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エピローグ

 一週間後に目を覚ました僕は、ウリエルサーバーの〈ゲイル国〉中央広場に足を運んだ。


 そこには獣騎士が消滅した後に、辺り一面に真っ白な花が咲いたらしく、プレイヤー達からは『白の奇跡』という伝説で広まっているらしい。


 全てのサーバー内で唯一、絶望の獣騎士〈デゼスプワール〉を討伐する事に成功したこの地は、一種の観光名所となり沢山のプレイヤー達が訪れるようになった。


 フードを目深まで被ると、しばらく一人で白い花を眺めた後に、誰にも聞こえないように小さな声で思いを言葉にした。


「……僕は、一体何者なんだろうね」


 その答えを〈デゼスプワール〉は知っていたのだろうか。


 だがユニークボスは、一度倒されると連動して全サーバーから消滅する。


 他のサーバーで彼を探しても、その姿は二度と〈ソウルワールド〉に現れる事は無いのだ。


 それを悲しく思うと、僕は顔を歪めて両目をギュッと強く閉じる。


 すると急に強い風が吹き、白い花びらが宙に舞って優しく頬を撫でた。


 少しだけビックリして、とっさに両手で(すく)うように受け止めると、花びらは手のひらの上で綺麗にぴったり停止する。


 じっと見つめていたら、その花びらは優しくキラキラと光り輝いた。


 何だか悲しまないでと、花びらが言っているような気がした。


 こんな事をアザリスとリュウに話したら、きっと笑われてしまうだろう。


 だけど、少しだけ元気を分けてもらった自分は、ゆっくり前を向いた。


「……うん、そうだよね。こんな所で立ち止まっていても、答えは見つからない。僕は先に進むよ」


 別れを告げて、中央広場の転移結晶に向き直る。


 そこには黙って見守ってくれていた、アザリスとリュウがいた。


 絶望を打ち倒した事で、新たなマップに進むための扉は開かれた。


 まだ分からない事だらけだが、先に進めば全ての謎は解き明かされると思う。


 僕は花びらを放し、二人に歩み寄るといつもの様に声をかけた。


「待たせてごめん。行こう、──次の冒険に!」



おわり


ここまでお付き合いいただきありがとうございます。

中途半端に放置していた作品でしたが、一巻分は書きあげて打ち切りエンドという形を取らせていただきました。

日々勉強している中で、沢山反省点があるソウルワールドですが、機会がありましたら次はもっと上手く書いてあげたいと思います。

それでは、此処までお目を通して頂きありがとうございました。

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