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どんな時に人をからかってやろうと思う?

2日間の病欠明け。昨日は家で仕事をしたが、やっぱり溜まっていた。何が?って仕事だ。今朝は青い目に会っていない。奴(既に奴扱い)が起きる前に出てきてしまったのだ。コーヒーも入れていない。出勤前にスタバで買ったコーヒーと日本人には特大のサンドイッチをオフィスで食べながら7時から仕事をしている女を誰もかわいいと思わないだろう。PCを見つめる目が行っちゃっているんじゃないだろうか?何時も一番乗りの上司が おや?と物問いげに横を通り過ぎた。

「おはようございます!」

「風邪、だいじょうぶかぁ?」

「はい。」

「でも昨日、バリバリ メールが飛んでたな。」

「すみません。出勤しようと思えばできたんですけど・・・・やっぱり皆に伝染してしまいそうで。」

007に伝染してやればよかった・・全く。イギリスに行くべきか迷い始めている。イギリス行きもからかわれているんじゃないだろうか?そんな疑問が沸いてきた。そうだ。からかってるんだ。午前中、会議に集中しすぎて頭痛がしてきた。昼ごはんを後輩と食べているときにちょっと聞いてみた。

「ねえ・・・・・ねえ・・・・・どんな時に人をからかってやろうと思う?」

「なんすか?いきなり?」

「だからさ、からかってやろう ってどんな時に思う?」

「どんな時っていうか・・・・相手の反応が面白い時とか、楽しい時ですかねぇ。俺と女房はお互いによくやりますよ。相手の驚いた顔とか面白いから。」

「驚きすぎて、怒っちゃうことはないの?」

「まあ、たまにありますけど、悪気はないんですけどね。お互い。でも、やっちゃいけない相手にからかいを仕掛けるのはまずいですよね。」

「例えば?」

「(笑)上司とか。」

「まあね~」

「どうしたんです?誰かにからかわれたんですか?で怒っちゃったとか?」

「からかわれて、怒っちゃいけないと思ったんだけど・・・・」

「からかっていい相手だと思って、やったんじゃないんですか?」

「そうか。」

「親しくない人にはやらないっすよ。それに。」

「まあね~」 そんなに親しいか?イギリス人?キスもからかいの一部か?イギリス行きもか?そんなに私の反応が面白いのか?また頭痛がひどくなってきた。食後にアスピリンを飲んで、違う会議に挑んだ。イライラしているのが自分でもわかったが、なんとかまとめて乗り切った。そんなこんなで一日が過ぎていき、ただいまの時刻は21時半。フロアに残っているのはいつもの残業組だけだ。さすがに疲れた。帰ろうと思った矢先に携帯電話が鳴った。

「多緒?」イギリス人だ。

「はい?まだ仕事中なんですけど?」自分でも冷たい声だと思う。

「まだ、帰らないか?」

「もう、帰ります。」帰るコールをしろっていうこと?

「夕飯、一緒に食うか?」

「・・・・・・・・・」

「多緒?」

「あなた、私のことからかってる?」

「え?何?」

「私のこと、カラカッテいるでしょ?」

「何を突然、言い出すんだ?」

「昨日のこと全部!イギリスも何もかも!」もう、頭痛と疲労でプッツン状態だ、私。なんてどこかで冷静に見ている私もいた。

「からかってなんか、いない。」眉間に皺が寄っているのが見えるようだ。

「夕飯、一緒に食うのか?食わないのか?」

「どうぞ、ご自由に食べてください!」と言って電話を切った。すぐにまた電話がかかってきたが、無視した。いつもの相手に酒を飲もうと言って呼び出した。

「なんか、あったのか?」と聞かれたので、むっつりした顔で

「何もないけど、お酒が飲みたかったから。それに忘年会も兼ねてね。」

「なんだ、そうか。てっきり、会いたくなったとかそんなことかと思ったのに。」

「都合よく呼び出すだけで、ごめんなさい。」

「お互い様でしょう?」

「確かに。」顔を見合わせて笑ってしまった。気が楽だ。体の付き合いがなくなっても、このまま喋り仲間のままかもしれない。23時。彼とは軽く抱擁をして別れた。

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