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ฅ1ฅ

 2222年2月22日、世界が変わった。

 人類は衰退し、全ての人間が四足歩行になり、言語は失われた。

 空は橙色、雲は赤くなっている。


「にゃ〜」


 周りを見渡せばそこらじゅうには猫が群れていた。

 服を着ている猫、首輪を付けている猫など様々な猫が居た。

 ……それより重大なことに気がついた。

 いつもより視線が圧倒的に低い。

 地面がやたら近くに感じると思いつつ手を見ていると……やたらと毛が生えてモコモコしているじゃないか!

 そう、まるで猫になったかのように。


 ……え?

 ね、猫になってる!?


 猫になったとなれば視線が低く、手がモコモコになったのにも納得ができる。

 2足立ちは長時間不可能だが走る速さは以前よりも格段に上がった。

 人間の時には車のアクセルを踏んだり、バイクのアクセルをひねったり、自転車のペダルを漕いで速度を出すことが出来ていたがそれとは全く違う。

 肉球から伝わってくる地面の凹凸、温度。

 思い切り蹴り出す力を逃がすことなく受け止めてくれる。

 何より一番違うのが風を直に感じることが出来る点だ。

 走る速度は自分で調節することが出来てかっ飛ばしたいと思ったら思い切り、全力で地面を蹴飛ばせばいい。

 空や家、車など人間の時はたいして何とも思うことがなかったものがすごく大きな存在に感じられた。

 空はどんなに頑張って手を伸ばしたとしても届きそうになく、家はまるで要塞、車に至っては宇宙船のように感じた。

 視線が低くなるだけでこんなにも感じ方が変わってしまう。

 子どもの時は何も考えずに過ごしていたが人間はこんなにも偉大で大きい物体を制作していたことを猫になったことによってより一層感じた。

 人間の時、営業職で運転中に動物が車に轢かれる瞬間を見たことが何度かあった。

 その時は、馬鹿だなぁ、と思っていたが猫になった今わかる。

 まさか、あんなに大きなものが動くとは……。

 想像することすら出来ない。

 いや、想像のしようがない。

 大きいものは動かない、そこに居座っているものだと思い込んでしまう。

 人間の時に見た大きな木は動かないと思い込んでしまう、それに近いものだ。


 とはいえ、今は人間の姿が誰一人として見当たらない。

 今まで活気があった東京・名古屋・大阪などといった都心部でもいつか光は消えすべての建物が廃墟と化すのだろう。

 当然今まで稼働していた電車や飛行機、工場などは一切動いておらず残った電力で街灯が灯っているくらいだ。

 いずれは設備も壊れ街灯も灯らなくなり人間が作った建造物も朽ち廃れ壊れていくのだろう。

 それも想像することすらできない先の話だけど。

また懲りずに新作を投稿し始めてしまいました。

大丈夫、今度は完結まで導くから……たぶん、うん。

毎月22日22時に投稿していきます。

最後まで読んでいただきありがとうございます。

誤字脱字、変な表現などありましたらご指摘お願いいたします。

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