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ฅ11ฅ

 不思議と走っていてもその事に夢中になっていて息が上がらない。

 まだ上がっていないだけかもしれないがそれも時間の問題となってくる。

 猫は人間より速く走ることができるため人間相手なら問題ないのだが相手は狐……問題しかない、というか大問題だ。

 一直線に走ってもダメ、木々の間を縫うようにすり抜け逃げるしかない。

 この木々達はどこまで続いているのか、どこまで行けば狐を撒けるか。

 時折視線を後ろにやり狐との距離を確認する。

 確実に、狐との距離は狭まっている。

 歩幅も違えば体力や地面を踏む力、全てが狐の方が上回っている。

 まだ逃げる……まだまだいける。そう思い必死に走っていると視界が狭まっていることに気がついた。

 徐々に視界の端が黒くなって鮮明に見える範囲が小さくなってきているのだ。

 そのせいもあってか両端の木の存在に顔に生えている髭が触れた瞬間に気づくことが多くなってきた。

 正面衝突は視界が真っ黒にならない限り大丈夫だが、それも時間の問題だ。

 酸素が圧倒的に足りていないし、脳に酸素を送ることができない。

 助けを呼ぼうにも近くにいるかどうかなどわかるはずもない。

 さらに走り続けると両端だけではなく上下も視界が狭まってきてしまった。

 今見えている視界はいつもの4分の1ほど。

 完全に勘で動いて一か八か、すべてを神に任せるしかない。

 同然のことながら体は傷つき足も痛みを増してきている。

 先程まで感じなかった痛みはじわじわと強さを増してきて神経まで蝕むんじゃないだろうか? と思うほどだ。

 そして走ることに夢中になっていた矢先……神は見放したのか木の根に足を取られ盛大に転んでしまった。

 転んでしまった以上逃げるには立ち上がらないといけないが体が言うことを聞かない。

 狐も逃げないことを悟ったのか走ることをやめゆっくりと歩いて近づいてくる。

最後まで読んでいただきありがとうございます。

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