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パープルタウンの人々  作者: むらさき毒きのこ原作 秋の桜子著
3/10

名を変わりし二人のストーリー前編

 この世界で、名前を変えている夫婦がいる。


 リーリエ氏とその旦那様の(まお)氏、彼等の名前は別にあるのだが、ある事情により、パープルタウンに越して来たときに、変えている。


 二人には、そうしなくてならない、大人のふかーい事情がそこには隠されていた……



 ――「おい、そこの少年」


 きのこ少年が、今日も今日とてお手伝いにせいをだし『割烹居酒屋 鳴海』にこの前預かった新年イベントの書類を届けに行った帰り道の事


 高級スーツといった身なりなのだが、何処か怪しい雰囲気の男達に声をかけられた。


「はい、僕に何か様ですか?」


 まだ夕方の事もあり、人通りの多い時間帯、いざとなれば、大声を出せば助けに来てくれると、きのこ少年はその男達に面する。


 人を探しているんだよ、と言う男達。どんな人ですか?と少年は、少々警戒しながら問いかけた。


「それが、最早名前しかわからない御方なのだよ。世界が崩壊する前にあった『カブキ』と言う街におられた伝説の御方で、この世界に存在を確認された、子孫を探しているんだよ『神谷ネコ丸』様という名を知らないか?」


 その御方の家系は代々名乗る名は、その名前らしいんだけど……


 といかついながらも、丁寧に話してくる男達、きのこ少年は、それだけじゃわからないと首をかしげて答える。


「ウーン、知らない。他に何かないの?伝説の御方について」


 そうだなぁ、あと結婚されているって事と、この街に、いらっしゃるって位しか、わからないんだよな、と少し途方にくれている男達。


 どうしよう。怖いけど悪い人達では無いしーと少年きのこが困っていると、不意に彼の頭に、ポン!と背後から手を置かれた。


「どうしたの、きのこ君」


「あ、ハニービーンさん、あのね。この人達人を探してるの」


 少年が振り向く先に立っていたのは『ピアノバー イベール ミネット』で歌を歌っていシャンソン歌手の『ハニービーン』氏である。


 ハニー氏は目の前の何処か怪しい雰囲気をまとう男達から、きのこ少年を庇う様に前にでる。


「人、誰をお探しですか?名前は?」


「名前、名前は『神谷ネコ丸』……呼ばれていると思うのですが……」


 ネコ丸……と聞き眉をひそめるハニー氏、そしてその彼に何の用があるのか、静かだが強く彼らにきく。


「ご存知なら、教えて欲しいのだか、我らはある『ホストクラブ』のスタッフなのだが、売り上げが悪くてね、そこで『伝説のホスト 紫薔薇(パープルローズ)』神谷ネコ丸氏を先祖にもつ、子孫の御方を探しているのだ、是非とも、店に来てもらいたくて、幻とされてきた存在が、ようやくわかってからは、ずっと追い続けているのだ」


 彼が来れば店は安泰だからな。何せ彼の御先祖が放つオーラは、全ての女性の心を捕らえるという素晴らしいモノだったらしい。


 ただその為に敵多く、仲間の罠にはまり日々、半裸でゴミ箱に放置されていた、と伝承が残っている程に。


 そして、子孫の彼もそれを持ちあせていると噂に聞いている。何故なら彼の奥方は……


 と男達の話が続く最中に、ウズウズと耐えきれなくなった、きのこ少年が話に割って入った。


「ねーねー、ハニーさん、ホストクラブってなあに?」


 男達の話を興味津々で聞いていた、きのこ少年はちょっと妖しい、知らない大人の香りが漂う、単語に反応すると、彼の袖を引き、キラキラとした視線で見上げる


 そんな少年に、まだ早いからダメダメと、苦笑しながらやんわり言うと、知らないなぁ。この商店街には、いないよ、と男達ににべなく告げる。


「そんな人間はいないから、別の街を探せばいい」


 と男達に告げると、ポケットから携帯を取りだし、メールを一件送信すると、きのこ君行こうか、と彼の手を引き歩き始める。


 ……どこで知ったのか?いや、そこまではわかって無いだろう、しかし注意をした方が良い、


 少し早足で男達の側を離れて行く、ハニービーン氏、その去り行く後ろ姿を疑いの視線が追っていた……

























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