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〜イサム立志編〜
自宅
「ご機嫌な朝食だ・・・」
イサムはごはんと味噌汁とシャケの塩焼を食べる。
今日はイサムが入社する、(株)異世界転生の入社式である。
シャツを羽織り、ボタンを閉め、ネクタイをし、ジャケットを身にまとい・・・おっと危ない、靴下を履き、ズボンを履き、おっとっと、危ないぞ、チャックをしっかり閉めた。
(今日から社会人生活が始まる・・・楽しみだ)
イサムはハナターレ王国の元勇者である。
彼の国は異世界転生により現れた勇者で溢れかえってしまい、イサムはこっちの世界に来て、転生しそうな人間を食い止めようと頑張った。
しかし、
楽しい日常生活のために、その目的は果たされず、
どうでもいい学園生活を過ごしたのであった。
そういうわけでイサムはかれこれ何年もこの世界の人間として暮らし、この世界に馴染んだ。
・・・そうして気が付けば立派な社会人となっていた。
ーーーイサムの新編が始まる。
ノーパンのまま、出社するイサム。
その日の満員電車で逮捕された。