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ฅ6ฅ

 そんなわけでトラと一緒に行動をすることになりました。

 トラは私よりいろいろな場所、美味しいものなどを知っていた。

「トラはさ、仲間とかいないの?」

 トラのことを少しでも知りたいと思い質問をする。

「仲間……いないな」

「そ、そうなんだ。なんかごめん……」

 終〜了〜!

 素っ気ない返答で会話がシャットダウン……今後質問しづらい感じになってしまった。

 頭の中でぐるぐる思考回路を巡らせているとトラが口を開いた。

「家族はいた」

「へぇ。家族のみんなは今どこにいるの?」

「分からない。だから探してる」

「分からない? ん……?」

 トラの言っていることが理解出来ずに混乱していると丁寧に教えてくれた。

「俺、ある日家族がいる空間に嫌気がさして抜け出したんだ。……いや家出したと言うのが正解か」

「トラってずっと猫なの……?」

 尖った質問をしていることは重々承知の上での質問だ。

 これでトラが人間から猫になったのかそれともずっと猫のままなのかがわかる。

 もしも、答えることができなかったら“否定”という解釈で間違いないだろう。

「もし猫じゃないって言ったら?」

「質問を質問で返さないの!」

 トラの顔にネコパンチをやさしく喰らわせる。

「……猫だよ」

 絞るように答えたトラに違和感を覚えた私はさらに質問を重ねた。

 悟られないように優しさを付け加えて。

「本当は? 怒ったりしないから本当のことを教えてくれないかな?」

「……人間だった。だけど、いきなり気が付いた時には猫になってしまった」

「うん……」

「それから必死になって人間になる方法を探した。人間がいる場所も探して回った。図書館、ショッピングモール、テーマパーク、いろんな場所を探しても、探しても一人も見つけられなかった」

「そうだったんだ……」

「驚かないんだな」

「トラの気持ちわかるよ。私も元人間だからね」

「は!? お前猫じゃ……今は猫だけど人間だったのかよ!」

「ふふっ、そうなんだよ。最初にトラが元人間か確認してから打ち明けようと思っていたんだ」

「なんか……せこい」

「失礼だな〜。策士と言ってくれたまえ」

「はいはい。さくしさくし〜」

 なんか、馬鹿にされてる気はするが……そこは気にしないようにしておこう。

「でもな、仲間が0ってわけじゃない。もう仲間がいるんだ!」

「え……もう仲間がいるの!?」

「ああ! 付いてこい!」

 自信満々なトラに引き連れられ仲間のところに向かった。

最後まで読んでいただきありがとうございます。

誤字脱字、変な表現などありましたらご指摘お願いいたします。

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