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パープルタウンの人々  作者: むらさき毒きのこ原作 秋の桜子著
1/10

二人の出会いは最悪

きのこさんの名作に出られていた皆様、申し訳ございません。登場人物にさせて頂いております、

一部ご職業を変えさせて頂いております。

こら!ダメなのってお怒りの方にはここで先に謝罪しておきます。

 魂を閉じ込めていた『本棚』が崩れ落ちた。ある1つの世界が崩壊をする、囚われていた記憶達、妄想力の解放の時……


 そこに閉じ込めてられていた、文字と共に、生きとし生けるもの達を、解放すべく聖なる黒き御使いの友と手をとり戦いし、神のしもべである白き者は、地上に祝福を送りながら、空へと帰る。


 そして、神のしもべである白き友を見送ると、全てを守りし聖なる黒き御使いの者は、空へ喜びを与えながら、次の世界へと飛び立って行く。千々に散った大切な者の想いを、かき集めて……


 ×××××


「と言う事が、この世界にありました。我々は尊き犠牲の上で、存在が保たれているのです」


 崩壊後、解放された物書き達の妄想力で作られた世界の1つに存在する、ある街その名は『パープルタウン』


 その街に住む人々は、休日の午前中は、街に1つは必ずある、神を奉りし教会へと祈りを捧げ、神父の訓話に、耳を傾けに来るのが習わし。


 今年12才になる本編主人公、きのこ少年も例外ではない。彼も母と共に今住む彼の事をこよなく愛する、商店会の大人達に囲まれ、神妙に橋本神父の訓話をきいていた。


 しかし12才の少年にとって、やはり少々退屈なのか、ぐっと睡魔と戦う様子を目にした、優しい橋本神父は、


 ふうわりと彼に笑みを向け、それでは今日はここまでにいたしましょう、そして神に祈りの言葉を捧げた後に、礼拝を終えた。


「終わったー!」


 うーんと背を伸ばし、あどけない仕草をし、見せる少年に、周りの大人達は優しい視線を送る。


「きのこ君、おはよう」


 礼拝を終えた、神父が彼の元へ近づく。君に御願いが有るのだけどいいかな、と声をかける。


「なあに?神父様」


 きのこ少年は立ち上がり、礼儀正しく視線を合わせてくる橋本神父に答える。


「新年のお祝いでね『解放の時』のお芝居するのだけど、出てくれないかな」


 え!僕が?とその話に驚いた少年は、傍らの彼の母親『おでんや、コスモス経営、秋の桜子』に、どうしようと一応、問いかける。


 しかし、息子の問いかけに対して『楽天と妄想』で精神を構築されてる母は、うわぁー!スゴーイ!きのこ君、頑張ってね、と手を叩き答えて来るのみ。


 ちっ!母さんに聞くとアドバイスなどありゃしない、といい加減な母を反面教師として学んでいる為、


 見かけより精神年齢が高い彼は、頑張ります、と神父に了承の意を答えた。


 それは良かった、では詳しい事は後でね、と彼の頭を優しく撫でると、奥へと下がって行った。


 ちなみに、彼の父親は『伝説のギャンブラー アイアン』現世界では飽きたらず、異世界にもその活動範囲を広げ、旅を続いているために滅多と家には帰って来なかった。


 親子二人の暮らしなのだが、家業である店が『パープル商店街』にあるために、


 周囲に住むアトリエ、ショップ、飲食店の経営者達は、彼をことごとく可愛がり、そして今訪れいる、教会の優しい橋本神父に囲まれ、きのこ少年は


 父親が側にいない寂しさなど、微塵も感じてない性活を送っている。


 ――「コスモスさん、ちょっとここで悪いんだけど、新年のイベントの事でね」


 さぁ、帰ろうかと親子が支度をしていると、商工会会長『割烹居酒屋 鳴海』の店主が声をかけてきた。


 あ、ハイハイ、じゃあちょっと待っててね、と母は鳴海氏から、幾枚かの書類を受け取り説明を受けている。


 退屈げに待つ、きのこ少年、そんな彼の側へ近づいて来たのは『フォトショップ ふきのとう』の経営者ならびに『世界を撮りまくる冒険写真家 蕗の薹』の彼。


 座ってまとうか、きのこ君に頼みもあるし、と声をかけてくる。皆に愛されている彼は忙しい。


 うん、いいよと気さくに答えると、座っていた椅子に再び腰を下ろす。するとその場に次々にあるミッションの為に、仕事を共にする大人達が集まる。


『イラストレーター 海村氏』『ファッションデザイナー かませ氏』『もふもふぬいぐるみ作家 今野氏』が、彼の側へ周りに笑顔で、集まった。


「え、僕にどんなに御願いなの?」


 少し面食らう彼に、代表してふきのとう氏がゆるりと話し出す。


「うん、新年の商店街のポスターにね、きのこ君使いたいんだ」


 え?僕ポスターになるの?と驚く少年、何故なら新年のイベントを宣伝用ポスターは、タウン大々的に張り巡らされる代物だからだ。


 今野氏のもふもふ作品と、衣装はかませ氏デザインでね、そして写真は僕で、監修とイラストは海村氏のメンバーだよ。


 と話してくる、異世界を飛び回り活動している冒険写真家、蕗の薹氏


 本当ならもう少し先なんだけど、僕仕事で今度『異世界ジャングル』にパープルの蝶撮りに行くからね、前倒しなんだけど……きのこ君、ダメかな?忙しい?


 と真摯に頼まれ、どうしようかと母に相談……は無駄だと思い直し、少々考え面白そうなので挑戦することにした。


「僕でいいなら、頑張ります」


 おおー!良かったーと拍手をされ、それを受けて、照れ臭く笑う少年きのこ。そしてふと気になった事を口にする。


「僕一人なの?えっと……モデルっての」


「ああ、その事ね、一人ではないよ、もう一人いるからね、安心するといいよ。確か今日ここに来てると思うけど」


 その問いかけに答えるのは『ファッションデザイナー かませ氏』


 教会内を見渡し、ああいたいた!ここ、ここー!と誰かを探し出すと手を振り、此方に来るよう呼び掛ける。


 その声に気付き、小走りに近づいて来たのは、『天使が地上に降り立った!』と言う表現がドンピシャに当てはまる、たおやかなる美少女。


 彼女は『イラストレーター 海村氏』の『絵画アリスシリーズ』で、活躍しているモデルの美少女。ちなみに衣装はかませ氏がデザインしているために、親交はある。


「私から紹介しよう、こちらきのこ君」


 海村氏が、先ずはドキマギしている少年を少女に紹介する。きのこ少年は、手を差し出しながら、は、はじめましてと声をかけた。それに対して、薔薇の花の色した唇から、驚きの一言。


「ふーん、可愛いお顔してはるけど、なんや、けったいなお名前やわぁ」


 きのこ少年は唖然とする。天使の美少女は、上から下まで値踏みをするような、視線を送ると、一言そう辛辣に言い放ったからだ。


「海村さん、紹介はええわ、私自分で言うから、でもその前に、君の事『きのこ』ではなくて『マシュー』って呼んでもいいかな?」


「へ?何ですか?その呼び名、きのこじゃダメなの?」


 そう、ダメなのと高飛車に言う、目の前の美少女、彼女は更言葉を重ねる。その碧眼金髪の容姿とはかけ離れた、流暢な関西弁で……


 だって私の名前と合わない、きのこって『マッシュルーム』だから『マシュゥ』で良いでしょう?と持論を呆然とする彼に、得意満面で説明してくる。


「あ、合わないって!僕は!きのこなんだから!変な呼び名しないでくれる?」


 このままだと『マシュゥ』が決定になりそうだったので、少年は慌てて断りに入る。


 そして、君の名前と合わないって、僕はまだ聞いてないよ!君の名前、と穏やかな彼にしては珍しく詰め寄った。


 それに対して、金髪碧眼、天使の容姿の少女は、全ての者をとろけさせさす、魅惑の笑顔を浮かべると、薔薇の花の色した唇から名前を述べた。


「私の名前は『メモリー B ロウナ ノベル』よろしくね『マシュゥ』」


 その笑顔に、一瞬心を奪われた少年きのこだったが、最後の言葉にはっと我を取り戻すと、全身全霊を持って、否定をする。


「ちーがーうー!僕のなまえは!き、の、こ!『きのこ』なんだからぁ!変な呼び名するなぁ!ばかぁー!」


……これが、二人の出会いだった。これまで穏やかに暮らしていた、少年きのこ、彼の運命はこの先どうなるのか……


 そして、彼女との出会いが、あの伝説へとつながって行くことに、少年はこの時、まだ知らない、あの商店街を巻き込んだ伝説に……




















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