日常崩壊
初めまして。小説素人の妄想垂れ流しになる予定です。薄目でご覧ください(笑)
世界は様々な色で溢れている。
建物ばかりの街、海の街、杜の街、砂漠の街、機械の街、それぞれの街ごとに色がある。街単体の色の時もあれば混ざり合った色、新たに色が生まれることもあり、私はその変わりゆく色の景色を眺めて過ごす。
色の比率は時を追うごとに変わっていく。
緑が多い時もあれば、青が多い時、清く清んだ透明が多い時もあれば、淀んだ黒に近い灰色が多い時もある。一時赤く光ることもある。赤い光は初めて見た時よりも最近見た時のほうが光る時間が長くなったような気さえする。その理由は分からないが、理由を知る必要性を感じたこともなく、その様をただ眺めるのが日課であり、私のいつから続いているかも分からない日常であった――。
「――――――――――――。これから、心を学んでもらう。」
そんな日々を過ごしていたある日、一人の男性が私に言葉を紡ぐ。それが誰なのか、その言葉が何なのかを理解できずに彼を見上げる。
私よりも30cmほど高い位置にある彼の顔を見上げていると首に小さな痛みを感じた。見上げて首に負担を掛けたのだと思った私は、彼を見上げるのをやめ、少し不自然な格好になっていた首に手を当てながらゆっくり首を回す。
―――そのとき、不意に頭にモヤがかかったような不思議な感覚に襲われる。どうにかそのモヤを振り払いたくて頭を振ったり、親指でこめかみを強めに押してみたりしている間に瞼がどんどんと重くなってくる。閉じきってしまいそうな瞼を開こうと抵抗するも、抵抗しきれずにそのまま意識を手放した。