っても・・いいよね?

 不純な思いからの心臓のバクバクを誤魔化すようにマルシカクちゃんを引き寄せていたのであった。


・・・。

 数日間は食材集め等でのんびりと過ごした後

「今日は北の試練の洞窟を目指すよ」

「はーい!」「分かりました!」

 グリードはホント町の家で掃除をお願いしていて初めてのクエストありのお留守番である

「モンスターは弱いけど遠いぃねぇ」

「はぃ…村長様も3日くらいだと言っていましたからね」

 試練を受ける前から試練だよ、でも歩くの嫌いじゃない程度だったのが楽しく感じているから全然苦じゃないんだよね! ・・・相変わらずのお外でトイレが恥ずかしいのが問題くらい…

「ん?あれは?」

「おばあちゃん・・モンスター?」

「…そ、そうですね…」

 道に堂々と座布団に座ってお茶を啜っている優しい糸目の『The 田舎のおばあちゃん』が佇んでいた。

 見た目が人なのにみのりさんでもモンスターと判断してしまう程の異様な光景に間違っていないことを確信していた

「どうしようか?」

「よろしければ仲間に・・」

「うん、分かった。名前はよろしくね、意味ある名前を与えてあげて」

 みのりさんならそう言うと思ってたよ、まっすぐ村とか似合いそうだね。


『▶『仲間にする』『戦う』『逃がす』』

 近づいただけで選択肢が現れたのですぐに仲間にする

「わたくしがあなた様に御名前を・・贈りたいとおもいまし…す」

 おばあちゃんはみのりさんを見上げてゆっっくりと頷きプルプルと顔を上げて待つ

「・・・・・・・・・・お、御名前は・・」

 決まらないようでものすごく慌てている、気にしないでゆっくりでいいよ、どうせ先はまだ長いからね!

 時間が余ると自然とマルシカクちゃんに足が向く

「おねえちゃん、さわっていい?」

「うん♪」

 マルシカクちゃんが先に思ったようだ。

 私の背中側に回り長いスカートの上から頬ずりしている、最近無いなぁっと寂しく思っていたのだけど先日、みのりさんが来た時からずっと自重してたことが判明して気にしないでいいよ(むしろ推奨)と解禁になった、ホントに偉いね。

「お、お待たせ…しました…」

 そのまま付けてからでもいいのに、律儀だね

「あなた様には・・イントリッヒ様でどうでしょう・・か…?」

 イントリッヒ?何だろう、悪くはないけど意味がわからない。グリードの時といい思考はみのりさんだけど考え方はシステムに少し入っているよね。

 それはそれとしておばあちゃんが仲間になったようで手を着いて丁寧にお辞儀をしている。

「よろしくね、イントリッヒおばあちゃん」

 元の感覚から考えてしまうとちょっと長い…。因みに優しそうな雰囲気から文字って付けたそうです、まる(私には意味わからないけど)。

・・・。

 おばあちゃんは座布団ごと動くようで面白い、地面に付いているかのように見えて実はミリ単位で浮いている。


イントリッヒLV.29:おだやかおばあちゃん 年齢不詳

HP:9999() MP:0 ATK:0  DEF:0 MAT:0 MGR:0 CT:9999()


 おばあちゃんは殆ど能力0、全く戦わないらしくマスコット的なので連れて歩くには向いていなかった。家で家事をしてもらおう。

 そうしてらんらん♪と3日間歩いた昼前に試練の洞窟と書かれた看板のある洞窟に辿り着いたのだった。

・・・。

「結構雰囲気あるね…」

 さかさま洞窟はそれなりにあかるく岩壁だった、それに対しここは土壁で高い場所に火が灯っているが下まで届かないくらいでかなり薄暗い、ちょっと怖いかも…

「おねえちゃん…」

 マルシカクちゃんが隣でギュッと裾を握った、震えているようで私と同じで苦手なのかもしれない。

「マルシカクちゃん、抱っこさせて! ちょっと怖いの…くっ付いてたい」

「うん!ありがとー!」

「ふふふ♪」

 みのりさんは頬を染めていて通常通りなので別に問題無いんだね、さすが聖女様!

「ひゃ!? いたい…うぅ…」

 一歩動いて転んでいた、余所見しているから…さすが聖女様…


 実はこの洞窟はゲームで幅3マス分の道なんだけど、場所場所(マスマス)でモンスターとの遭遇率が違うの、画で両端の暗い所()明るい所()がぐねぐねと曲がっていなかったから変だなと思って何度も(死にながら)行き来してて気付いたんだ、道を塞ぐ強制戦闘モンスターだけ戦うことで奥にある祭壇まで行くことが出来るんだ、かなり苦労したけど楽しかった。 ・・・今は必要無いけど何となくこの辺で移動かな?とか考えちゃうね。 戦闘ウィンドウが開いた。

「みのりさん先制をお願いします」

「はい、頑張りましゅ!」

 任されて嬉しいのかすごく張り切っている、けど雑魚だからね、森の所まで行けるくらいのレベルだから。

 戦闘があると恐怖も和らぐ…て言うかマルシカクちゃんとで気持ちが楽、ちょっと重いけど幸せでそれも乗り越えられる!

「倒せました」

・・・。

 みのりさんを先頭に宝箱ルートを外しながら1回就寝を挟みやっと辿り着く。

「帰りも1泊はヤダなぁ…」

「うん…」

「でもね材料は揃ったから2人用のも作れるからね!」

「やったぁ!」

 おやすみセット(大)があればお外で(・・・)2人で寝れるから幸せだろうなぁ



「勇者によりいま魔王はそのうち闇に堕とされようとしている・・かも?

 みのりよ今こそ歌う時かな?」


・・・え??

 祭壇に立つと優しい女性の声が聞こえてきた、どこか似ているセリフを見た記憶があるけど微妙に違う。2人にも聞こえているようで感心していたら最後でみのりさんは狼狽える。

「わ、わたくし?う、歌うのでしゅか?」

「歌って!」「みのりさんお願いします」

「え?えぇ…?な、何を…」

「うーん、あ、ラララって叫んでみて」

「はい?わ、分かりました…。ラララ!

 あ、あれ?頭に曲が浮かんできました!う、歌います!」

 ラララは戦闘で何も起きなかったけど日常で試すの忘れてた、多分特技に入るんだ。

 みのりさんは美しい声で「ラ~♪ラ~♪」と歌い出す、上手い!

 しかし、始めて5秒くらいで止めてしまう、まだ何も起きていない

「どうしたの?」

「き、緊張で足が震えて…しまって…」

 あぁ…あれはしょうがない、勝手にくるやつだ

「だいじょーぶ?」

「は、はうぃ…」

「すごく綺麗だったよ」「うん!」

「あ、ありがとうございましゅ!」

 無理することは無いとやめようと言って祭壇を下りようとしたら再び声がした


「ま、待って、待って!? ごめんなさい! 行かないで!」

 神聖さも何もない声、何もされずに帰られるのは予想外だったらしい。 祭壇の声も他の人と同じで、一キャラとして性格が入ってこちらに現れたのかもしれない。

 私たちは立ち止まり振り返ると私(元)がいた。

「おねえちゃん?」「ゆ、ユウナ様?」

 髪色もちょいと姿も違うけどはっきり認識された

「何で私なのですか?」

「あ、ごめんなさい! でも、無いの!姿・・無いの!」

 ちょっとメタい、村人だって商人だって無いのに人として居たのに何で声の人は無いの

「あの人はおねえちゃんなの?」

「・・、私の元々の姿だけど人は違うかな?」

「そっか、はじめまして!マルシカクです」

 わかってくれた!?

「はじめましてだよ! 神の声です」

「神様…なのでしょうか?」

「ううん!神の声です」

 みのりさんはよくわかっていないようなので()が人になったようなものと言っておく

「はぁ…私にも役割があってね… 嫌なのに歌わしてごめんなさい!」

「い、嫌とかではなかったのですが…。ゆ、ユウナ様に謝られるこちょでは…」

 神の声さんは思いやりのある人だった、良い人ばかりだなぁ・・。 あと、私じゃないよ。

「あ、ユウナ! この姿いる?戻る?」

 戻れるんだね!? 軽いよ!?

「不老不死とか魔法とかはどうなりますか?」

 能力値は別に構わないけどマルシカクちゃんといられる時間が減っちゃうのは…

この姿(・・・)を形成するだけだから大丈夫♪」

 はぁ・・・素晴らしいけどゲーム感が全てでなんか嫌…

「マルシカクちゃんどっちがいい?」

「おねえちゃんはどっちでもおねえちゃんだよ!」

 一応確認してみたけど嬉しい答え! みのりさんは付いてきてないからいつもみたいに細かい考え自体を流すと思う

「そうだね、じゃあこのままで」

「はーい!じゃあ、ぱぱっとやっちゃうから!

 うん!また遊びに来てね! 戻りたくなったら来てね! あ、歌は今度きかせてね! バイバイ!」

 ノリの嵐のような人だった。ぱぱっとって何をしたんだろう?

 祭壇は姿を入れ替える場ってことか、ホントにゲームと現実が入り混じってて分かりにくいなぁ。

 ・・・ここにはもう来ないかな


 行きの時より軽い気持ちで洞窟を出る。2人には正確な私の事話した方がいいかな? うん!気にして無いから聞かれたらでいいね。

「あー、気持ち良いね!」

「うん!」「はい!」

 村までがまたかかるけど洞窟(あな)で過ごすわけでない。キャンプとか外で寝泊まりしたことなんてなかったけどこっちに来てから一度もヤなんて思ったの無かったなぁ、合っているのかな?

「マルシカクちゃんたちがいるからかな?」

「「???うん(・・・はい)」」

 何か分からないだろうけど返事してくれて笑い合ってた。


 洞窟と村との真ん中くらいの道

「こんな道あったっけ?」

「ううん、なかったよ?」「分かりません」

 行きに見なかった分かれ道を発見して続く先を見てみると草原から林に入っていくのが見える限界の先にあった。

 みんなで顔を合わせると行きたいと言っている、しかし先に村に戻っておばあちゃんをとも思う。だが今更かと結論になり行ってみることに

「モンスターの強さが分からない場所だから気を付けて行こう!」

 期待を胸に歩き出したところでぽつりぽつりと雨が降ってくる、空を見上げると晴れている、天気雨だ

「こりぇ!使って下さい!」

 雨対策なんてポッカリと抜けていたけど旅をしていた、みのりさんは用意があるようで先がイカの先みたいになっている形の緑の皮の布を一人一枚を渡して、おばあちゃんには頭に乗っけて下さいと命令していた

 使い方が分からないと2人を見ると当たり前のように両手で先の飛び出た2ヵ所を持ったままバサッと頭に被るのでそれに倣う。

 ・・・手持ちなんだ、不便だ…合羽でも作れないのかな・・・ん?装備出来るかな?

 ちょっと気になり『装備』の『頭』の部分に〝雨よけ布〟が入っていたので装備してみる

「おねえちゃん!浮いてる(とんでる)よ!」

 私の頭上でひらひらと雨よけ布が浮いている、明らかに防げていないのに雨は当たらない、見かけは奇妙だけど有用だ。欠点はセット装備が着られないこと、強いの来たらすぐ外そう。

「『装備』してみたの、みんなにもするね」

 3人にも『装備』で付けてみると頭上でヒラヒラしている、変な光景である。

「わーい!ありがとー」「手で持たないでいいのですね!」

 喜んでくれました。

・・・。

 林道までは同じ敵で入ってからはじめにやってきたモンスターはLV.5〝グランドなめくじ〟と表れて消えた、大きななめくじ。この辺りの1つ上の強さってところ、初見である。

「サンダー!」

 マルシカクちゃんの初級の攻撃で一撃である

『モンスターをやっつけた。『なめらかな毛』×8、『ヌメヌメした皮』×4を手に入れた。7G手に入れた。』

 モンスターも初見であればドロップアイテムも初見であった! 何これ!? やっぱりこの場所が特殊っぽい。

 その後も木々の間を進むと一辺30分くらいで歩ける〝◇〟のような道になっていてグランドなめくじしか出てこなかった。

・・・。

 はじまりの村に帰ってきて子供たちに会いに行く

「この子らは夜も泣かねぇ、ご飯も吐かない、トイレは…まぁ、赤ん坊だ! とにかく、あまり手がかからないよ」

 目が目さん夫婦は驚いたくらいに御世話が楽なようだ。 私たちに心配するなと言いたいだけかもしれないけど少なくとも本当の事に見えた。 さすが我が子!!という思いは無いけどよかったのである。

「そういえば名前はどうなりましたか?」

 私たちにと言われたが育てるのが目が目さんたちならと託したのだ

「マァマの時も何百日も悩んで一回目の光、次の年で名付けたが・・・今回は不思議なくらいすんなりと決まったんだ、きっと恥じない名前だよ」

 え!? 光って何か分からないけど幼なじみさんは生後1年間は名前なかったの!?

「まず男の子の方は「ユウマ」だ」

「ユウマね、ユウマくん?」

 まともだ、マルシカクちゃんがチョイチョイ触っているけどジッと見ていて反応がない。話に依るとご飯だけに反応するよう、太らないようにね。

「そして女の子の方は「ナシカ」だね」

 こっちもまともなんて奇跡!?・・必然?

 今もすやすや眠ってて、睡眠時間が長く起きてる時間は食事の時だけで排泄も寝ている内、替えてもキレイにしても構わないとばかりに寝ているそう。 それは大丈夫なのか…、これからなのか?

「良い名前ですね」

「ありがとう、そう言ってもらうと安心よ」

 御礼を言ってお暇する。

 ユウマくん、ナシカちゃん、ユウマ、ナシカ・・。ユウナ、マルシカク・・あ、ランダムに影響したのかも!?


 夕方、そんな家に帰る途中にみのりさんの胸辺りが弱く発光したのだった!

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