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再開
「だからー…あの子はさー…」
友達であろう人物と楽しげに話しながら歩いているもう一人の人物は
紛れもなく「ソラ」だった…
あたしの中で時が止まる
嘘…
本当に…
ソラ…
あたしの視線に気付いたのか彼が横断歩道を挟んでこちらを見た
見つめ合う瞳と瞳の奥
そこには確かにあの「ソラ」がいた
「ソラ…」
今すぐ走り出したい
走り出して彼の温かい胸に飛び込みたい
感情が高ぶるのが自分でもわかった
彼の瞳の奥に映っているのはあたしなのだろうか…
それとも…
不安が過ぎったその瞬間、彼があたしの名前を呼んだのだった
「ーー…!!!!」
えー…今あたしの名前を呼んだ…?
不安が押し寄せていた感情は
彼の声で一瞬で吹き去った
道路越しの横断歩道橋
全てを拭い去り走り出し階段を駆け上る
ソラが階段を登りきるのが見えた
ソラ…!!ソラ…!!ソラ…!!
あたし達は言葉を交わすよりも先に抱き合い
周りの目を気にする事もなく
深く…深く…キスをした