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〜イサム黒板消し編〜
2年B組
日直当番の仕事の主な1つに黒板消しがあった。
授業後、先生が黒板に残した情報をふきふきして、次の授業に備えるのである。
イサムは綺麗好きであり、日直当番を待ち望んでいた。
綺麗に黒板を拭けるのである。
水拭きするとチョークが消えなくなるという情報があったが、水を使って洗いたかったイサムは、この日に備えて洗車用の高圧洗浄機を持ってきた。近くのトイレの蛇口と洗浄機をホースで繋ぎ、準備満タンだ。
ノズルの先を持ち、スイッチを入れ、グリップを握ると、高圧で水が噴出された。
高圧の水は黒板の汚れを一気に吹き飛ばした。新品に戻ったかのような綺麗さを黒板は取り戻す。
一通り綺麗にし、次の授業を待つ。先生はさぞかし驚くだろう。なんてキレイなんだ!と。日直当番を褒めるに違いない。
わくわくしながら、待つと、チャイムが鳴る。
しかし、先生がこない。
次の時間は体育で、そもそも教室に誰もいなかった。