〜イサムリスク予測編〜
教室
「次の問題を・・・」
教師が設問を答える生徒を当てようとする時。
クラスメート達の頭脳戦が始まる。
イサムとデュラ田が会話をする。
「今日は・・・〝日付パターン〟か?」
日付パターン。
例えば3日であれば、出席番号3番。
稀に月を加算するパターンもある。2月3日なら5番目。
「待てよイサム。今日は10月5日〝座標パターン〟の可能性もゼロではない」
座標パターン。
席の列と行を指定するパターンだ。例えば4月3日であれば、座席の窓側からヨコ4列目から数えてタテ3行目の席となる。しかし、桁数が多ければ発動される事は少ない。
「デュラ田。安心しろ。10月だ。俺たちの教室はタテもヨコも10席はない」
「1+0で1列目、、、もしくは10を繰り返すパターンもあるぞ」
「しかし、この教師、9月頃から座標は使ってない。それもないだろうな」
デュラ田が席順を確認する。
「安心しろ。俺もお前も、日付および座標では当たらない」
「あとは〝日付リバースパターン〟も確認したい」
日付リバースパターン。
席順の後ろから◯番目を指定する変則パターンである。いつも同じ生徒を指定してしまう事を避ける先生の苦肉の策。
「安心しろ。昨日の授業が日付リバパターンだ。なので連続はないだろう・・・それに、リバースの場合においても俺たちは安全圏だ」
デュラ田はこの手の事については計算が異常に早かった。
イサムは慎重派である。更なる可能性を考える。
「待て・・・」
「どうした?」
「〝今日は何の日?パターン〟がある」
今日は何の日パターン。
その日の歴史上の出来事に対し、それに因んだ名前や番号で当てられる予測不能なパターンである。
イサムは即座にスマホを取り出し、百科事典サイトを開く。
ー10月5日。読み上げるぞ。計算を頼む。
「おかあさんといっしょ放送開始!」
「セーフ!」
「007の第一作が公開!」
「セーフ!」
「ビートルズ、ラブミードゥー発売!」
「セーフ!」
「サザエさん放映開始!」
「セーフ!念のため歴代最高視聴率も確認!」
「39.4パー!」
「セーフ!」
「山口百恵卒コン!」
「セーフ!」
「おじゃる・・・」
「セーフ!」
「レモンの日!」
「セーフ!」
「希美まゆ誕生日」
「セーフ!!!!」
「お前らうるさいぞ〜。この問題答えろ」
当てられた2人の頭は冴えており、正解した。