表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/42

ゆうやのプレイ3

 今日も今日とて短い時間でゲームをする。

「この町はイベントが結構あったよな、かなり制覇出来てる気が・・・しないな」

 カナカナの町では町民の会話からやお城の偉い人たちからの会話から派生するクエストが沢山あって何度も外に出ては戻ってでG(おかね)があまりにも少なくなってしまった。

 ゆうやが1番印象に残ったイベントはお城で玉座に座る王様の後ろに置いてある宝箱を開くと捕まってしまい何故かモンスターも出る地下牢から脱出する罠イベントだった。

 牢屋に放り込まれてしまうのだけど見知らぬ『ぬすっと少女』が彼女の脱出ついでだと鍵を開けてくれて立ち去る、これは後の仲間フラグなのかと期待してたり。 牢屋から戻ると盗んだ罪が無かった事になっている、そして開いたまま宝箱を敢えてもう一度調べてみると不定期商店の謎のメモが見つかった、はやく確かめたい。


 町の金持ちが言っていた南の海岸沿いにあるほら穴が次の目的地だけど・・・

「これ以上、あたいらの邪魔はさせないんだな! ・・・と言っている気がする」

 問答無用で前触れなく突っ込まれ始まった戦闘、黒い二足歩行立ちの犬、凶暴そうだった。

「いきなりかよ!」

 セーブしとけばよかった・・・

 犬はSPDがかなり高いが魔法が効くのでMGRが低めなんだろう、僧侶の装備を重視して買っておいたのが甲を成したようだ。犬のHPが2/3くらいになった

「やるじゃないか! あたいはな!

 ケイレルナインシュライン・ムート・ナアテンハイマー・ケシーだ! ・・・と言っている気がする」

 長いよ!? 「言っている気がする」って読み取り無理があるな!?

 相手のHPバーの上に長い名前が3段で表記された

・・・更に1/3を削る

「(これ邪魔!!)」

 犬の手が名前の方向に伸びるアクションがあると名前がパラパラと消えていき「ケシー」が残った

「スッキリしたよね? じゃあやるか! ・・・と言っている気がする」

 最初からケシーでよかったじゃん!?

 ATKが上昇したのか自分のHPの減りが多くなるが魔法攻撃は無く全体攻撃も無い、たまに気絶攻撃されるだけなので防具中心に準備していたら結構簡単に勝てる相手だった。


「これでも・・あたい・・四天王・・だった

 魔王・・・様・・ごめんな・・さい・・ワン。 ・・・と言っている気がする」

「最後おかしいだろ!?」

 はぁはぁ…ツッコミ所満載だった気がする。防具後回しにしてたらかなり厳しかったな…

「ハハハ、この場面見ていたなぁ

 優那はわんちゃんの名前って何度も暗記してたよ」

「は? あー…名前すら忘れた…」

 今戦った略の名前も忘れてしまったけどどうでもよかった

・・・プツッ

 セーブしようと思ったら画面が真っ暗に

「どうしたんだい?」「!? ・・これ!?」

 父さんが不思議そうにしているけど俺には覚えがあった!

 まさかと思いながらもかなり期待してしまう。 すると画面がすぐ点いて映っていたのは予想通りの人物であった!

「姉ちゃっ! え!?」

 もう姉ちゃんでいいと思いながら呼ぼうとしたのだけど顔を逸らしてしまった。姉ちゃんとこの前の子供・・姉ちゃんのお嫁さんの…なんとかちゃんがいて質素な木の湯船に深く沈んで顔だけ出していた

[こんにちは!]

[お父さん! ゆうや、あはは…ごめんね…入浴中でした… 

お父さんもご無沙汰しています、こちら私のお嫁さんのマルシカクちゃんです]

 子供が紹介されて立ち上がりそうになったのを優那が止める。

 そうだ、マルシカクだ… 父さんも苦笑いで困っているけど向こうが湯に深く沈んで話そうとしているから画面を見ていた・・・俺はちょっと恥ずかしくて無理、…やっぱこれ、突発的に起きているんだな…

 父さんは突然の事にも冷静で元気か聞いて、優那がマルシカクとの事を詳しく始めるのを静かに聞いていた、それでも少しすると

[あ、もう切れちゃう!

 お父さんごめんなさい! 私は今ね、とっっても幸せだよ♪ これからもこっちで暮・・・]

「うん、優那が幸せでいるならよかったよ」

 途中で切れちゃったけど父さんはきちんと返事を返した。そして、俺を無言で見た、わかる…なんも喋らなかったからだろう、短いから仕方ない…次回もあればいいけどな…


「本当に今が楽しそうだったでしょ?」

「そうだね、ゆうやは寂しくないかい?」

 問いかけた瞳には心配を含んでいるようだった。

 いつもなら絶対認めない場面(ところ)だけど・・・

「・・・まぁ・ね。

 だけど・・・今はもう・・お父さん(・・・・)と同じだよ」

 不意を突かれたかのように優しい瞳をパチクリと開くといつもの優しい微笑みとは違うイタズラっぽい表情でクスリと笑う。 それからはこの(・・)話題は出さずに日常に戻るのだった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ