〜イサムインスタ編〜
放課後
イサムが教室を出ようとすると、デュラ田がスマートフォンを片手に色鉛筆を並べ撮影をしていた。
「何をしてるんだ?」尋ねるイサム。
「写真を撮っているのさ」
話を聞くと、今流行りの写真を載せて交流しようというSNSアプリの為に見栄えの良い色鉛筆を並べているという。
「確かに鮮やかだな」
感心するイサム。これがフォトジェニックというものか。それにしても意図的に並べられた色彩というのは、果たして評価に値するのだろうか?
「ポチっとな」
デュラ田が写真をインターネット上に投稿すると、すぐさま〝イィーネッ〟がついた。イィーネッとは、その写真を見た人が評価している値なのだ。これが多い程、人気のバロメーターとして評価される。
「なるほど。確かに楽しそうだな」
イサムは早速、そのアプリをダウンロードし、ある事を思いついた。
(自分とデュラ田の顔写真を載せて、多くイィーネッがついた方がイケメンではないだろうか・・・?)
イサムは早速、自分の顔写真(アプリ加工済)とデュラ田の顔写真(半目の瞬間)をアップロードした。
ピロリン♪
(アプリから通知が来た!どっちの写真だ?)
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