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異世界転生が多すぎる  作者: 地理毛羽甘
(秋)フォール・イン・ラヴ篇
137/141

〜イサム吉備団子編〜

教室


イサムたちの学年で、

小学生向けに絵本を作ろうという授業が始まった。


イサムはこの国のポピュラー物語、ドラゴンボールにするか桃太郎を絵本にするか悩んでいた。

しかし彼には鳥山先生のような画力がない為、なくなく桃太郎の絵本を書くことにした。


まずは物語の筋書きの作成である。

≪昔むかし、ある所に、おじいさんとおばあさんが・・・≫


「ちょっと!イサムくん!」

イサムを怒鳴りつけてきたのは、クラメートの笛見ふえみさんだ。眼鏡をかけて、頬あたりが微妙に赤らんでおり、何かの画像メーカで作ったようなアイコンのような、そんな顔をしている。


「え?」驚くイサム。


「まず、その〝おじいさん〟から始まるのっておかしくない?」


よく分からない質問に困惑するイサム。


「別におばあさんとおじいさんでもいいよね?」

「そ、そうだね・・・」


イサムは書き直す。

≪おばあさんは川へ洗濯に、おじいさんは山へ芝刈りに・・・≫


「おかしいわね」

「えっ?」

「どうして、おばあさんが川へ冷たい手を晒しながら家事作業を行うの?どうしておじいさんが山へ芝を刈りに行く力仕事をするって決まっているの?」


イサムは書き直す。

《おばあさんは、山へ芝刈りに。。。おじいさんは川へ洗濯に行きました・・・》


ー中略ー


《おじいさんが大きな桃を切ると、その中から男の子が出てきました!》


「もうわかるよね?」

「えっ?」

「なぜ、大きな桃を切る権利を当然のように男が持っているのかしら?それに、どうして出てきたのは男の子なの?」


イサムは書き直す。

《おばあさんが、大きな桃を切ると、その中から女の子が出てきました!》


「その、桃から出てきた女の子は裸なの?」

「えっ?」

「わかるよね?」



こうして書き加えられた桃太郎のストーリーはいつの間にかドラゴンボールになっていた。


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