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パープルタウンの人々  作者: むらさき毒きのこ原作 秋の桜子著
10/10

最後もこうなる

原作者、むらさき毒きのこ先生様々、ありがとうございました。

 チャンリコレースも終わり翌日の早朝、きのこ少年はある場所に向かって急いでいた。


 行き先は、朝なので『カフェ 冬の子猫』ラブラブ夫婦のお店である。


 今はまだ開店前、今はモーニングの仕込みの時間。そんな時間に少年が向かうのには、重大な理由があったからだ。


「着いたぁー!おはよ!……ぐぅ?」


 きのこ少年が店のドアを挨拶と共に開けようとした瞬間、強引に後ろから口を塞がれた。


「いきなり開けてはアカン こういう時間帯は 窓から こっそりとのぞくのが セオリー」


 そう声をかけてきたのは、ジョギング中の小悪魔少女 メモリーB、


 そして彼を引きずる様に、窓の下に連れて行くと、そこから店内を覗く少女。それにつられる少年。


「わぁ、何でリーリエさんの背後に、猫さんがぴったりといるの、包丁使いにくいと思う」


「あれが、良いらしい、イチャイチャと言う」


「ふーん、何か手が汚れたみたい、あれ?何で猫さんが手をとるの」


「猫さんが 洗うのだ、しかも水不要」


 どつやって!ときのこ少年、それは見てたらわかるとメモリーB、身を乗り出す少年


 しかし、その視線を察知し、猫氏が彼等に気がついた。


 ×××××


「君たちは、朝っぱら何をしているのかな?」


 私はジョギング途中、朝ごはんにきたの、僕はお母さんのお使いなの、とホットミルクを出してもらって、それを飲みながら答える二人。


「お使いって何?きのこ君」

 

「うん、昨日ね、お父さんのお友達が『駅』で暴れてね、スーちゃんに食べてもらいたいのがあるって、お母さん言ってるの」


 僕は見てないけれど、お母さん一人じゃ『綺麗さっぱりに』出来ないわぁって、言ってるのと無邪気に言葉を足す少年。


 どうやらコスモスでは、あの後乱闘があったらしい。駅へと向かったアイアンを追いかけた賭場のお客を、彼が返り討ちにしたようだ。


「……わかった。スーちゃん連れて今から直ぐ行くよ、きのこ君は、ここでご飯にしとくといいよ」


 事情を察知した猫氏は、きのこ君も大変だなぁと呟きながら、スーちゃんを迎えに地下へと向かう。


「昨日のレースご苦労様、そうそう、きのこ君、ちょっと前から、劇の練習してるのよね、進んでる?」


 プレートにのせられた、モーニングを運んで来たリーリエが二人に聞く。ふきのとうさんも見たいなぁって言ってたけど……それよりも『駅』大丈夫?


「うん、でもメモリーちゃんが、昨日の夜に役代わるって言って、大変なの、駅は大丈夫だって、大体バラしたって言ってるから、スーちゃんに食べてもらいたいんだって、何か大きいのは、お父さんが運んで棄てるって持っていった、て聞いてる」


「何?何棄てる?話からすると、死体………」


 無邪気に説明する彼の言葉に、メモリーBが鋭く突っ込むのを、リーリエが、さぁスコーンが温かい内に食べて、食べてと遮った。


 ×××××


 橋本神父は悩んでいた。後数日で本番と言うときに、重要な役どころの少女が、キャストの変更を求めて来たからだ。


 ――果てさて……今から他のお子達に、急ピッチで、練習させるのは負担がかかるし、仕方ないここは、私が人肌脱ぐか……


 彼が持つ必殺技を使い、乗り切る事にしたらしい。仕方ない、と言いながらも何処か嬉しげな彼だった。


 ×××××


「ところで、昨日のレース、どっちが勝った事になったの」


 朝食を口に運ぶ二人を満足そうに見ながら、リーリエが聞いた。私と猫さん居合わせて無かったから……じゃんけん勝負にもつれ込んだのよねと聞く。


 昨日の勝負は二人は棄権と見なされ、とりあえず決着は、じゃんけん勝負となったのだ。


 その問いかけに嬉しげなきのこ少年、ふてくされるメモリーB、その対象的な表情で答えは明白だった。


「きのこって呼んで、メモリーちゃん」


 少年の呼びかけに、そっぽを向く


「……とりあえず、マシュウとはいわへん、約束したもん」


「そうだよ、マシュウじゃないからね!」


 ご機嫌な少年、不服そうな少女、そして彼女は持てる知識全ての力を使い、この先の対策を練っていたことは、彼は知らない……


 ×××××


 ――教会で、街の皆があつまる。今日は劇の本番の日、途中で役柄変更があった為に、


 橋本神父が『奇跡の力』を発動し『美少女 レイ』の役どころを努めていた。


 そしてメモリーBは、ある目的のために、その役をしていた、とある少年を彼女の持つ『魅惑』で虜にし、見事役をぶんどり舞台に立っている


 そしてきのこ少年は、もちろん主人公『ナツ』


 ストーリーは進む、皆がいっしんに見守る中で……



 ――壊れた本棚。悲し気な少年。その、人生に向かって、ナツは飛び込んだ。



「Bさん。作家はケンカばかりしてるし、小説が好きじゃない人だっている。世界は喧騒にあふれていて、汚い事もあれば、美しいものも存在する。全てを記憶するのは、無理なんだよ。少しづつでいいんだ。たった一部でも。狭い世界でも、いいんだよ。本なら、買ってやるよ。きのこが100万円当てたら、いくらでも」ナツは、軽口を叩いた。


「ばっきゃろ。ぶっとば!」少年が、中指を立ててナツを睨む。笑いながら。


 と終わる、終わるところなのだが少年扮するメモリーBは、ニヤリと笑うと最後のセリフを変えてきた。


「ばっきゃろ。ぶっとば!ポルチーニ!」


「は?え?そんなセリフない!ポルチーニって何?」


 役に成りきり、アドリブに対応出来なかった、きのこ少年は思わず目の前の『彼』に聞く。


 じゃんけんで負けたのが、よほど悔しかったのか、彼女はどうでも他の名前で呼ぶ計画を考えていたのだ。


 そして、勝負を途中で切り上げた大人の都合に、不服だった彼女はきのこ少年を、可愛がっている大人達に、プチ復讐がてらこの場を利用している。


「きのこの名前、嫌ならトリュフ、エリンギ、それでも嫌なら、漢字で『茸』と書いて『たけ』と呼ぶ」


 メモリーBちゃん、そんなにじゃんけんで負けたのが悔しかったの……と見守る観客達。


 最後迄、決着をつけさせておけば良かった、大人の『早く切り上げよう』あの時『大人がめんどくさい』と思った事がこういう事になるとは……


 きのこ君許してくれと、悪い事をしてまって、と大人達は、後悔をしつつ、不謹慎だが密かに笑いをこらえながら、彼等に目を向けていた。


「どれにする?さあ!選べ、特別に選ばしてやるわ!」


「選べ?選べへんもん!あカーン!メモリーちゃん、僕はきのこなのー!」


 ビミョーなる関西弁が、少年に乗り移りつつあった……


「終わり」




















キャストの皆様、好き勝手しましてすみません。ありがとうございました。

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