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ゲッカビジン  作者: 織坂一
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5.蠢くざわめき 前編2

「またあの店行こうかな……」

「あの店」と言うのは何時も通っているバーの事で、あそこに世話になってもう2年になる。

故にあれだけマスターとも打ち解け、仲の良い娘もいる。

確かその娘が今日は出勤だったか忘れたが、値段もリーズナブルな為、薄給な杏癒の懐にも優しい。

が、たまにはまた違う雰囲気を味わいたいのも確か。

あまり人と接する事は好きではないが、ああ言ったバーは接客が職業である為大体変な話をしなければ楽しめる事もあるし、それに久々にお祭り気分を味わいたい。

急いでパソコンの電源を点け、開いたのはレズビアンイベントが開かれているサイトの一覧で、中にはミックスイベントに関しても掲載されており中々重宝していた。

ミックスイベントであろうとレズビアンイベントであろうとあの大音量の音楽に身を任せ、イベントによってはストリップショーなども見れるし中にはまた新しい出会いが持てるという嬉しいプレゼントだ。


出会いに関しては興味はないが、久々にあの大音量に包まれた部屋で酒を楽しむのもまたいいと思っては丁度1軒だけ見つける。当日券は3000円。

電車賃で往復合計で2000円はするが、まぁ祭りの駄賃としては悪くないと思ってはイベントの行われる新宿二丁目へ向かう為に準備を始めた。


新宿に着いたのは午後5時。まだ早かったかと後悔するも、適当に公園などで暇を潰す事にした。

流石にここらのバーは値段が高い故に余計な事で金を叩きたくなどないし、それに杏癒自身酒は弱い方で、何時も行きつけのバーに行っても頼む酒は様々だが、どれも度数はあまり高くなければ飲むとしても1杯だけ。

ただ本当にふれあいの場の為にあの店に通っている様な物だ。


夜になると一夜のパートナー探しで有名な公園まで来るが未だ夕方。

当然人は居ない。適当にベンチに腰掛けては鞄から煙草を取り出し、火を点けては一服。静かで長閑な空間でやや肌寒いこの9月の夕空に白い煙は不安定なオレンジ色の空へと消えて行った。

そんな時だった。

向かいの方でただなんとなくでこの公園に来たであろう鳩と戯れている若い男性がいるのだ。

ジャケットに襯衣(シャツ)、スラックスを見てもこの街に似使わないサラリーマン風のその男は食パンの屑らしき物を鳩へと上げている。

じっ、と見ていた為かその男性はこちらに気付くとただ一礼して、立ち上がっては公園を後にした。


どうも、織坂一です。


えっとまず言いたいのは「ようやくここまで来た!!」の一言につきます。

少々ネタバレになりますが、この公園で出会ったシーンは絶対に覚えておいて下さい。今後ですごく重要になってきます。

けれどもまだ「出会いの序盤」なので、出会いはまだありますが、このあとの出会いも杏癒の人生に左右されるので……。


一応この話は恋愛物語ですが、主体としてはこの主人公の1人である杏癒の人生を書いてあ……いや、これ以上のネタバレはやめましょう。


1の出会いは果たせましたので、次の出会いをお待ち下さい。

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