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I’m fine.

次の1週間は前週の余波でボロボロだった。眠い、ダルい、やっとのことで仕事をしているような感じ。おまけに今週末は忘年会を兼ねた友達飲み会がある。楽しみにしていたが、やはり体が心配だ。

土曜日、有楽町18時集合。女は私を含めて4人。男は5人。皆既婚者だ。私はこメンバー全員の結婚式に出ている。このメンバーの中で夫婦になっているのが2組いるから大学の時の出会いから結婚というのは王道なのだろう。近況報告と思い出話で一次会が盛り上がり、2次会への全員が繰り出した。メンバーの1人が聞いてきた

「どうよ、この頃?」

「どう?って何が?仕事はめちゃめちゃ忙しいけど、一人暮らしを始めたし、充実してるよ。」

「違うって。男関係ですよ。聞いているのは!」他の話に夢中になっていた他全員が私のほうを一斉に見た。

「どうって言われても・・・」

「まさか、枯れちゃったの?」と男性メンバーの1人がからかい加減に聞く。それに眉をひそめる奥方。苦笑いして

「枯れちゃいないけど、結婚までする気分にならないってこと。」

「結婚する気なの?」

「わかんないよ。結婚は勢いだ、とか、そのときの状況でなんか結婚に流れ着いたとか、そんなことを言っていた人、いなかったけ?」と逆に私が全員を見渡す。

「まあ、そうだけどさぁ。多諸が結婚しないのはなんとなく、わかるけど、結婚するとまた面白いこともあるから・・いいんじゃないかなあと思ってね。苦労と未知の楽しさの遭遇だよ。」

「だよね~面白いとは思うけど・・・・」

「独身、紹介しようか?」と男性メンバーの1人。

「売れ残り?」

「違うよ!バリバリかっこいいぞ。」

「男の人のカッコいいはあてにならないから、多諸、気をつけたほうがいいよ。」と女性メンバーの1人が茶々をいれる。

「女の言うかわいい友達も当てにならないよなぁ?」と一斉に頷く男性メンバー。こんなに仲がよくても、さすがに青い目のイギリス人のことは話せないだろう。とうとう、寂しくておかしな妄想をみるようになったと思われるのが関の山だ。

「ま、ぼちぼちやって行きますよ。結婚することになったら、皆からがっぽりお祝いもらうから、よろしくね♪」と言っておいた。三次会に行くと言う皆と別れて終電で帰ってきた。さすがにまだ疲れが残っている。プライベートのPCを立ち上げてメールを起動した。今週は一回もメールをチェックしていない。またジャンクメールの山。それを仕訳していく。今度はミスらないようにしないと・・・・あった。1通。3日前の日付だ。


件名: Strange but cozy place

本文: Tao, are you OK? I worry you come down with an illness. Don’t work weekend and take a rest. Sleep. I’ll be our house on Tuesday. Bye DC

『週末は仕事するな』って言ってもね・・・もうしているし。『寝ろ』ってガンガン寝ているし・・・・病気にはならないよ。でも、フラフラだけど。まあ大丈夫。とりあえず返信した。


件名: I’m fine.

本文: I’m fine. Thanks. Tao

電報メールだなあぁ。返信しなくてもいいくらい。まあいいか。送信ボタンを押して、台所に行った。もちろんビールを取ってくるためだ。当然でしょ?皆は三次会に言っているんだから、お一人様三次会をやってもいいっしょ?PCを落とそうと思って書斎に戻ったら、未読メールが一通入っていた。イギリス人からだった。


件名: Really?

本文: You say “I’m fine” but it’s doubtful comment. Are you really fine? DC

人の心配しないで、自分の心配をしなさい。あなた、仕事中でしょ?即座に返信した。


件名: YES. I’m fine.

本文: I’m fine. There is no reason to tell a lie. YES I’M FINE. Tao

PCを落とした。ビールを飲んだら寝よう。リビングのテレビをつけたら、ショーン・コネリーの007をやっていた。「ロシアより愛を込めて」だ。ショーン・コネリーは今のほうが好きだな・・・・やっぱり、007よりも「薔薇の名前」以降の彼のほうが好き。「アンタッチャブル」の彼もいいよね・・・・ 青い目のイギリス人の007はどうなるんだろう?まあ、職業俳優の心配をしてもしょうがないので、ビールを半分残して寝室に引き上げた。なんとなく寒い・・・この家、寒いんだよ。


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