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パープルタウンの人々  作者: むらさき毒きのこ原作 秋の桜子著
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きのこ少年と少女メモリー

リーリエとは、ドイツ語で【ユリ】と言います


猫氏は名字は神谷ネコ丸氏と申します。ピアノバーのマスターです。転職されたらしいです



メモリーちゃん、解読してください。きのこさんの最終話に出てきました、皆さん。よろしくお願いいたします。

 開店前のきのこ少年の家『おでんや コスモス』そのまだ暖簾が出ていない、時間帯カウンターの向こうの厨房から不気味な歌声が流れている。


 おでん でんでん おでん でんーと、魔女の呪文の様唱えながら、仕上げの具材を仕込んで行く母、学校帰りのきのこ少年はせっせと、ゆで卵の殻を剥きながらお手伝いに励んでいる。


「こんにちはー!きのこ君帰っているかな?」


 ガラリと引き戸を開けて、甘い香りと共に店に入って来たのは、三軒先にある、昼間は『カフェ 冬の子猫』そして夜は『ピアノバー イベールミネット』の経営者(まお)氏の麗しの奥方『リーリエ』


 手に焼きたてのマフィンが入ったちいさな篭を持ち、にこやかに入って来る。毎日お手伝いを欠かさない彼にこうしてよく自ら手作りのお菓子を持って訪れる彼女。


 わぁー、ありがとう、彼女に気がつき手を止め、入り口へと駆けて出るきのこ少年だったが、彼女の元へ行く前にその歩みを止めた。


「ハァイ!マシュゥ、貴方のハウス、ここ」


 リーリエの背後から、ヒョイッと顔を出したのは、彼にとって因縁の美少女、メモリー Bしかも何故か、彼女は流暢な関西弁を封印したかの様な口調で、話しかけてきたのだ。


「メモリーちゃんがね、きのこ君のお家探してうろうろしていたの、可愛いガールフレンドね」


 ほほえましく、二人を見やるリーリエ、それに対してきのこ少年は、


 はい?可愛いガールフレンド?こいつが?可愛い?関西弁何処に行ったのだ?と訝しげな視線を彼女に向ける。


「きのこだよ!メモリーちゃん、いらっしゃっい、何の用なの?」


「マシュゥのお家、どんなのかな?って」


「きのこだよ!メモリーちゃん、今日は話し方変だよね」


「Why?なに? 変じゃ無い、マシュゥ、What? 」


「きのこだよ!絶対、ぜったい!変だもん『なんでやねん』だもん、メモリーちゃんは!」


 一生懸命に彼女に立ち向かう、きのこ少年、それに対して魅惑の美少女、メモリー Bは、そんな彼の反応が、面白いのか笑顔で手玉に取る。


「チッチッチッ、私、言わない、ナンデヤネン、What? マシュゥ」


「きのこだよ!メモリーちゃん、きのこなの!」


 入り口で一歩も進まず、対決をしている少年きのこ、少女メモリー、そんな二人の様子におろおろするリーリエの様子にようやく気がついた、彼の母は入ってーお茶でも入れるからー、と声をかける。


 そしていらっしゃっい、メモリーちゃん、おでん食べたことあるかな?とカウンターに座る彼女に問いかけた。


 うん、あると、あどけない笑顔と共に答える彼女に、何が好きですか?と少々丁寧に問いかける、母、秋の桜子


「すじ、こんにゃく、大根、ちくわ、ごぼ天、カラシたっぷり添えて」


 まあ!渋めねー、カラシ添えてもイケるとは、大人ねーメモリーちゃん、と少々感心しながら、それらはもう煮えてるから、大丈夫よぉーとお皿によそう。


「どこのオッサンなの!メモリーちゃん、お店に来る、オッサンの好きなものとおんなじだよ!」


 きのこ少年は、それを見ながら、負けじとメモリーに一声言う。


 そしてリーリエに彼女から分けてもらった、香り高いハーブティーの茶葉でお茶をいれると、どうぞリーリエさんと、彼女に差し出す。


「ありがとうね、きのこ君、んーいい香り、上手に、入れれる様になったわね」


 ティーカップを手に取り、香りを嗅ぐと優雅に口にするリーリエの様子に、満足そうなきのこ少年。


「マシュゥ、私、飲み物欲しい」


「きのこだよ!メモリーちゃん、何飲むの?お酒はダメだよ!異世界だけど子供だもん」


「マシュゥ、真面目 飲み物の描写 文字化だから わからない 私 知ってる、 何かで読んだ別の世界のお酒……」


「きのこだよ!メモリーちゃん!わかる!読んでる人にはわかるの!だから、ジュースなの!」


 きのこ少年は、冷蔵庫からグラスを取り出すと、シュッポン!トクトクトク……『この世界のあくまでも、ジュース』のビンの詮を開け、飲み物を注ぐ、


 それはよく冷えた、グラスを綺羅な水滴でドレスアップしながら、器を満たしていく、シルクの様なふあな泡立つ、黄金色の飲み物……


「ハイ!どうぞ!メモリーちゃん、ジュースだよ」


 ふふーん、と出されたそれを、しげしげと眺める、美少女メモリーB……


 彼女に、出された飲み物は、此方の世界の果物の炭酸水、空気に触れると、甘く白いふあな泡が立つ、口辺りの良い飲み物で、きのこ少年の好きな飲み物の1つである。


 出されたグラスを眺めるばかりの、メモリーに飲まないの?美味しいよ、と進めるきのこ少年。


 ……ニヤリ、と美少女『メモリー B ロウナ ノベル』は笑いを浮かべる、そしてよく冷えたそれを手に取り、ごくごく……と一気に飲み干し


「くぅー!ぷはぁー!もういっぱいー!マシュゥ」


 とグラスを少年きのこに差し出した。


「きのこなの!メモリーちゃん!そんな飲み方僕も、異世界のお酒について、読んだ事あるから!知ってる!誤解されるから!ダメなのー!」



 ……二人は何処までも、平行線なのだった。





 
























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