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〜イサム文化祭編〜
ホームルーム
「忘れてたけど明日文化祭でーす」
担任のコテメン先生がクラスメートに言う。
「おい、イサム。ブンカサイとはなんだ?」
イサムとデュラ田は創作産まれファンタジー育ちである。文化祭など知る由もない。
「一年に一度の文化のお祭りさ」
キノコが目を輝かせて語る。
イサムたちの通う、平凡中学の文化祭は半日を使い、全校生徒が体育館に集まり、文科系の部活が日々の活動の成果を発表するのだ。
ちなみに忘れられがちな設定であるが、イサムは吹奏楽部、キノコはファンタジー研究部に所属している。
「ファンタジー研究部では、今年、ファンタジー演劇をやるんだ!なんと、僕が主演なのさ!」
キノコが目を光らせ、語る。
「頑張れよ!」とデュラ田。
「どんな劇なんだ?」とイサムが尋ねる。
「史上初!ひとり4役のスーパーファンタジーさ!」
ファンタジー研究部は部員1名だった。