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パープルタウンの人々  作者: むらさき毒きのこ原作 秋の桜子著
8/10

古城ロック杯開幕

「負けへん!マシュゥ!負けへで!」


「きのこ!きのこ、きのこだよ!メモリーちゃん!」


 己のプライドをかけた二人の勝負が、もうすぐ始まる。


 そして『おでんやコスモス』でも、異世界ギャンブラー達の『金をかけた勝負』が始まる。誰が一位になるのか、誰が大穴当てるか!皆映像投影装置に真剣な眼差しを送る。


 そしてその中の一人、元締めの『伝説のギャンブラー』アイアンは、不敵な笑みを浮かべ、それに目を向けていた。


 彼がこれに参加する事は出来ないが、そこは相方がバッチリと彼の代わりに参加しているのは、言うまでもない。



 ×××××



 ……「さあー、今年もやって来ました。古城ロック杯。今年はどのようなレースになるのでしょうか、解説は毎年お馴染みの、ハニー事、私ハニービーンと、商工会副会長、赤井氏になります。先ずは、観客の皆様に赤井氏から注意次項があります」



「あー、毎年ながらこのレースは観客の皆様に危険が伴います。なので、選手並びに皆様が危険が迫ったときには、皆様がもふもふのぬいぐるみになり、衝突の影響から身を守る事になっております。嫌なら室内で、観戦される事をおすすめいたします。それと建物自動車、その他障害物も、危険と判断されたら『消去』されますが、後で必ず元に戻しますので、ご了承下さい」


 商店街全域を見渡せる、商工会議所の屋上に誂えられた中継局、そこに居合わせるのは、先の二人と今野氏、


 そして会場には神谷ご夫婦が救護所を兼ねた受付を担当者し、主宰者ロック氏は、実況映像を送るべく選手に伴走する。


 ×××××


「あー、始まる、始まる、どうしよう」


 不安感満載の海村氏の声がする。この度作られたレース事務局。


 商工会議所三階の一室に作られた事務局に、海村氏、かませ氏、ふきのとう氏、鳴海氏が集まり、準備を着々と進めている。


 机を片付られた床にこの商店街の大判の地図が広げられている。そしてそろそろかな、とふきのとう氏は、広げられたそれに、ロック氏から送られて来た、リアルタイムの映像を投影させる。


 フォンと光りを放つと、地図には現在の街の様子が映像として描かれていた。観客の人々も、路肩に停められている車、自転車、バイクも、設置物も、そして勿論、レース参加選手もバッチリだ。


「ん?ふきさん、今年のゴール前のスクリーン大きくないですか?今年は別のミッションも有るのに……まさか?」


 それを眺めていた海村氏は、怪訝な表情でふきのとう氏を見る、そんな視線をさらりとかわし、


「そんな事無いですよ、気のせいです。ただ僕はロックさんから送られてた映像をあちこちに投影しなくてはいけないから、修繕に関する事はあまり出来ませんので、よろしくお願いします」


 にこやかにそう答えた。それを聞き、僕一人?まさかの一人?と呟く海村氏に、ある程度は手伝いますから、と励ますように、ふきのとう氏は声をかける。


 ×××××


「さぁ、選手一同、スタートの準備が整った様子です、今年のレース参加選手はいかがでしょうか、赤井さん」


「そうですね、今年もなかなか、優秀な選手が揃っていると思いますよ」


 解説の二人が、選手の名前を読む、商店街に居を構えている店の子供達、総勢10名、


 優勝商品『最高級モトクロス1台』『副賞商店街のお食事券』をかけたレースの開始の時。


 そのスタートの鐘が今鳴らされた!


「各選手一斉にスタートしました!」


 ハニー氏の声が商店街に響き渡る。そして、


「私がかったら マシュゥ!」


「きのこ!きのこなの!きのこってよぶの!」


 二人の勝負も 戦いのゴングが、鳴り響いていた。











 










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