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ゲッカビジン  作者: 織坂一
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2.とある小説家の恋愛事情

女の名は柴田杏癒(しばたあゆ)

普段はしがない小説家として原稿に取り掛かる謂わば埃を被った花瓶だ。齢は今年で25。最早女としては行き遅れの部類に足を突っ込む一歩手前だ。


男で25歳と言えば、まだまだ若く働き盛りと言うよりようやく仕事を覚え、これからと言う物が多いが、女は違う。仕事で働き盛りとなると、その側面プライベートが疎かになると一気に他人に追い越されてしまう。勿論その「置いていかれる」のは恋愛面に於いて限られてくるのだが。


事実、杏癒の数少ない女友達も既に恋人がいたり、早くも結婚していると言う人ばかりで既に杏癒は置いていかれている。それを考えると悲しい限りだが、彼女の問題はそれだけではなかった。


実は彼女はとある事件に巻き込まれてから男性に恐怖を抱いてしまったのだ。

男性恐怖症と言う程でも無いが、例え男友達だろうと頭を撫でられるのはセーフでもそれ以上の事をされると思わず相手を投げ飛ばしたくなるらしい。


そんな状態であったら異性の恋人なぞ出来る訳もないし、元々そういう傾向があったのか先程飲んだ店もマスター以外働くのは綺麗で若い同世代の娘達ばかりで、どちらかと言うと同性愛者の方にやや近いと言った所か。


だから別に相手は男だけに限らなくともいいのだが、悩める種はそこじゃない。先程から立て込んでばかりだが、杏癒は一応既婚者だ。勿論現実ではない、ネットを通じてという特殊な手である。


昨今のSNSのツールの出来は素晴らしく、話していく内に気になって好意を抱いてしまえばそれこそ現実で付き合う男女とそこら変わりない。杏癒もそうだ。


だが難点はやはり現実ではない事。聞いた話によれば現実は現実、ネットはネット界隈と使い分けている人間もそう少なくはないらしく、悩みとなるのはそこだった。


いくら既婚者となっても現実世界と切り離してしまえば、ただの婚約者であるし、最悪な話良き友人で済まされる場合もある。怖い所はそこだ。そして最もその醜悪さを加速させたのは杏癒自身、現実とネットの使い分けが出来ないと言う事。つまり、ネットの界隈で愛してしまえば現実世界の人間には全くを以て興味が向かないのだ。だからこそ苦しい。


相手ともいつ現実での出来事ですれ違いが起きて別れるかどうか判らない。

だから杏癒は周りにこの事を話したのは本当に仲の良い友人数人だけ。

逆にこんな既婚者が居たらある意味滑稽だろう。何時も何時も携帯を気にしていたのはその所為だ。


どうも、織坂一です。


ここでようやく「陽の光の下を歩きたい女」の正体が分かりましたね。

これを書いていた当時はSNSからによる婚約者という事はただの恋愛だと思っていたのですが、こうして改めてみると、「これは婚活と変わりないのでは……?」と思い始めました。


ですが今後の流れとして、果たしてこれは婚活で済むのかはまぁ楽しみにしてて下さい。

本当に長いですが、この杏癒の置かれている状況と心境はまた暫く続きますので、今後もお楽しみに

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