表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

1/13

第1話 覚醒

頑張ってなるべく毎日投稿していきたいと思います!

――意識が、朦朧とする


今にも暗転しそうな思考を、なんとか気力で維持する。


(なんでこんなことなってんだっけ...?あぁ、さっきのアイツら、盗賊が俺を狙ってきたんだ...)


たしか、俺の金貨が目当てだったハズだ。夜遅くなのに、親切に馬車を出してくれたおっさんの首を切りつけてそう言ってたから間違いない。


(それで、情けなくビビり散らかして、山道で足元滑らしてこのザマ、か。)


死の間際に思い返した自分の姿は、親父や弟が見たら、いっそ殺したいと思うぐらい滑稽だっだろう。


―――おい!あの野郎どこ行った!?


ふいに聞こえてきた盗賊の声に死に体の身体が強ばる。こんな時でも、俺の”ハズレスキル“ではどうすることもできない。


――逃げろ。逃げろ。と本能が叫ぶ。


必死に体を動かそうとしながら、俺の頭にあったのは、おっさんを切りつけたアイツらの短刀のことだった。


実家で見たものとは違う、手入れの行き届いていない、血みどろの刃。おそらく何人も殺したであろうそれは、俺に”死“を実感させるには十分過ぎる死臭を放っていた。


(アレだけは嫌だ...!アレだけは...!)


俺は元々刃物が苦手だった。その事でよく幼馴染や弟に笑われていた。親父は根っからのクラール思考で、臆病な俺に半ば失望していて、そんな俺を叱責した。そして、母さんは...


(そうだ...母さんだけは、そんな俺を優しく抱きとめて、「大丈夫。」って言ってくれたんだ...)


そこから、堰を切ったように後悔が溢れ出した。なんでもいいから、今すぐにでも母さんに会いたくなった。


――だが、郷愁に駆られるにはあまりにも遅すぎた。


「おい!お前ら、ここにいたぜ。」


その言葉と共にガサガサと何人かが俺の周りに集まる音がした。

きっと金を奪い取った後殺されるんだろう。あのおっさんと同じように。


(それは、絶対イヤだ!!!)


「この様子じゃ、戦闘系のスキルじゃねーだろうし、丁度いいからそのまま解体しちまおうぜ。」


そう言って盗賊が俺の周りを囲んだ時、最後の力を振り絞り暴れようとして――


『お前、呆れるぐらい惨めだなー...てか、本当にコイツで大丈夫かよ?』


俺の頭の中からか?どこからか声が聞こえてきた。


『ま、どっちにしろコイツが死んだら厄介だしな...とりあえず、このザコ共は俺がどうにかしてやるよ』


その言葉を最後に、俺の意識は暗転した。

拙作を読んでいただいてありがとうございます。

実を言いますと、この作品が初投稿でして、とても緊張しております...!

色んな感想お待ちしております!もし、気に入っていただけたのなら、評価してくださると嬉しいです!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ