〜イサムメンデルスゾーン編〜
音楽室
音楽の授業でビートルズを歌う事になったイサムたち。
「ところでさぁ、イサムくんの国は楽器とかあるの?」
隣にいたキノコが興味津々で聞いてきた。
「そうだな。城には音楽隊がいて、笛を吹いていた」
イサムは故郷・ハナターレ王国のパレードを思い出す。
考えてみれば自分の世界で使用している楽器の殆どが、この世界にあるものと一緒だ。
それをキノコに話すと、残念そうな顔をしていた。
「なーんだ、てっきり、凄い楽器があると思っていたけど、そんな事ないんだね」
「ギターが10年前に流行ったぐらいだな。俺の国の音楽事情は・・・」
「ギターが!?」
「そうだ。TOYOSAKIという偉大な主人公がハナターレ王国に転生した際に流行ったのだ」
「TOYOSAKI?一体どんな人なんだ・・・」
「考えてみれば、TOYOSAKIの登場前後で声優のルックスが重視されるようになった気がする。ある意味ターニングポイントだった」
「イサムくん?何を言ってるんだ?」
「また、我が国ではTOYOSAKIに憧れてギターを始めた者が多数いたが、現在まで継続している人間は少ない・・・」
「そ、そうなんだ・・・」
キノコは現実世界でも異世界でも、ブームというものはあるのだな、とそんな事を思いながら、皆に合わせて、歌を歌った。
「「「へいじゅ〜〜〜」」」