〜イサム腫物扱い編〜
2年B組
あまりにもぶっ飛んだ事を言うので、イサムは腫物扱いされていた。ションベン臭そうな女子達はイサムの悪口をツイートしまくっているそうだが、イサムにはそれは分からない。
「おい、イサムぅ」育ちの悪そうなクラスメートが話しかけてくる。名前はシャニカマというあだ名だったな。
「なんだ?」
「ハナターレ王国から、来たんだろ?」ニヤニヤしながら言う奴だ。嫌な奴である。
「そうだと言っているが?」
「だったら連れてけよな、あるんだろぉ?」
ムカつく言い方だ。
「連れて行くことは出来ない」
そう、理由はどうであれ、この世界の人間を連れて行きたくはない。転生を阻止すべく、この世界に来たのだ。
「あーっ! あっー! やっぱり、ないんだーっ!」
鬼の首、とったりー!という感じの顔をかましてくるシャニカマにイサムはついに怒る。
「わかった。なら、今からハナターレ王国に戻り、私が勇者だった頃の格好でくればいいのだなッ!?」
魔法陣が現れ、その場でイサムは消えた。周りのクラスの誰もがその瞬間を見ていた。
ほ、本物だーっ!クラスメート達は騒ぐ。
〜約6分後〜
勇者の出で立ちをしたイサムが現れると、クラスメートたちはさらに、イサムが本当の事を言ってるのだと悟った。
コスプレというレベルではない。全てが勇者であり、本物の剣と本物の鎧だった。
「ごめんなイサムくん、疑ってたよ」シャニカマが言う。
この日以降、イサムはクラスの人気者になるのだが
銃刀法違反で補導された。