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23.奮い立つ哀しみさえどうか
今は余計な世話は掛けない方がいいだろうと自分は判断した。
確かに彼女の気持ちは痛い程判る。あの場では理性と冷静さでああ言った事を言ったが、もし自分が同じ立場であったら殺しまではしないが、それこそ自分がアドバイスした第3者の証言で警察機構を動かして相手を社会的に抹殺するだろう。
それも傍に居られない故の悩み。
傍にいるならもっと違う答えが出せるのだが。
だが、もし、もしも許されるならば、自分もああ言った様に愛される人に愛されたいと思う。
今ではなく来世辺りに。
そんな事を考えてしまうのはきっと酔っているからだと、久々に酒の所為にしながら帰路を辿った。
どうも織坂一です。
「オイ、今回こんだけか!?」と驚いた方もいるでしょう。私もうっかり忘れていました、佐伯の存在を。
と言う訳で急遽入った佐伯パートですが、杏癒パートばかり送っていると、佐伯が行方不明になりますのでという過去の私の配慮ですね。一応彼も主人公なので。
……といいつつまた長き杏癒パートに戻ります。
ですが次辺りから「おや?」となるかも……?




