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スターチスを届けて  作者: 田古 みゆう


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75/102

15.3月25日  p.6

「それさ、せつなが知ったら喜ぶと思う。今度、話してもいいか?」

「あ~、うん。それは、話しても大丈夫」

「それは? なんだ? 他に話したらまずい事でもあるのか?」

「……まずいっていうか、内緒にして当日驚かせたいというか……。今日、成瀬を呼んだのは、その相談なの」


 優は、いたずらを企んでいるような楽しそうな表情を見せる。


「なんだよ?」

「前にさ、せつなさんは蒼井ちゃんにあげたい花が本当はあるんだって、成瀬言ってたじゃない? でもお店では買えないから、造花を作ってるんだって」

「ん? ああ、そう言えばそうだったな」


 浩志は片眉を上げ少し前の記憶を辿ると、肯いた。


「その花、何か知っている?」

「ああ。せつなと蒼井が一緒に種まきした花だろ」

「それって、あそこの花壇の?」

「そう。でも、まだ咲かないしなぁ〜」

「だいぶ緑は広がったけどね」

「今日の式には間に合わなかったなぁ。四月一日にも間に合うかどうか」


 二人は同時にため息を吐いた。


「まぁ、もともと、咲くかどうかも分からないからなぁ。ずっと手入れされて無かったって言うし」

「そうなんだ。じゃあ、やっぱりお節介かもだけど、やっちゃおうかな」


 独りごちた優に、浩志は不思議そうに視線を投げる。その視線に気がついた優は、慌てて思いを口にした。


「あのね。せつなさんが蒼井ちゃんに渡したいお花、私たちからプレゼントしない?」


 浩志は驚きのあまり、思わず大きな声を出す。


「え? どうやってだよ?」


 浩志の問いかけに、優は不思議そうに小首を傾げた。


「どうやってって、お花屋さんで買うんだけど?」


 さも当たり前と言うようにさらりと答える優に、浩志は困惑の表情を見せた。


「いや。だって、せつなは花屋で買えないから、折り紙で花を作ってるんだろ?」

「それは、せつなさんが」


 優は周りにチラリと視線を向けてから、口に手を当てて声をひそめた。


「ココロノカケラだからでしょ? 学校から動けないから」

「あっ! そうか」


 優の説明になるほどと閃いたように、浩志は目を丸くしていた。


「たぶん、そうだと思うの。せつなさんには買えなくても、私たちなら買えるんじゃないかって。それで、お花屋さんに行こうと思ったんだけど、よく考えたら、私、せつなさんが欲しいと思ってるお花のこと、知らなかったのよ」

「なるほど。で、俺なら知ってるかもってことか」

「そう! 知ってる?」

「ああ、聞いたことある。ええっと、なんだったかなあ……スター……スター」

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